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443:魔女の見る夢【紅と灰の願い】

作:◆eUaeu3dols

闇の底。
完全な暗闇の中。
視覚は完全に失われ、嗅覚は麻痺し、味覚は意味を為さない。
聴覚と触覚だけが、二つの情報を伝え続ける。
全身にざあざあと降り注ぐ雫と、ぬかるんで柔らかい地面を抉る感触。
今、雨が降っている。
そして、自分は歩き続けている。
判る事はただそれだけ。

何のために歩いていたのか。
どこへ行こうと歩いていたのか。
全て忘却しても尚、歩き続ける。
(歩みを止めてはいけない)
その意志だけを胸に抱いて、歩く。
どこまでも歩く。
いつまでも歩く。
立ち止まれるわけがない。
倒れ伏せるわけがない。
彼女は、それでも歩き続けると誓ったのだから。
そしていつしか闇は晴れ――自らが歩いてきた道に気づいた。

赤。紅。赫。緋。朱。
一面の赤。
ぬかるんだ地面は全てが紅く染まり、
空とそこから降り注ぐ雫は一滴残らず赫く光を返していた。
身につけたドレスは皇族のみに許された猩猩緋に染まり、
自らの指は鮮烈な朱色を塗りたくられていた。
その染料が全て同じ事に気づき、強い吐き気を催す。

そこは屍の山だった。
踏みしめたぬかるみは数多の死者の重なる大地。
自らを染め上げ大地へ流れる赤い雨は、どこまでも罪深い鮮血だったのだ。


周囲を見回して見えるのは延々と続く屍だけ。
求めた理想郷は早見えず、歩んだ道すらもう見えない。
彼女は自らを問いつめる。
どこで道を踏み外してしまったのか。
残酷なゲームに堕とされて、必死になって人々を解放しようと戦い続けた。
なのに、着いた先はどこまでも赤いこの大地。
彼女はこんな場所を求めていない。
彼女はこんな結果を望んでいない。
それでも彼女はこんな大地に辿り着いた。

ずぶりと鈍い音を立てて、足下の死体が起きあがる。
彼女の目の前に、2人の少女が立ち上がった。
一人はメイド服を着た、背丈に見合わない緩急の効いた身体を持つ少女。
その顔は左半分が無惨にも砕けて潰れ、赤、白、灰色の中身を露わにしていた。
一人は銀の髪をおさげにした、華奢な身体の少女。
その胸には大きな穴が空き、向こう側が見えていた。

一片の命すら感じさせないおぞましいその体を震わせて、2人の少女が口を開く。

「あなたのせいで死にました」
「わたしはあなたに殺されました」

それは、淡々と響く弾劾で。

「すごく痛かった」
「すごく悲しかった」

あまりにも鮮烈な悲鳴で。

「それに……」
「……とても、寂しいです」

どこまでも痛切な哀願だった。

「「だから……」」

朝比奈みくるが左手を差し出す。
テレサ=テスタロッサが右手を差し出す。

「「……あなたも、来てください」」

差し出された手は、弾劾の手。
自らが死を招いた2人からの恩赦の手だ。
彼女が2人に死を招いたというのなら、その罪を償わなければならない。
彼女達に与えた苦痛を癒さなければならない。
その手段が、二人の少女から差し出されたのなら……
「あたくしは…………」
ダナティア=アリール=アンクルージュは差し出された手に手を伸ばし、そして――

