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山の神に翻弄され続けた富士登山紀行。(part.3)

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三日目・後半 ――世紀の瞬間、そして・・・――(8合目〜帰宅)
a.m.1:00〜
起床。殆ど寝てないんですけど。
むしろ眠れませんでした。(窮屈すぎて)

でも今起きないと御来光までに頂上まで辿り着けないそうで。まだ睡眠モードの目をこすりながら荷物の整理。
靴下も新しいものを履き、外に出ようと靴に足を入れようとしたら・・・








寝てから2時間しかたっていないため、靴が乾いていることはまったくなく、
新しい靴下もあっという間に冷たい水をたっぷり吸い上げてくれました(涙)


そして外に出てみると・・・・
寒 す ぎ る 。
気温はなんと5℃。
真夏8月真っ只中なのに5℃ですよ5℃!

ワ ァ ー オ !  ア ン メ ェ ー ィ ジ ン ッ ☆

気が狂いそうです(時既に遅し)



まだ朝の1時だというのに、山小屋の前は沢山の登山客でごった返していました。
カップヌードルや温かい飲み物を口にしている人もかなり居ます。
自分達もなにか飲もうと思って店のメニュー表を見てみたら・・・・・・・・・


  お茶(缶)・ココア(紙コップ)  4 0 0 円


  カップヌードル  
6 0 0 円


  カレーライス  
1 5 0 0 円





ウ ワ ァ ー オ ! ア ァ ン ビ リ ィ ー バ ボ ー ゥ !

アハハハハッ!カップヌードルが600円!600円だって!!
ヒー!アーハハハハハハッイーヒヒヒヒーヒヒー・・・・ヒヒ・・・
も う 笑 う し か な い 。

a.m.1:55〜
山小屋を出発(結局お茶とココアを買いました)

昨日とは違って雨が降ることはなく、風もありませんでした。
靴の中がベチャベチャに湿っているのを除けば快適な登山環境です。
雲も少なくなり、夜空には沢山の星が姿を現しました。
下界で見れる星の数とは全然違います。
満天の星空とはこのことを指すのか、と思いましたね。
自分は視力悪いんでボヤボヤとしか星が見えなかったんですけど。
そんなショボイ視力でもオリオン座を確認することはできました。
また、たまに流れ星が見えることがあるらしく、登山途中も流れ星が流れて歓声が上がりました。
そのとき見事に見逃してしまいました_| ̄|○

登山を開始してしばらくすると、道のあちこちで休憩している人が目立ってきました。
中には酸素ボンベを口に当てている人も。
あまり話題にしてなかったんですが、空気薄いんです。
深呼吸しようとしたら肺が痛くなるし、たまに息苦しくなって咳き込んだりしました。
そして、8合目を出発して数時間と立たずに、メンバーのうち半分の7人がリタイア。
8合目の山小屋に戻るそうです。

結局、自分を含む残りの8人で登山再開。
しばらくすると、地平線の向こうが明るくなってきました。
このペースで登り続けても御来光まで頂上へは行けそうにないそうです。
上のほうは道が登山客で渋滞していて、これからさらに多くなるかもしれないので無理だとか。
正直悔しいですが、やっぱり諦めなきゃいけないのかな・・・と複雑な気分でした。

その時、頭の中で某魔女先生
  
お前の中の少年は行けと命じている。お前の中の大人は退けと命じている。
と囁いてきました・・・(かなり危険)

最終的に、「御来光が出るまで」登ることになりました。
頂上まであと数百メートルときたところで、もう御来光が出てきそうな勢いになってきました。
ということで、ここで登山をやめ、近くにある撮影に良さそうなポイントに移動。

あとは、御来光が出るのをひたすら待ちます・・・・・・
9合目に到着。
いきなり、山頂のほうから歓声が上がりました。
どうやら向こうでは既に御来光が現れたそうです。
羨ましい・・・。

周りの空気がピンと張り詰め、今か今かとカメラを構え続ける人たち。
自分も携帯がブレないようしっかり握り、御来光が現れるのを待ちます。


午前4時50分、ついに・・・・・・・・・
キタ――――――(゚∀゚)――――――!!!!!!
御来光が現れた瞬間、周りからどっと拍手と歓声が上がりました。
ガイドの方によると、こんなに綺麗な御来光が見られるのは稀だそうで。
これ絶対死ぬだろみたいな環境で必死こいて登ってきた甲斐がありました。雲海も綺麗。


ちなみに、←の写真は↑の写真から約10秒後のもの。
さらに30秒後
さらに数分後。
ここまで昇ってくると、これは「御来光」でも何でもない「た だ の 太 陽」だそうです。

a.m.5:00頃〜
無事に御来光が見れたということで下山を開始。
同じ事を考えている人はかなりいて、下山道は人でいっぱいになりました。
惜しげに頂上を眺めながら、まったりと下山道を下っていきます。


