04年・秋の大整備週間の一番の目的は、
ウチのZZRを買ったときから、ずっと懸念だったフロント・フォークを整備することでした。
と言うのも、買った時から、なんとなくフォークの感覚がフニャフニャで、
急ブレーキの時に、前へツンのめるほどフニャンと車体が沈むからでした。
なにを隠そう、私がZZR250を買った1ヵ月後に事故って鎖骨を複雑骨折したのも、
このフロント・フォークのフニャフニャ加減にあったと言っても、言いすぎではありません。
現場が下り坂だったと言うのも要因としてあるのですが、
子供が左側の歩道から突然道路へ飛び出し、
それを避けようと急ブレーキした途端、車体がガクンッ!と前へ沈み、
その反動で身体がお尻がシートから浮いて、タンクの上へすべり、
その結果、右足がリア・ブレーキから離れ、それでも右手だけはブレーキを離さずにいたので、
余計に車体が前に沈みこんで、そのまま右の路面へ肩から倒れました。
あの頃はセパハンで前傾姿勢だったのも、要因としてあったのでしょう。
なんにせよ全ての要因が、車体を前へ前へと沈ませる原因となっていました。
結局、子供は驚いただけで怪我しませんでしたが、
私は救急車で運ばれ、2度にも渡る全身麻酔手術を…。
まぁこんな事故があってから、ZZRは3年もの眠りについていたのですが、
中学の時からずっと欲しかったZZR250を、手に入れて1ヶ月で粗大ゴミとするにはあまりにも勿体無かったため、
とりあえずバーハンkitを買ったのが、復活計画へのきっかけでした。
そしてバーハン化にし、 復活後1年が経とうかという頃、 フロント・フォークに 黒い汚れの輪ッカが大量に付くようになって、 OIL滲みが発生していることに気付きました。 やはりもぅコレはショップ行きか… と悩んでいましたが、 どうやらwebの噂では、 ●万円も整備賃がかかるとのコト…。 そんな金、ねぇよ!ヽ(†u†)ノ |
1年間、どうしようか、どうしようかと悩み続けた結果、
キャブ整備やスプロケ交換の時のように、『彼(整備士)も人なり、我も人なり…』の心境で、
とりあえず構造理解用のFフォークを手に入れて、中身を熟知した上で整備に挑みました。
それでも、実際に自分のZZRに手をつけるまで1年以上も悩み続けたワケですが…。
その重要な理由は、のちほど…。
とりあえず、なんちゃってFフォーク分解のページのように
オークションで手に入れたFフォークを分解して構造は理解したのですが、
実際には、フォークからタイヤを外さないといけません。
外したはいいが、元に戻せないんじゃないだろうか…、
アライメントが狂うんじゃないだろうか…、
それらの不安要素も、実際に手を付けるまでの覚悟を必要とさせました。
最終的な後押しは、スプロケ交換の時と同じ、
『もしダメだったら、ゆっくりでも自走できる所まで直して、ショップに駆け込もう…』でした。
ちなみに、今回の交換方法も、ひでむら自身が作業しやすい方法なので、
正式な交換方法とは違うかもしれませんので、
あらかじめご了承を…。
さて、まず事前準備としては、フロントを持ち上げなければなりません。
ZZRはセンター・スタンドがあるだけまだマシですが、
それでもフロント・タイヤが若干接地しているので…
リア・シートに5kgのダンベルを縛り付けました。
すると、リア・タイヤが接地して、フロント・タイヤが僅かに浮きました。
ダンベルが無い人は、2Lのお茶かジュースかのペットボトルを3本ほど重ねても、大丈夫だと思われます。
(ちょっと不安定になるので要注意!)
分かりにくいですが、
フロント・フォークが延びきり、地面から3cmほど浮いています。
フォーク手前の小さな六角ボルトを緩めると、シャフトを回せるようになります。
シャフトを回そうとすると、つられて黒い部分のメーターギアが動くので壊さないように注意してください。
反対側は、六角レンチで止めています。
コチラはまだシャフト止めのボルトを緩めていないので、タイヤが左右に振れない用の支え程度の考えでで大丈夫だと思います。
メーターギアが壊れないように気を使いながら緩めます。
かなり固いと思いますので、要注意!