「大丈夫ですか?」
耳に聞き慣れない声が響く。
目を開き、見慣れぬ少女の顔を見つめた。
ダナティアより少し年下だろうか、人形のように整った容姿をした優しげな少女だった。
「とても苦しそうに眠っていましたから」
少女が心配そうにダナティアを見つめ、言う。
よほど酷い寝顔で眠ってしまっていたらしい。
酷い夢を見た気がするが、最後の方がよく思い出せない。
ダナティアは首を振り、意識を覚醒させる。
「……大丈夫よ、ありがとう。それで、今は何時かしら」
「4時半を回った所ですね」
(……1時間という所ね)
周囲を見回すと、白く眩い蛍光灯と白い壁と白い天井と白いカーテンが周囲を囲んでいた。
壁に付いた窓からは、白い世界の中で唯一灰色をした雨空が見える。
この病院に辿り着いたのが3時過ぎ。
相良宗介とダナティアの処置が済んだのが3時半の少し前だっただろうか。
泥水に汚れ破傷風の危険も有る、そもそも普通なら確実に致命傷な宗介の傷。
例え治療を施すにしても、あと半時も掛かれば命が失われてもおかしくない大量出血。
メフィスト医師は僅かな道具で易々と、他の者達から見て完璧な治療を施して見せた。
相良宗介の左腕は失われたが、直に意識は戻り、やがては右腕も動きを取り戻すだろう。
その後にダナティアの傷を全て処置するのに掛かった時間はそれよりも更に短い。
挙げ句にそちらに至っては治療中に手短に情報を交換する余裕さえ有った。
しかしその神業でさえ、本人は『唾棄すべき程に稚拙な手際』と言い捨てた。
ミリ単位の誤差さえ無く腕を動かしながら、指を思うように動かす事が出来ないというのである。
ダナティアはもちろん、彼と同行していた一度簡単な治療は見た事が有るはずの少年までもが驚愕した。
彼と比べれば例え何者であれ大海を知らない井の中のカ……
(いーえ、あたくしの辞典にそんな諺は無くってよ!)
唯一の弱点である両生類を示す単語を曖昧な夢の記憶が埋まる忘却の井戸へと叩き返し、
ダナティアは何事も無かったかのように思考を脇道から引きずり戻した。
(そう、あたくしはメフィスト医師と情報を交換して……)

短い時間だが、それまでの簡単な経緯と、互いの捜し人の話くらいは出来た。
ダナティアは別行動している仲間の事、相良宗介が何者かに千鳥かなめを人質に取られている事。
またも護るべき少女一人護りきる事が出来なかった事。
メフィストは一時は終の身体を、そして今は志摩子の友の身体を使う灰色の魔女の事。
そして数時間前に彼らと出会い、別れた、坂井悠二と彼の話した物語の原理。

メフィストは物語の中身自体は危険性が不明だと話さなかった。
ダナティアもわざわざ聞くつもりがなかった。
坂井悠二の事は気になったが、彼は港へ向かったのだと聞き、すぐに追うのはやめた。
ベルガーの帰り道とも重なるはずだし、シャナの居る合流地点を通る可能性も有る。
追いかけて見つかるかも判らない。
それにダナティア自身、メフィスト医師の治療を受けたとはいえ無数の傷を負い、疲労していた。
だから彼女は僅かに休憩を取る事にして、ベッドに横になった。
その休憩も終わりだ。問題は解決せずに増えただけなのだから。

「相良宗介は別室かしら? まず、彼から聞き出したい事が有るわ」
ベッドから身を起こし、志摩子に問う。
布団がはだけ、その時ようやく服も頼む必要が有る事に気づいた。
それに動じず、志摩子は問いを返す。
「何に焦っているのですか?」
「焦っている? あたくしが?」
そう返し、すぐに思い直す。
「……ええ、そうね。あたくしは、これ以上あたくしが守れたはずの誰かを失いたくはないわ。
 相良宗介の取られた人質が何時まで無事か判らない以上、一刻の猶予も無いもの」
「宗介さんならついさっき目を覚まして、別室でメフィスト医師と終さんが話をしています」
ちなみにメフィスト医師と竜堂終という戦力が二人ともそちらに回ったのは、
相良宗介がダナティアと終に敵意を剥き出しにしていたためである。
ダナティアへの敵意は兎も角、終への敵意は原因であるオドー殺害に誤解が有るので、
それを解く為に別室に移して話をする事にしたのだという。
(同室に居ても気づいて起きれないだなんて、そんなにめいっていたのかしら)
例え腕が使えずとも、意識を失う前にやった用に口だって武器になる。
それに敵意と執念が加われば、危険を感じるには十分な脅威だったはずだ。

