【高貴なるレクイエム〜聖】 「高貴なるレクイエム」は、父親パパスが殺される場面や 全滅した時に流れるレクイエムである。 低音の弦でモチーフのメロディが静かに鳴って曲は始まる。 このメロディが、「戦火を交えて」と 「不死身の敵に挑む」で使われているのである。 この部分は音が小さいので、 音量を上げられない下宿では、CDだとあまり聞こえない。 だが、生はすごいね。 くっきり聞こえた。もう感動だ。 CDでもヘッドホンで音量上げたらまあ聞こえるが、やっぱ全然違う。 Fmで始まり、モチーフが2回繰り返された後、 Cで解決したと思いきやそこからオクターブユニゾンのバイオリンが 悲痛なメロディを奏でる。 そのバックでは、和音が半音ずつ下がっていくおもしろい進行。 曲の後半は、モチーフが少しずつ変形されて、 ピッチを上げ楽器を変えながら次々つながっていく。 バックではティンパニーがリズムを刻み、徐々にクレシェンドしていく。 じわじわこみ上げる感情のようで、やりきれない気分になる。 厳かに曲が閉じると、 弦をバックにオーボエが伸びやかに鳴る。 これが、修道院やほこらの曲「聖」だ。 シンプルな美しい曲である。 バックを支える弦は2パートしかない。 そしてそれぞれの音は、 基本的に半音ずつ下がっていく。 簡単なようでこんなに難しいことはないと思う。 リメイクのDQ5では、 奴隷を逃れて修道院で目覚めたとき、 この曲が初めて流れる。 その修道院は海辺にあるのだが、 この曲をバックに波の音が聞こえた。 それが非常に合っていて感激した覚えがある。 【大魔王】 ティンパニー大活躍。 イントロとアウトロで大活躍だ。 ものすごくダイナミックに動いていた。 ライブCDなどもいくつか持っているので この曲のいろんな演奏を聞いたことがあるんだが、 この日のティンパニーはかなり良かったと思う。 そして序盤のほうで、 ホルンがちょっとミスっていた。 拍の長さを間違えていたのだ。 しかし、オケは何でもなかったかのように修正。 さすがプロと思った。 余談だが、のど自慢の演奏をやってるバンドも相当すごい。 リズムの取れない人や音痴な人に臨機応変に合わすのだ。 あれはプロだ。 余談でした。 この曲のヤマは、 なんと言っても中盤、 弦がこの曲のモチーフで絡み合うところだろう。 これは生で聞くと絶品。 なんというか……立体的に聞こえるのだ。 と言ってて自分でもよくわからんが、そんな感じ。 アウトロのティンパニも最高だった。 最後はオーケストラ全体が鳴り響き、圧巻。 割れるような拍手が鳴り響く。 【天空城】 その名の通り、天空城の曲。 クラリネット大活躍。 まさに天国、雲の上のような印象を与える始まり。 そして途中からは和声が複雑になってきて、 マイナーへ転調し、フワフワしながらも重厚な感を受ける。 しかし、とにかく綺麗である。 演奏も綺麗であった。 こんな感じで死んでいけたら気持ちいいかもしれん(笑)。 【結婚ワルツ】 結婚式とエンディングの曲である。 軽やかで優雅なワルツだ。 DQ5のストーリーはけっこう悲惨なだけに(笑)、 なんの迷いもないこの曲がエンディングで大変よかった思う。 前半部を終えると、 AbメジャーからDbメジャーに転調。 そして少しだけFマイナーに転調、 そしてAbメジャーに戻る。 戻ってきた後は、 最初にはなかったトランペットが入る。 このトランペットだが、 12年前に出たN響のCDではあまり聞こえないのだが、 今年出た都響のCCCDではかなり主張して聞こえる。 都響のCCCDを聞くまであまり印象になかったのだ。 あるとないではかなり違う。 あってよかったと思う。 コンサートでもよく聞こえた。 そしてこの部分では、 すぎやま氏の指揮もノリノリだった。 空に円を描くようにタクトを振る。 「bレbレbレッbレッファーーーbレードドドッドッbミーーードー」 の部分などは、 「突撃ー!!」みたいな感じでタクトを突きだしていた。 そして最後はオーケストラ全体で締める。 余韻が消えゆく頃、 当然鳴り響く大拍手。 大拍手に答えた後、袖へ引き上げるすぎやま氏。 鳴りやまない大拍手。 そして再び現れたすぎやま氏。 アンコールだ。 |