作:◆PZxJVPJZ3g
「そこを動くな、銃で狙ってるぜ」
林の中をゆく二人の人間に向かって、イルダーナフ(103)はそう後ろから声をかけた。
だが実際には銃を持っているものの、彼等に照準を合わせてはいなかった。
イルダーナフは、もとからこんなゲームに乗るつもりは無いのだ。
そんな考えを知ってか知らずか、目の前の二人はそれをブラフだと彼に宣言した。
ブラフだと決めつけたその根拠に始まり、双方の肉体面及び精神面・装備面による
強さ、このまま戦いを始めた場合のイルダーナフが生きている可能性を二人の人間は
端的に述べた。
(ガキの癖してよく見てやがるぜ)
イルダーナフは心の中でそうつぶやく。
そして目の前の彼等は最後にこう語った。
「僕達に戦う意思はありません、もし誰かを捜しているのであればそれを手伝ってもいい
と思っています」
イルダーナフはその提案について思案する。
まだむこうでは《あの方》の本体がまだいる。あれをそのままにしておけば、いずれ世界
は終わってしうだろう。それを止めるには何としてもあの卵王子を向こうへ連れて
帰らねばならない。
どうするかなど、考えるまでもなかった。
「さっきは悪かったな。俺の名はイルダーナフだ、そう呼んでくれ」
銃を服の中に仕舞いながら、イルダーナフは右手を差し出す。
「いえ、こういう状況ですし用心するに越したことはありませんから」
黒いジャケットを着た方がイルダーナフの手を掴んだ。
「ボクの名前はキノ、そしてこちらがヴィルヘルム・シュルツさんです」
「ヴィルと呼んで下さって結構です」
「そうか」
ヴィルも一応、イルダーナと握手を交わす。
「それじゃあ俺の捜してる奴の特徴を教えておこう。まずはカイルロッド、こいつは──」
そうして時間は過ぎてゆく。
『トリオ・ザ・ガンナー?』
【キノ (018)】
装備アイテム:『カノン』
所持アイテム:支給品一式
【ヴィルヘルム・シュルツ(010) 】
装備アイテム:ベネリM3(残り6発)
所持アイテム:支給品一式
【イルダーナフ(103)】
装備アイテム:ヘイルストーム(出典:オーフェン、残り20発)
所持アイテム:支給品一式×2(ブルー・ブレイカーの分)
行動方針:イルダーナフの知り合い(カイルロッド、リリア、アリュセ)を捜す。
【備考】
ヘイルストームの初期支給弾数は25発、内5発を試射で使用
【D-4/一日目・林の中/05:00】
【残り98名】
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