「彼が起きた時、どうだった?」
「隙を見てあなたを傷つけようとしましたね」
予想通りの答えが返る。
「宗介さんに起きあがるほどの体力は戻っていませんでしたけど、
 それでも、まだ殆ど動かないはずの右手で水の入ったコップを割って、
二つ隣のベッドからあなたへ、ガラスの破片を投げつけようとしました」
それは十分な脅威だったはずだ。
メフィスト医師の管轄下で何故起きたのか不思議な程の危機。
「でも、それも叶いませんでした」
「どうして?」
志摩子は言葉を返さなかった。
ただ無言で、横のカーテンを開け放つ。
明らかな答えがそこに在った。

隣のベッドに遺体が一つ置かれていた。
白いUCAT戦闘服を身につけた銀髪の少女。
テレサ・テスタロッサは、まるで眠っているかのようにその身を横たえていた。
胸が大きく抉られているのに、その表情は何故か穏やかに見えた。


「……滑稽ね」
一度目で、自らの命を犠牲にした。
「戦場そのもので生き残る術なんて持たないのに、飛び出して」
二度目は、単にその遺体をメフィスト医師が利用しただけなのかもしれない。
「それなのに。あなたは確かに人を守りぬいたわ」
静かにハンカチを差し出される。
「どうぞ」
ダナティアは自分が涙を流しているのに気づいた。
「……ええ、ありがとう」
涙を拭きながら、ダナティアは夢の続きを思い出していた。
涙を流さずに通した『酷い夢』の事を。


「あたくしは――」
ダナティア=アリール=アンクルージュは差し出された手に手を伸ばし、そして――

「――あなた達に、いくつも謝らなければならないわ」
――その手を掴んで引き寄せて、朝比奈みくるとテレサ・テスタロッサを抱き締めた。

「謝るだけですか?」
「わたし達を死なせた事を償ってはくれないのですか?」
悲痛な怨嗟の声がダナティアの心を蝕む。
――流されない。
「償うわ。だけど、赦しはまだ要らない」
腕の中の少女達を見つめる。
顔面の半ばが砕かれた頭。
ポッカリと穴の空いた胸。
二人の眼に満ちる悲哀と、無念と、怨嗟と憎悪と苦痛と絶望と……
それは、あまりにも無惨な姿。
「あたくしはあなた達を守れなかった」
目の前の二人の姿がダナティアの冒した罪。
泣き出したくなるほどの悲しみを抑えこみ、告げる。
「だけどせめて――こんな姿にしてしまったあなた達を、こんな所から救い出させて」

これは、夢だ。
根拠は、周囲の光景の異常でも、死者が動くその異様でもない。
それより前に。
朝比奈みくるとテレサ・テスタロッサは、ダナティアを恨んでいない。
ダナティアがいくら責を感じようと、彼女達の視点から見れば、
ダナティアを恨むのは八つ当たりや逆恨みと等しい事だ。
彼女達がそんな事をしないというこの確信は、驕りではない。
二人とはほんの僅かな、半日にも足りない時間を共有したにすぎないが、
それでもその当然が理解出来ないほど互いを知らなくはなかった。

自らの過ちにより死んだ者達に恨まれないのは、とても辛い事だ。
それは自分が失ってしまった者との絆を、失われたものの尊さを突きつけられるに等しいのだから。
その事に、ほんの少しだけ弱音を吐いてしまった。
いっそ憎まれればいいと、弾劾されればいいという思いが心を掠めてしまった。

「あなた達を『歪めてしまってごめんなさい』」

そんな世界だから、そのたった一言で屍山血河にヒビが入った。

「あなた達を死なせてしまって、その傷を更に広げてしまって、その心を歪めてしまってごめんなさい。
 あなた達の死すらも冒涜して、ごめんなさい」

ヒビが広がり、そこからあかい色が抜けていく。
大地に流れる紅い血はヒビから流れ落ちて、空から降り注ぐ赫い雫は透明になって揮発した。
指の朱色は色を失い、ドレスの緋色だけが色を残す。

