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九四式軽装甲車
独立軽装甲車第二中隊 藤田實彦中隊長車

2005年7月19日 完成

マスターモデラーズvol.30「頑張れ学モ!」掲載作品

九四式軽装甲車製作記
藤田中隊長製作記

 今回は、初めてベースとネームプレートを作成しました。思ったよりキレイに出来たので、気に入っています。題材にしたのは、昭和12年12月の南京攻略戦の中で、九四式軽装甲車が大活躍した中華門攻防戦です。この戦いに参加したのが、藤田實彦少佐の率いる独立軽装甲車第二中隊でした。九四式軽装甲車が隊列を組んで、一斉に中華門に迫っている写真は、本などでよく見かけます。

 マーキング等は、ファインモールドの説明書を参考にし、藤田少佐の方は、自分で史料を探して「帝国陸軍戦車兵セット」の昭五式軍衣の将校を改造して製作しました。

 ベースは、中華門附近の道路をイメージしています。写真を見ると電柱が建っていたりするので、作ろうかと思いましたが、ベースが小さすぎるので断念しました。電柱の高さがありすぎて、小さな九四式とでは構図が不安定になるという理由もあります。

 当初、車長ハッチは閉める予定でしたが、車長が外にいるのに閉まっているのは不自然なので開けました。内装は作っていないので、覗くとがらんどうです。むしろ、固定用ボルトが見えて見苦しいんですが・・・

 ハッチのロックバーをエバーグリーンのプラペーパーで作りました。写真をよく見ると、ロックバーには小さな穴が開いているようなので、再現しました。

 写真を見ると、南京にはレンガ造りの建物が結構あったようです。『1億人の昭和史(2・26事件と日中戦争)』を見ていたら、レンガの瓦礫の山に歩兵が陣地を作っている写真などがありました。

 実際の戦闘では、装甲車が突入する前に、砲兵が中華門及び南京城内を砲撃しまくったらしいので、その砲撃にやられたという設定で瓦礫を配置しています。藤田實彦著『戦車戦記』の中には、崩れ落ちる前後の中華門の写真が載っていました。装甲車突入開始時にはそびえ立っていた中華門が、数分後には砲兵の攻撃で崩れていく様子がよくわかります。

 日の丸の旗はティッシュで作りました。ティッシュに溶きパテを塗って固めた後、適当な大きさに切って真鍮線に巻きつけました。赤い部分は、透明プラ板を丸く切り抜いて、エアブラシで塗装しています。

 この日の丸ですが、中隊長車と小隊長車が掲げていたそうです。敵の目標になってしまうのですが、藤田中隊長の提案で、戦意高揚のために敢えて掲げたままで突入していったようです。

 写真を見ていると、結構フェンダー上なんかに荷物を載せているのですが、今回は作りませんでした。ええ、技術的に作れませんでした。生活用品や燃料などは、被牽引車で引っ張っていたようです。ただ、被牽引車付きのときは後退が不可能で、敵に不意に遭遇したときは大変だったようです。車外にでて、被牽引車を外して、Uターンして、またつけて・・・・・と、相当不便だったようです。

 本来、TK(特殊牽引)車なので、被牽引車が欲しいところですよね。仮にスクラッチするとなると、九四式を1輌つぶしての足回りを採取して、カステンのキャタピラを使えば可能かと。ただし、相当高額になりそうですが。

 九四式軽装甲車初期型の特徴は、後部の誘導輪が小さいところ。後期型はもっと大きくて、地面に接地しています。

 藤田實彦少佐のトレードマークは髯。戦車第一連隊長として満洲に勤務していたときは、この髯で中国人の爺さんに変装していたとか。

 今回、ベースで苦労しました。木工作が苦手で、どうしてもキレイに木を切ることが出来なかったので、立ち上げ部の角の部分はエポキシパテで整形しました。木部着色剤を使えば、なんとかなるだろうと楽観していたのですが、実際に塗ってみると、パテと、立ち上げ部のヒノキと、土台の飾り台の色が見事にミスマッチ!!飾り台の木の師管部分なんかは、塗料を吸いすぎて真っ黒になってしまいました。「これは廃棄処分か??」と思いましたが、駄目元でサーフェイサーを塗布。その後、1000番のペーパーで磨いたところ、高級家具みたいにつるつるになりました。「これはいけるかも!?」と思いつつ、恐る恐る着色剤を塗ったところ、ご覧の通りとなりました。なぜか、木目もでています。いやぁ〜、飾り台にサフ吹きっていけますな。これからはこの方法でじゃんじゃんやろうかと★飾り台の塗装に使ったのは、和信ペイントの「水性木部着色剤」と「水性ニス」です。水性なので、においもほとんど無く、ハケを洗うのも楽ちんです。

 ネームプレートは、邦人さんに教えて頂いた方法を参考にして、金色の用紙に印刷する方法をとりました。トチマンの「インクジェット用 ハイメタル・ペーパー」というのを使いました。要は金色の厚紙です。手垢が付くと汚くなってしまうので、文字を印刷した後、つや消しのクリアーを吹いてあります。鏡のようなピカピカ感はなくなる代わりに、汚れがつかなくなりました。

 実は、ガーランドさんに教えて頂いた「透明光沢フィルム」に印刷して真鍮板に貼り付けるという方法も試したのですが、こちらは上手くできませんでした。どうしても、真鍮板にキレイに貼れず、5回くらい失敗したところで断念しました。「ハイメタルペーパー」の方が、加工も簡単だったので、こっちでやっていこうと思います。