ここでまたすぎやま氏の「おはなし」が始まる。 PS2でDQ5が出て、SFCの時同様やり込んだ。 SFCの時は娘・息子の名を付けた。 今回のPS2では孫の名を付けた。時の流れを感じる。 DQ5は三代にわたる家族愛の物語。 時間軸の上で今自分はここにいるんだと自覚し、 社会を良くしていこうぜ!! ……みたいな感じの話があった(こんな口調ではない)。 【愛の旋律】 結婚前夜に流れる曲である。 ゆったりとしたテンポの4/4拍子に、三連符主体のメロディー。 そして、メジャーセブンスのコードがこの曲の肝である。 メジャーセブンスはときに甘く、ときに切なく、ときにやるせない、 そんな魅力的なコードだ。 そしてこの曲のメジャーセブンスの使い方はとても変わっている。 前半のコード進行はこの通り。 |GM7|CM7|BM7|EM7|BbM7|EbM7|Cm7 Am7-5|Dsus4 D| (SFC音源版はFM7から始まる) GM7→CM7は普通のI→IVの進行だが、 その次に短二度下がってBM7へ。 ここでものすごくねじれた感じになる。 そして、このBM7をI度として、IV度のEM7へ。 メロディも、GM7→CM7の部分のメロディを長三度上げたものとなっている。 さらに、EM7からBbM7と、増四度の跳躍。Bbへ転調する。 その後またBbM7→EbM7。つまりI→IV。 続いてCm7→Am7-5→Dと来る。すなわちIIm7→VIIm7-5→III。 ここから通常、D→Gmと来てGm(Bbの平行調)へ転調するかということろだが、 D→GM7と来て冒頭に戻る。Gmではなく、Gに転調するのだ。 この数小節でのめまぐるしい転調、 そしてほとんどがメジャーセブンスで構成されているそのコード感が、 最高にやり場のない感じにさせてくれる。 この部分が2回繰り返されると後半部へ。 後半はBb調のまま、メロディーも伴奏もほぼ三連になり、 ほとんど12/8拍子のようになる。 1ループ目はフルートのソロ、2ループ目はバイオリンのソロが メロディを叙情的に奏でる。 そしてストリングスのピチカートやトレモロがバックで曲を引き立てる。 ラストはCM9(#11,13)というさらにやりきれないコードで終わり。 すごく淡く、やるせなく、ドラクエの曲の中でもある種異端で、 印象的な曲である。 そしてコンサートでも、これまた感動的な演奏だった…… フルートのソロ、バイオリンのソロも良かった。 ちなみにバイオリンソロはコンサートマスターの深山氏である。 |