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190:平和島静雄のスタンス

作:◆gfFjaqvHU

 西洋風の城の中、2階の吹き抜けから下を除きながら平和島静雄は思案を巡らせていた。
 入口から入ってすぐのホールでは先ほど彼らを強引に連れてきた神父が筋トレをしている。
 ここに着いて中を一通り調べ食事にした後から続けているから、最低でも一時間以上にはなるだろう。
 まるで機械のようにペースを落とさず続けている。
(あれだけ鍛えりゃ、あーいう風になるのか・・・サイモン以上だな)

 神父に引きつられてたどり着いた城は、その時には無人だった。
 いや、正確に言うと生きている人間はいなかった。
 いたのは死人。おそらく隠れていたのだろう、奥まった廊下の先の部屋の中で殺されていた。
 城の中の一部は嵐が通り過ぎたのかのような有様だったが、幸いなことに殺戮者は行った後のようで
 それ以外の姿は見られなかった。

(あのおっさんが一緒にいれば安全だろう・・・けどな)
 さっきは尋常ではない雰囲気を持った巨漢の迫力に押されて半ば流されるようについて来てしまったが、
 冷静に考えなければ、最後の一人まで殺しわなければならないのである。

 同行者の方を見やると彼らも同じように神父のトレーニングを見ていた。
 獣の毛皮をかぶった背の低い少年、暗い雰囲気の少女、そして穏やかな雰囲気の少年。
 彼らはどう考えているのだろうか。

「おい、チビ」
「な、なんだとてめぇ」
「おまえらよぉ、ずっとアレと一緒にいんのか?」
「あ、あれ?あれってあのおっさんか?」
「どうなんだ?」
「・・・・・・・・・・・・さぁ」
「わかってるよな?これが殺し合いだってこと」
「・・・・・・・・・・・・わかってる」
 ボルカンの後にいるキーリが発言する。
「でも神父さんは全員助けてくれるっておっしゃられました」
「・・・さっきの放送を聞いたろ?マジモンなんだぜこれは」
「・・・それは、わかってますけど・・・」
 さっき頭の中に響いた声によるともう20人以上が死んでいる。
 その内一人は奥の部屋の中だ。血塗れで確実に死んでいた。これは冗談ごとではない。
「じゃぁ、どうすってんだ?少なくとも今は安全だろあのおっさんと一緒にいれば」
 ボルガンも混乱している。
 あの神父は全員救う、争うなと言ったがそれでは済まないということは死体を見て
 実感していた。いずれこの中でも殺し合いが始まる。
「おまえはどうしたいんだよ?」
 平和島静雄はきびすを返し奥へと歩いていく。
「お、おいどこいくんだよ」
「わりぃけど俺は抜ける。後をよろしくな」
 これだけ大きな城だ。どこからでも出られるだろうと平和島静雄は城の奥へと消えた。

【残り 94人】
【G-4/城の中/1日目・06:20】

【神父と狂気な仲間達】
 【ハックルボーン神父】
  [状態]:健康
  [装備]:宝具『神鉄如意』@灼眼のシャナ
  [道具]:デイパック(支給品一式)
  [思考]:神に捧げるトレーニングは怠ることができない。
 【キーリ】
  [状態]:健康
  [装備]:超電磁スタンガン・ドゥリンダルテ(撲殺天使ドクロちゃん)
  [道具]:デイパック(支給品一式)
  [思考]:ハーヴェイを捜したい。神父を信じたい。
 【ボルカン】
  [状態]:健康
  [装備]:かなめのハリセン(フルメタル・パニック!)
  [道具]:デイパック(支給品一式)
  [思考]:キーリを護る。打倒、オーフェン。
 【古泉一樹】
  [状態]:健康
  [装備]:なし
  [道具]:デイパック(支給品一式)
  [思考]:ハルヒとキョンが死んでどうすればいいのかわからない。
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 【平和島静雄】
  [状態]:健康
  [装備]:山百合会のロザリオ
  [道具]:デイパック(支給品一式)
  [思考]:つるむのはしょうにあわない。

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