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第116話:Miss a chance

作:◆l8jfhXC/BA

 灯台の下に男の姿を見つけ、俺は気配を殺して樹の影に身を隠した。
 一房臙脂色が混じった、長い銀の髪。
 架空小説に出てくる勇者のような容姿。
 このような服装をした奴らは、最初の部屋で何人も見た。
 最初の青白く光る門もそうだが、俺のいた世界での文化や常識は当てにしない方がいいかもしれない。
 ──ただ、一つ気になる点があった。
「あれは犬だよな?」
 人影の隣に白い犬がいる。それはいい。
 ……先程から男と犬がしゃべっているようにみえるのは気のせいか?
 声もおぼろげだが二人分聞こえてくる。
「……」
 しばらくすると二人は灯台に入っていった。……武器もない状態で接触するのは避けたい。
 いや、弾は入っていなくとも外見はリボルバーだ。脅しには使えるか?
 ……まて。自分の文化や常識を当てにしない方がいい。
 リボルバー──もとい、銃器のこと自体を知らないかもしれない。
 ……やめておこう。
 灯台から遠ざかるように、俺は南西に向けて歩き出した。


【残り98名】

【A-7→B-6(南西に移動中)/砂浜/一日目・0:50】

【ガユス・レヴィナ・ソレル】
 [状態]:健康 (体力が少し落ちていることを確認)
 [装備]:リボルバー(弾無し)
 [道具]:支給品一式
 [思考]:南西に向かう、呪いの刻印を外す、
 能力制限を解除する方法を探す、協力者を探す


2005/05/09  一マス開け追加

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