今回はボスのネーミングについて書こうと思っていたが、 重要なことを前回忘れていたので、それについて書くことにする。 というのも、友人に重要な指摘をいただいたからだ。 それは、「20文字のカタカナ」。 ファミコンのDQ1における有名な話である。 ファミコンの頃は、今からは考えられないほどデータの容量は少なかった。 (実に、512KBという少なさである。) そのため容量の節約のためにいろいろな工夫がなされていたのだが、 その工夫のひとつが「フォントの数を減らす」であった。 ひらがなは復活の呪文(パスワード)に使うこともあり(?)、 すべてのフォントが登録されている。 が、カタカナは20文字しか登録されていないのだ。 その20文字とは、 「イ、カ、キ、コ、シ、ス、タ、ト、へ、ホ、 マ、ミ、ム、メ、ラ、リ、ル、レ、ロ、ン」 である(「ー」「゛」「゜」はひらがなと共通)。 例外的に「ド」も1文字として登録されている。 この20文字のカタカナは、 DQ1の前に出た 「ポートピア連続殺人事件」 というアドベンチャーゲームをパソコンからファミコンに移植する際、 容量節約のため堀井氏が考案したものとか。 それをDQ1にも採用したのである。 であるから、DQ1に出てくる呪文や街・人・敵・アイテムの名前や 台詞に使われるカタカナはこの20文字の制約があったのである。 「ヘ」はひらがなと共通なので、 実質的には濁音・半濁音を入れて31文字である。 この制約が、逆にナイスなネーミングを生み出したのやもしれない。 独特の語感の理由のひとつと言えよう。 ちなみに、1〜3に共通の世界は「アレフガルド」であるが、 1の時点では(ゲーム中では)その名前は出てきていないことになる。 アとフが使えないからだ。 以外と盲点な事実である。 |