「だからせめて、あなた達をこんな所に居させはしない」

この世界の全てはダナティアの心から生まれた幻だった。
腕の中のみくるとテッサの幻も、ゆっくりと薄れて消えていった。
広がるヒビが全てを呑み込んで、後には黒い闇だけが広がっている。
腕の中の二人の幻は、もはや欠片の残滓すらも残さない。
少なくともダナティアの悪夢に冒涜される事はない。
ダナティアはその事に僅かながら確かな安堵と、一抹の寂しさを覚えた。
死者は帰らない。死者の赦しを得る事は出来ない。
赦しを与える事が出来るのは生者だけだ。
その事実が心に浸みる。
それでも彼女が立ち止まる事は無い。何よりも自らがそれを赦さない。
だから唯我独尊な決断と共に、傲慢不遜にそれを宣誓した。
「全ての救いを要する者達を、一人残らず救い出す。あたくしの手を届かせるわ!
 リナも、シャナも、千鳥かなめも、福沢祐巳も――!」
静かな叫びが闇の中に響きわたった。紅い道が生まれていた。


ダナティアが悪夢を打ち払うのと同じ頃。
ダナティアのターゲットに含まれた“彼女”もまた、夢を見ていた。

その夢は灰色をしていた。
色のないモノクロの、古い旧い世界の記憶だ。
夢の中で、その世界は歴史を辿り、文明は栄華を極めた。
空や海底に都市を築き、異界の者達さえも支配した。
無数の塔から世界の恵みを吸い上げて、神をも超えた支配者だと驕り高ぶった。

その剰りにも行きすぎた一色の繁栄故に、巨大な文明は滅び去った。

彼女は胸を痛めた。
確かに彼女の仲間達は傲慢だった。
力に劣る蛮族達を虐げて、無数の精霊や異界の魔神、偉大なる古竜達さえも従えた。
神々すらも自らに劣る者だと言い放ち、全ての宗教を弾劾した。
その事は彼女も良く思っていなかった。
密かに神を――それも大地母神を信仰し続けていた彼女にとって、それは自滅にさえ見えた。
だが、例え彼らの終末が自業自得であったとしても、その光景を認められるはずがなかった。
彼女の故郷が、彼女の友達が全てを失っていく終末を、認める事など出来るはずがなかった。
「だからせめて、あの時のような大破滅が起きる事の無いように」
それが彼女の望みだ。
少女の様に真摯に、老婆のように頑なに、何があっても譲れない切なる願い。
今も彼女はその願いを叶え続けるためだけに存在し続けている。
その為に、あれほど信じた神の教えすらも捨て去って。

灰色の魔女カーラはそうやって生まれた。

気づけば灰色の記憶は途切れ、彼女は闇の中に立っている。
一片の光も無い場所だが、意志と感覚は奇妙なほどに鮮明だった。
(明晰夢のようね)
何も見えない。しかし音は聞こえる。
自らの衣擦れの音がするし、肉体の鼓動すらも聞こえてくる。
衣服を着ている感覚もしっかりと有る。
「随分と鮮明な夢も有ったもの」
思考が自然と言葉に出た。
それは奇妙な夢だった。

そして彼女は、更にもう一つの奇妙な事に気づいた。
手でそっと頬に触れると、水滴が指に付着する。
「……涙?」
カーラは自らの中に悲しみと同情の感情が生まれている事に気づいた。
何故? そう自問する。
彼女が過去の悲劇に涙する時はとうの昔に通り過ぎた。
今の彼女は、最も大切な一つの目的の為に邁進し続けている。
世界の全てとは言わない。
せめてあのロードス島だけでも、あの大破壊を起こさせはしない。
その為に敢えてロードスの人々を傷つけ争わせていた。
今も、ロードスに波紋をもたらす可能性の有る異界の者達を殺そうとしている。
狂気にも近しい凄惨な覚悟を胸に抱いて。
灰色の魔女カーラが涙を流す理由など有るはずも無かった。
理由が有るとすればそれは……
「『この子』の涙かしらね」
カーラは夢の中でも自らを宿す、福沢祐巳の胸に手を当てた。
やや小振りの胸は、落ち着き払ったカーラとは裏腹に早鐘のように脈を打っていた。
身体機能すらも再現された明晰夢が少し可笑しく感じられた。
本来、カーラに乗っ取られた者は肉体の反応さえ表に出る事がない。
たとえ愛する者を手に掛けたとしても。
この世界に『制限』が掛けられ支配の力にも揺らぎが生じているとはいえ、
例え気を緩め、宿主が英雄であったとしても、既に支配された後から脱する事は無いだろう。

