早くも「好きな古語」なんていうネタが尽きたので(おいおい)、 実家から持ってきた高校のときの教科書などを読み返してみた。 これが、かなりおもしろい。 言葉のリズムや語感のおもしろさも相変わらずだが、 話の内容も非常に興味深かった。 「紫式部日記」という紫式部の日記(そのまんまだな)がある。 これは毒舌な日記だ。 清少納言をけちょんけちょんにけなしているのだ。 いきなり、 「清少納言こそ、したり顔にいみじう侍りける人。」 などと言う。 枕草子第二十三段「すさまじきもの」に、 「いみじうしたり顔に……」 という一節があるので、これを利用しているのだろうか。 関係ないか。 ともかく、清少納言を「したり顔(得意顔)」とばっさり。 続いて、 「さばかりさかしだち真字書きちらして侍る程も、 よく見れば、まだいとたへぬこと多かり。」 とある。 「あんなに賢いふりして漢字を書きちらしておりますがね、 よく見たら、そんなに十分じゃないこと多いんですよ。」 みたいな感じかね。 (「さかし」は「賢い」の意。「こざかしい(小賢しい)」のあれですね。) 他にも、 「人に異ならむと思ひこのめる人(=自分は特別な人だと好んで思う人)」 と言われたり、 「艶になりぬる人(=風流ぶるくせのついた人)」 などとも言われている。 嫌いだったんだなあ。 日記って感じだ。 ていうか、ただの悪口のような。 教科書には「日記文学」と書いてあるが、文学なのか? 「人物論」ともあるが、「論」なのか? ま、なんにせよ、今も昔もひとの日記はおもしろい。 なんてオチだ…… |