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tomiyumi webその他もろもろ音楽についていろいろ ― DQ5コンサート 04/8/21 その4

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DQ5コンサート 04/8/21 その4


20分の休憩をはさみ、第二部が始まる。

まずは、CCCDについての「おはなし」があった。
CCCDに文句を言う人がいる。
音質が悪い、コピーできないと。
しかし著作権は守らねばならない。
みんなコピーしてネットで出回るようになれば
クリエイターは飯が食えない。
(ちなみに、DQは制作費が50億円という話も。)
コピーガードは過渡期で不完全な技術だが、いずれ解決されよう。
とにかく著作権を守ることは重要だから理解されたし。
そんな話だった。

一般に言われているCCCDの問題点はそこではないと思うのだが……
デッキに負担がかかるとか、壊れても保証してくれないとか、
CCCD反対派はそういう面を問題視しているのでは。
決して著作権を軽んじているわけではないと思われる。

まあ、すぎやま氏はJASRACの偉いさんだし、
こういう話をせざるを得ないだろうけども。

ともかく、そういう話が終わると演奏へ。
第二部は全曲続けて。


【淋しい村〜はめつの予感〜さびれた村】

「淋しい村」は、山奥の村やカボチ村の曲。

この曲は「街角のメロディ」のアレンジであり、
4拍子でスローテンポになっている。
バイオリンのトレモロとハープの上で、
フルートが優しくメロディを奏でる。

「街角のメロディ」は跳ねたメロディが特徴だったが、
「淋しい村」では跳ねがなくなり、
半音が印象に残るメロディに変化している。

バイオリンのトレモロは、弓を小刻みに震わせる。
生で見るのが初めてだったので、
トレモロってああやってるのか……と感心した。

「はめつの予感」は、
王位継承パーティーの夜に妻子がさらわれるイベントでの曲。

ビブラフォン?か何か(音と楽器の名前が一致しない……)が
奇妙な気分にさせるメロディを弾き、
その合間にクラリネットが不安げに鳴る。
コードも、長二度の不安定な音程が多く使われ、
まさに「はめつの予感」な感じがするのである。
後半は木管と弦がメロディを奏でている。

「さびれた村」は襲撃後のサンタローズの曲。
弦のコード進行の上でオーボエがメロディを奏でる。

このコード進行だけですでに良い。

|Asus4 E/G#|Gdim7 F#m7-5|Fdim7 Em7|Am7 D|
|E7sus4 D#dim7|Bm Dm|Gm7 Cm7|D/B|Gm7 Cm7|A|

冒頭はベースラインが半音ずつ下がっていき、
dim7が非常に効果的に挿入されている。
で、|Am7 D| で泣く。
Am7の部分のメロディのbシがたまらなく良い。

全体的にDなのかFなのかAmなのかわからないような調性感が、
廃墟になった故郷のどうしようもない光景にマッチする。



【哀愁物語】

前のメドレーとこの曲はぜひ続けて聴きたかったのだが、
拍手が入ってしまい残念だった。

さて、この曲はパパスの手紙を読む場面やサンチョとの再会の場面など、
ドラマチックな場面でで流れる曲である。
メロディも和声も非常にわかりやすい曲だ。

イベント専用の曲というのはDQには珍しいが、
DQ5にはこの曲と「愛の旋律」(「はめつの予感」もそうか)がある。
すぎやま氏は曲数をなるべく抑えたがる人だが、
これらの曲を作る必然がDQ5にはあったのだろう。
そしてそれは大正解だったと思う。

ゲーム中流れる回数は他の曲に比べるときわめて少ないが、
「ラシドレミファソラー」というメロディは非常にキャッチーで、
かつグッとくる印象深いものだ。

前半はAマイナーで弦が主旋律と対旋律で哀しげにかけ合う。
後半はAメジャーに転調し、木管が安らぎのようなメロディを歌う。
そしてこの部分は特にハーモニーが美しい。
2ループ目は担当楽器が変わって盛り上がりを見せる。

DQ5と言えば「哀愁物語」である。
サンチョと言えば「哀愁物語」である。
(……やったことがある人ならわかってもらえるだろうか。)



【戦火を交えて〜不死身の敵に挑む】

「戦火を交えて」は戦闘の曲である。

半音で上昇するストリングスと下降するストリングスで曲は始まる。
この時の奏者の動きがすごかった。
音の揺れと同じく、身体も揺らしながら演奏するのである。

スネアドラムの小気味よいリズムに乗って、
オーケストラ全体で激しい展開を見せる。
本当に大迫力の熱演であった。

2ループが終わると、
「地平の彼方へ」のメロディが流れ、
「不死身の敵に挑む」につながる。

「不死身の敵に挑む」はボス戦の曲である。
これまで比較的ヒマだった(笑・失礼)ティンパニが大活躍する曲だ。
重厚で複雑な和音が多用されており、
「普通の敵とは違う強敵との死闘を繰り広げているよ感」がすごい。

この2曲は、どちらも最後のあたりで
「高貴なるレクイエム」のメロディが
対旋律として巧みに組み込まれていておもしろい。
あまりに自然に組み込まれているので、
気づかない人もかなり多いと思う。
DQの曲にはこうした仕掛けも多く、
それを発見したときは大いにほくそ笑むことができるのである。

とにかく、この2曲はすごい熱演だった。
音量が今までで一番大きかったからそう思っただけかもしれんが……
いや、この曲は奏者の動きもすごかった。
ノリノリで演奏してる感じを受けた。

そのためか、客の拍手もこれまでで一番盛大なものだった。
僕も手が痛くなるほど拍手を送ったものだ。


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