だがそれに夢の中という事まで加わって、ほんの僅かな時間だけ、
“彼女”はカーラではなく祐巳として、豊かな感情を溢れさせた。
それがこの涙と悲しみと、何かに同情する心の痛み。
しかし、少女は何に涙した?
「……体を奪われている事を嘆いたのではないようね」
涙と悲しみは判る。体をカーラが使っている事は、少女が悲しむに値する。
だが、同情の想いが判らない。
「親しき者の死を思い浮かべたのかしら」
一度、カーラが少女に憑依した後に放送が有った。
その中の死者の報せでは、少女の最も大切な名前が呼ばれていた。
そうだとすれば、悲しみも涙も理解できる。同情も理解できなくもない。
「それとも……」
最も悲しい事は間違いなくその放送だろう。
だが、既に何時間も前の事を即座に思い浮かべられるとは考えにくい。
それよりも目の前にあった情景こそが……
「…………考えすぎかしら」
たとえカーラにどんな過去が有ったとしても、彼女は祐巳を乗っ取った。
それに考え方や思想が違う。きっと祐巳にとってカーラは紛れもない敵だろう。
そんな敵に同情まで抱くものだろうか。
……いや。
(私は彼女を完全に理解してはいない)
カーラは乗っ取った者との間で記憶をある程度共有する。
技術に至っては乗っ取った者の全てを使いこなす事が出来る。
にもかかわらず、少女には多くの謎が残っていた。
元々平和的な性格で、カーラに出会った時も絶望して今にも自殺しそうだったのに、
カーラの敵意に反応し、凶暴化して襲い掛かった。
その腕力は龍族のそれすらも圧倒したが、その後に安定化すると共に幾らかが衰えた。
『食鬼人(イーター)化』という単語が脳裏を過ぎるが、それでも説明は着かないようだ。
「一度、調べておいた方が良いようね」
もしまた肉体が暴走でもしたら目も当てられない。
カーラは福沢祐巳の詳細な記憶を探ろうと、奥へ、底へと潜って行った。
彼女が信じる灰色の未来、灰色の道を進むために。

手の届く全てを最も多く救い出す。
何度挫けても、何度失敗しても、その意志だけは変わらない。
目に映る者達がとても眩くて、失いたくは無いのだから
それが彼女の望み。願い。進む道。
例えその道が紅く塗られていたとしても。

手の中に在る者達だけでも大破滅は起こさせない。
どれだけ自らの信じる物を捨てさって、忌むべき存在に堕ちたとしても。
手の中に在る者達がとても大切で、滅びる様を見たくは無いのだから。
それが彼女の望み。願い。進む道。
その為に敢えて灰色の雲が覆う道を選ぶ。

それは何処か近しい二人の魔女の、何処までも交わらない二つの願い。


【B-4/病院/一日目/16:30】
【創楽園の魔界様が見てるパニック――混迷編】
【藤堂志摩子】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック(支給品入り)
[思考]:争いを止める/祐巳を助ける
【ダナティア・アリール・アンクルージュ】
[状態]:疲れ有り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水一本消費)/半ペットボトルのシャベル
[思考]:救いが必要な者達を救い出す/群を作りそれを護る
[備考]:下着姿
【相良宗介】
[状態]:左腕喪失/右腕繋げたてで動かしづらい/やや貧血
[装備]:(コンバットナイフ)
[道具]:(荷物一式/弾薬)
[思考]:半ば絶望/ダナティアに敵意/かなめを救う?/テッサに報いるため長生き?
[備考]:装備品は一時没収されています。

【G-4/城の中の一室/一日目/16:00】
【福沢祐巳(カーラ)】
 [状態]:食鬼人化。夢を見ている。精神、体力共に消耗。睡眠にて回復中。
 [装備]:サークレット 貫頭衣姿
 [道具]:ロザリオ、デイパック(支給品入り/食料減)
 [思考]:祐巳の記憶から状態を確認/起床後はフォーセリアに影響を及ぼしそうな参加者に攻撃
     (現在の目標、坂井悠二、火乃香)

2006/01/31 修正スレ195
2006/01/31 修正スレ251

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