下山道を下っていって暫くすると、両足がいきなりガクガクブルブルと震えだしてきました。
また、股関節と膝間接と足首が急に痛くなって歩きづらくなり、
それらと同時期になぜか激しい尿意に襲われました。

それらの苦痛に耐えながら歩くのに必死で、その時は何も感じてなかったんですが
おそらく周りの人から見れば
物 凄 く 無 様 な 歩 き 方 を し て い た と 思 い ま す 。

下に見える山小屋が近くなってくるや否や、おそらくすごい形相で走っていったであろう自分。
トイレの数メートル先のところでズデーッと思いっきりすっ転ぼうがそんなのものともせず、目の前のトイレだけを目指して走りました。

そして、トイレの入口前に到着。
こ、これで苦痛の一つから開放される・・・・・・と思いきや、まだ試練が。




「トイレを利用するなら100円払ってくださぁ〜い」






 _, ,_
( ゚д゚)・・・・・・・・・?








   _, ,_
( つд⊂)ゴシゴシ







( ゚д゚)・・・・・・・・・








( ゚д゚)ハァ?


思わずこの金の催促をしている係員を今すぐ殴り飛ばしたい衝動に駆られました。

富士山のトイレは有料制なんですけど、それは個人の任意で支払うチップ制なんですよ。なのにここは強制だったので腹が立ちました。
それ以前に、この時の自分にとってはたったの1秒さえ永遠に感じられたので、こんなところで時間をロスしているのが気に食わなかったんでしょう(客観的意見?)
まあ、文句を言っても仕方がないので、財布から100円玉を取り出して係員が持っているカップに投入。
すごい形相が般若顔にチェンジしつつありました。(要するに、いろいろな意味で限界突破寸前


トイレでスッキリしたあと、メンバーと合流して下山再開。

a.m.7:00〜
雲海を眺めながら弁当。 向こうに見える道が、前日ひどい目にあった登山道。
晴れているときはこんなに綺麗な景色が見れるんだなぁ・・・と
考えているうちに再び山の神への怒りが湧き起こりました。
下山もいよいよ佳境へ。
足の痛みも大分ひき・・・というか感じなくなってきました。
これはアレですか?
苦痛が限界を超えると快感に変化するという・・・?
別に快感でもなんでもないんだが。ただ何も感じないだけ。
でも気分はなぜかハッピーでした。(超危険)
ちなみに足の震えはまだ止まりません。
再び尿意に襲われ、下にあったトイレに急行。
そこには長蛇の列が・・・。なんでこんなに人気なんだろう
ここで再認識したことですが、外国人観光客の多いこと多いこと。
そのうちの殆どは中国から来た方だと思います。
英語圏の人も多いのかな?
登山途中でも1回だけ見かけたんですが、馬に乗って登山(下山)する人が
目立ち始めました。何頭か写真を撮ろうとしたんですが意外と足が速く
結局撮れたのは馬が待機しているこの1枚だけ。
6合目から見た富士山。
山小屋の列があんな遠くに・・・。
いよいよゴールの5合目まであと一息。
ここで足の痛みが再発。
前とは比べほどにならないくらいの激痛が足を駆け回りました。
さらに気分まで悪くなり出してもう最悪の状況です。
5合目の山小屋が目の前にあるというのに何キロも遠く感じました。
登山時はラクチンだった下り坂は、下山時では最凶最後の試練へとその姿を変えていました。

a.m.9:05〜
最後の力を振り絞って歩き続け、やっと5合目に到着。
そ し て 死 亡 。

記念写真を撮った後(自分は逃亡)、ガイドの方に礼をして
バスへと乗り込みます。
5合目から見た富士山。
って・・・また雲に隠れてる・・・_| ̄|○

a.m.10:00〜
バス出発。
スバルラインを降り、河口湖へと向かいます。

a.m:10:49〜
河口湖到着。
そうです、7月11日に植松伸夫氏がドライブで来た河口湖です(知らんがな)

ここにあるレストランで温泉に入った後(レストランなのに温泉が!)
昼食を食べお土産屋へ。
ここで変わった餅を買った後バスに乗り込み、12時13分、再びバスは四国へ向け出発。

p.m.9:45頃
何度かSAに立ち寄って休憩しながら走り続け、ついに元の会社前に到着。
その時寝ぼけていたのでどこだか分からず、親父が「出るぞ」と言ったのに対する自分が出した返事は

「 な ん で よ 」お前一生バスの中で寝てるか?

家に帰りそのままベッドに直行。


【感想】
疲れました。


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