1.うるさい。わずらわしい。しつこい。 2.ことごとしい。仰山である。 3.度を越して多い。おびただしい。 たぶん、たいていは1の意味。 ようするに、うっとおしい、ぐらいの意である。 これも意味と語感がマッチしていますな。 しかし、この語を取り上げたのにはわけがある。 それは高校の教科書にて。 あいにく何の文章か忘れてしまったのだが、 そこには次の語が出てきたのだ。 「うたてこちたし」 これにはしびれた。 「うたて」は程度が甚だしいことを表わしているので、 「ああ、鬱陶しい!!」みたいなとこだろう。 しかし、舌を噛みそうな語だな。 うたてこちたしうたてこちたしうたてこちたし、 と言っていると笑えてきます。 友達にこの語を教えてもらったときは二人で爆笑したもんだが、 はたから見ればなんのこっちゃわからんな。 ちなみに「こちたし」は、漢字のとおり、 「こといたし」が縮まったものです。 【例文】 「年の瀬に雑務を任され、こちたくてたまらない。」 「キャンプに来たはいいが、蚊や虫が多く、うたてこちたい。」 追記 「うたてこちたし」は、 枕草子の「木の花は」に出てきたのでした。 桐の木の葉っぱが、うたてこちたいらしい。 ……どの意味だったろうか。 2か3かもしれない。 「たいていは1の意味」でもないかもしれないなあ。 |