ちなみに逆ネジにはなっておらず、普通のネジと同じ、反時計回りで緩めます。
シャフトのボルトです。
こうして見ると、親指と中指で部品を持ってしまうのはクセですね。
人差し指で持つよりも、シックリくるのです。
シャフトの頭が見えますネェ。
で、シャフトを抜くとタイヤが外れるので、ブレーキ・ローターを痛める前にブレーキ・キャリパーを外すのですが、まず最初に外しておくべきか…。
外したキャリパーは、ブラ下げているとブレーキ・ホースを痛めるので、適当な資材で高さを作って、そこに置いておきます。
で、コチラ側のシャフト止めのボルトを緩めて、先ほどのシャフトの頭を叩くと、シャフトが出てきます。
ちなみに、タイヤの加重がシャフトに掛かっていると抜けにくくなると思いますので、タイヤの下に足のツマ先を入れるとシャフトを抜きやすくなります。
シャフトが抜ける前に、
黄丸のカラーが落ちてしまうので、砂が付かないように気をつけてください。
これがカラーです。
すでにパーツ・クリーナーで綺麗にした後ですが、かなり汚れていました。
けっこう擦れているなぁ…。
これがシャフトです。
思ったより短いですネ。
フェンダーを外す前にタイヤを外そうと思いましたが、
なかなかうまく行かなかったので、先にフェンダーを外すことにしました。
タイヤとの隙間が狭く、ボルトが見えないので、手探りで位置を確かめてメガネ・レンチを入れました。
手が真っ黒…。
外れたフェンダーです。
金属補強しているので、けっこう重たいですね。
フェンダーが抜けたら、タイヤも外しやすくなります。
ブレーキ・ローターを下にすると歪むらしいので、置き場所に気を付けましょう。
ベアリングが見えますね。
どうせならついでにグリスupしてあげたいのですが、外すのが怖いので今回は見送り…。
その代わりに、戻すときにシャフトにグリスを塗ってあげました。
コチラ側には、メーターの部品もハマっています。
この部品の凹みに…
メーター・ギアの凸っぱりがハマります。
戻すときは、気をつけましょう。
あと戻す時は、
タイヤ側だけでなくフォーク側も、メーターギアの出っ張り部分とフォークの凹みがハマるように備え付けます。
コレはシャフトを締めると、メーターギアも一緒に動こうとするので、なかなか気を使います…。
私は、メーター・ギアを動かないように握り締めながら締め付けました。
で、フォークを外す前に、メーター・ケーブル留めを外します。
コチラには、ブレーキ・ホース留めがあります。
さて、あとはフォークを外すだけなのですが、
普通なら、セパハンを外さないとフォーク・トップが現れません。
でも、私のZZRはバーハンに替えているので、セパハンの外し方は、バーハンドル化計画のページを参考にしてください。
外す前のフォーク・トップの突き出し量です。
標準は12mm。
左の方が、微妙、ほんの0.4mmほど低いですが、
フォーク下部のシャフトを止めるボルトを緩めると、微妙に上下前後に動くので、修正可能範囲でしょう。
上部はココのボルト、
(ちなみにココのボルトを緩めてから、フォーク・トップの黒いフタを少し緩めておくと、あとで苦労しなくて済むと思います)
下部はココのボルトを外します。
そしてグリグリと回していると下に抜けていきます。
フォークが抜けた後のステム。
ム〜、少し錆が浮いていますね…。
フォークの抜けた穴が、ポッカリ空いています。
この穴を見て、『とうとう、ココまでやってしまったな…』と言う感傷に抱かれました。
ふぅ…
とりあえず、フロント・フォークが外せたぞ…っと。
…コレでもぅ、後戻り出来なくなりましたな…(
゚Д゚)y-~~
ここいらで陽が暮れ始めましたので、
いそいで構造理解用に買った予備のフロント・フォークをZZRに装着して
タイヤも咬まして、ZZRを庭の片隅においやりました。
ZZRをちゃんと所定の場所に置かないと、親父の車が庭に入らないのでネ。
で、外したフォークは、
またのちほどジックリと分解整備します。
それまでZZRは、しばらく冬眠です。
後編(フロント・フォーク分解整備編)へ続く…
…Coming soon…
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