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tomiyumi webその他もろもろ音楽についていろいろ ― DQ5コンサート 04/8/21 その6

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DQ5コンサート 04/8/21 その6


壇上に立ったすぎやま氏は、
最近は携帯でもドラクエが出来ると話しだした。
FOMAのアプリとして搭載されたDQ1のことである。

そして、アンコールはそのDQ1から
「広野を行く」と「フィナーレ」!
少し意外で嬉しい選曲にどよめく館内!



【広野を行く】

DQ1のフィールド曲である。

勇壮な曲調ではなく、
勇者の孤独な一人旅の表現として
淋しげな曲調で作曲したのは有名な話。

この「淋しげ」だが、
「地平の彼方へ」の項で書いたように、
やはりドリアンを使用していることと、
マイナーで始まりメジャーで解決していることが
大きいのではなかろうか。

最初はピチカートストリングに乗って
オーボエがメロディを奏でる。
これはファミコン時代の2和音と同じ構成である。

そしてさらに音が増え、
広大な大地が広がる感覚を覚える。

そして最後は静かにピチカートで終わる。
このピチカート、CDだと相当音量が小さい。
しかし、本当に何度も言うが、さすが生!
ばっちり聞こえた。
同時に、初めてこの曲の本当の姿を見た、
という感じがした。



【フィナーレ】

DQ1のフィナーレ。
オーケストラ全体で紡ぎ出すそれは、
まさしく、大団円にふさわしい。

この曲は、CメジャーとEbメジャーを行き来する。
僕の好きな、短三度間の転調。
この転調はすぎやま氏の真骨頂だが、
たまに、これはテクニックくさいな、という使い方がある。
しかしこの曲の転調は、なるべくしてなった、
と思わせるほど見事だ。

もううまく言い表せないが、
とにかく名演だったと思う。
大満足の出来だったと思う。
曲が終わると、またも大拍手。


もうこれでコンサートが終わっても
おかしくないほどの盛り上がり。

まさか、DQ8の曲やらないなんてことは……

……という不安も束の間。
ついにすぎやま氏からDQ8の名が!

最後は、フィールド曲「広い世界へ」!
これは、デモ画面から受けた広大な世界の感じから、
するすると出来上がっていった、
「できちゃった結婚」ならぬ「できちゃった曲」らしい(笑)

そしてついに待ちに待った初のDQ8のオケ曲が始まる……



【広い世界へ】

ハープの不安げな上昇アルペジオ。
ここでおやと思う。
そして弦が淋しげに歌う。
ここで少し驚く。

それはなぜか。

DQ5についてきた特典ムービーでは、
フィールド曲は2曲あった。
明るい曲と、淋しげな曲である。
その淋しげな方が演奏されたのだ。
僕はてっきり「広い世界へ」は明るい方だと思っていた。

そしてその明るい方の曲は、
ハープのメジャーの上昇アルペジオから始まるのだ。
これはどういうことだろう。

ということを一瞬考えたが、
じきに演奏に聴き入った。
これが、素晴らしい。
ありそうでなかった感じである。
なんとなく久石譲みたいな。
とにかく、美しくスケールがでかい。
いきなりの感動である。

そしてその淋しげな部分が終わると、
聞き覚えのあるトランペットのメロディ。
そう、これが特典ムービーの明るい方の曲である。
別の曲だと思っていたが、ひとつの曲だったのだ。

そのトランペットのメロディ、
「ラbシドレドーーーラーシッラソーーファー
 ミファソラミーーードーレドラーーーー」
は最高だ。これこそトランペットのメロディだ。

そしてオケは静かに盛り上がる。
ティンパニーがかっこいい。
こういうティンパニーの使い方もありそうでなかった。
本当に、「広い世界」を想起させる曲だ。脱帽。

そしてその部分が終わると、
後半はマーチに変わった。
先程のトランペットのメロディをモチーフに、
軽快にテンポアップする。
まさかフィールド曲がこんな展開をするとは……
これはDQの曲全体の中でも相当異色である。
そして、とにかく良い!

最後はこりゃエンディング曲か?
と思えるほど盛り上がる。
いや、ほんとにこれエンディングでも何の文句もないです。
コンサートの最後をとるのにぴったり!

最後の音が鳴り終わり、
会場はこの日最大の拍手に包まれた。
そりゃ当然である。
最高の曲に最高の演奏だったと、
おそらく観客のほとんどは思っただろう。

ドラクエにまたひとつ名曲が誕生した……


拍手の中、すぎやま氏退場。
そしてオケも退場。
しかし拍手は鳴りやまず。
そしたら、またすぎやま氏出て来てガッツポーズ!(笑)
いかすじいさん(失礼)だ。
こんな74歳になりたい。
いやほんと、しゃべり方もめちゃくちゃ若いし。
すごい人ですよ、この人は。



帰り道、興奮さめやらぬ僕は
頭の中で「広い世界へ」を何度も反芻した。

が、覚えているのはもんやりとした「感じ」と、
特典ムービーについてきた部分くらいだった。
そのもどかしいこと。

はやくDQ8のオケCD発売してほしい、と思った。
いや、その前にゲーム自体の発売が先か(笑)。


とにもかくにも、
こうして初ドラクエコンサートは最高の想い出となったのである。

ドラクエの曲が好きだ、
という人は行くべきである。
ただ、最近は東京と名古屋でしかやらないのが難点だ。
行ける範囲に住んでいる幸運な人は足を運んでみて下さい。
きっと来年以降も開催されるでしょう。


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