作:◆xSp2cIn2/A
「それじゃぁまず………って、あれ?あの子達は?」
さっきの女の子(ドクロちゃんと言うそうだ)に、
・むやみに人を攻撃しないこと
・ぼく達の言うことはちゃんと聞くこと
などを約束させ、自己紹介をしようとして周りを見渡した僕は、
出夢くんが連れてきた子等がいないことに気づいた。
「おいおい、気づかなかったのかよおにーさん」
出夢くんが馬鹿にしたように言う。
って、気づいてたなら止めろよ。
「俺たちがドクロちゃんを捕まえた時だな、居なくなったのは。気付かなかったのか?」
「て言うか、俺とかさっきの奴らに気づいてなんでそれに気付かないんだ?俺にはそれが疑問なんだが」
凪ちゃんと零崎に言われてしまった。
「ぼくは基本的に臆病だからね。自分を誰かが見てる気配には敏感だけど、敵意がないものは気付かないんだよ」
「へぇ、お兄さん臆病なんだ、桜くんといっしょだね!」
桜くんって誰だよ…
それにしてもなんで行ってしまったのだろうか?大勢で居る方が安全なのに……
――あぁ、そうか……
ぼくは木の下に転がっている、血のついた出刃包丁を見て気付いた。
なんと簡単な理由だろう。彼は、きっとぼくたちが信用できなかったのだろう。
そりゃぁそうだ。こんな状況で、殺人鬼やら殺し屋なんて名乗る奴が信用できるわけが無い。
でも……それもしかたがないのだろう。見たところ、彼らは普通の高校生だった。
人を見かけで判断するのはどうかと思うけれど、(だってほら、姫ちゃんとか)それなら不安になってもしょうがない。
考えてみれば、ぼくの『戯言遣い』や『欠陥製品』だってかなり怪しい……と思う。
「じゃぁ、凪ちゃん。彼女……じゃ無くて彼は匂宮出夢くん。殺し屋で――」
そこまで言った時、唐突に老人と子供が一緒に喋っている様な声が聞こえてきた。
ふむ、どうやら知り合いに死者は居ないようだ。
「凪ちゃん。君の知り合いは?」
「いや、今のところ居ない」
凪ちゃんは、地図の禁止エリアに時間を、名簿の死者に×を書き込むと、言った。
「ドクロちゃんは?」
「居ないよ。」
ドクロちゃんは、地図になんだかよく分からないものを落書きしながら言った。
「あぁ!俺の地図に!」
零崎が叫ぶ。ご愁傷様。
「とりあえず伸ばし伸ばしになっちゃった自己紹介でもしようか」
「そうだな、とりあえず禁止エリアもあまり関係が無いようだから無理に移動することも無いだろう。
自己紹介するぐらいの時間は十分にある。それじゃぁまず俺から。俺は霧間凪。『炎の魔女』霧間凪だ」
うわ、なんか凪ちゃんかっこいい。
「ほのーのまじょ?ぎゃはははは!聞いたことねぇな。僕は『人食い』(マンイーター)の匂宮出夢。殺し屋だ」
出夢くんは相変わらずだ。
「俺は零崎人識。こいつは『人間失格』と呼ぶがな。
ぼくを指差して言う零崎。
「ボクは三塚井ドクロ!ドクロちゃんってよんでね!」
キャピ!と鉄パイプを構えるドクロちゃん。わっかが戻って元気いっぱいだ。
「ぼくは名前を名乗らないって決めてるんだ。まぁ好きに呼んで」
お決まりの文句を言うぼく。
「さて、もう一度トラップを張りなおすか」
凪ちゃんの言葉に、ぼくと零崎はげっそりした
【戯言ポップぴぴるぴ〜】
(いーちゃん/零崎人識/匂宮出夢/霧間凪/三塚井ドクロ)
【F−4/森の中/1日目・06:13】
【いーちゃん】
[状態]: 健康
[装備]: サバイバルナイフ
[道具]: なし
[思考]:ここで休憩しつつ、トラップにかかった者に協力を仰ぐ
【霧間凪】
[状態]:健康
[装備]:ワニの杖 サバイバルナイフ 制服 救急箱
[道具]:缶詰3個 鋏 針 糸 支給品一式
[思考]:上に同じ
【零崎人識】
[状態]:平常
[装備]: 出刃包丁
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:惚れた弱み(笑)で、凪に協力する。
【匂宮出夢】
[状態]:平常
[装備]:???
[道具]:デイバック一式。
[思考]:生き残る。いーちゃんに同じ
【ドクロちゃん】
[状態]: 頭部の傷は軽症に。右手腱、左足腱は、杖を使えばなんとか歩けるまでに
[装備]: 鉄パイプ
[道具]: 無し
[思考]: このおにーさんたちについていかなくちゃ
※能力値上昇中。少々の傷は「ぴぴる」で回復します。
2005/04/03 修正スレ23-27
←BACK | 目次へ (詳細版) | NEXT→ |
---|---|---|
第169話 | 第170話 | 第171話 |
第175話 | 霧間凪 | 第214話 |
第175話 | いーちゃん | 第214話 |
第175話 | 零崎人識 | 第183話 |
第175話 | 匂宮出夢 | 第214話 |
第175話 | ドクロちゃん | 第214話 |