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国鉄があった時代
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国立国会図書館から引用

生護謨ノ輸入確保方策ニ関スル件

昭和16年5月30日 閣議決定

時局下ニ於ケル護謨ノ重要性及取得ノ現状並ニ十六年度需要見込ニ鑑ミ日満北支ニ於ケル護謨ノ確保及独逸向通過護謨ニ対スル協力ニ関シ左記方策ヲ確立シ之ニ基キ速ニ我方ニ有利ナル解決ヲ期スルモノトス
     記
一、根本方策
 (一) 日満北支ニ於ケル護謨ノ月平均需要量ヲ最低四、六〇〇瓲ト予定シ之ガ確保ヲ期スルト共ニ更ニ之ガ増加取得ニ努ムルモノトス
    右最低量ノ取得状況ト睨ミ合セ独逸向通過護謨ノ輸送協力ヲ行フモノトス
 (二) 日満北支ノ護謨買付ハ日本主務官庁ニ於テ之ヲ統制スルモノトシ数量ノ割当ハ関係官庁協議ノ上企画院ニ於テ之ヲ行ヒ資金及支払ニ関シテハ企画院、大蔵省、商工省、拓務省、対満事務局、興亜院間ニ於テ協議ノ上決定スルモノトス
 (三) 護謨生産地ニ於ケル法人又ハ法人商社ハ在外公館又ハ中央主務官庁ノ指示及了解ヲ得ズシテ護謨ノ買付流出ヲ為シ得ザルコトトシ右ニ違反シタル行為アル場合ハ政府ハ直ニ之ガ召還、営業停止等ノ措置ヲ講ズルモノトス
 (四) 邦船ノ使用ハ在外公館又ハ中央主務官庁ノ証明アル護謨ニ限ルモノトス
 (五) 華僑及第三国人ノ利用ニ関シテハ機構、為替許可、通信連絡等ニ特別ノ考慮、支援ヲ為シ且之ガ運用ハ特ニ関係大ナル官庁ノミニ限定シ秘密扱トスルモノトス
 (六) 蘭印護謨ニ対シテハ
  (イ) 対日現在指定量月一、六五〇瓲ノ発注ヲ継続シ之ガ輸出許可ノ取得ニ努ムルモノトス
  (ロ) 交渉中ノ年間要求量三〇、〇〇〇瓲ノ目的達成ニ格段ノ努力ヲナスト共ニ交渉上必要ト認ムル場合ハ枢軸向ケニアラザル旨ヲ政府トシテ保証スルノ手段ヲ講ジ之ヲ輸出許可取扱上ニ利用スルモノトス
 (七) 馬来護謨ニ対シテハ
   従来通ノ発注ヲ継続シ外交措置ニ依リ輸出許可ノ取得ニ努ムルモノトス
 (八) 仏印護謨ニ対シテハ
  (イ) ヴィシー政府ニ対シ今次協定一五、〇〇〇瓲ノ早急ナル履行ヲ強要スルト共ニ之ガ増量交渉ヲ執拗ニ継続シ二五、〇〇〇瓲ノ目的達成ニ努ムルモノトス
  (ロ) 独政府ニ対シヴィシー政府ニ与ヘタル米国向ケ一〇、〇〇〇瓲ノ了解ヲ取消サシメ対日向ケトナサシムルモノトス
  (ハ) 日独仏三国間ニ月別割当量ヲ協定スルモノトス
 (九) 泰護謨ニ対シテハ
  泰ニ対シ生産増加ヲ為サシムルト共ニ輸出許可制ヲ実施セシメ生産量ノ八〇%以上以上ヲ対日供給ニ確約セシムルモノトス
  右交渉上必要トスル場合ハ対泰石油、鋼材、機器等泰ニ於テ当面緊要トスル物資ノ供給確約ニ付特別ノ考慮ヲ払フモノトス
 (十) 其ノ他諸国ノ求償護謨ニ対シテハ
  求償金額ノ取得ハ勿論更ニ之ガ増量ニ努ムルモノトス
二、応急方策
 (一) 独逸向通過護謨ノ一時借用ノ措置ヲ講ズルモノトス
 (二) 用途別検討ヲ加ヘ消費規正ヲ行フト共ニ必需物資ノ代替生産計画ヲ樹立実施スルモノトス
 (三) 中小ゴム工場ノ整理統合ヲ行フモノトス
 (四) 屑及故製品ノ特別回収利用方策ヲ樹立スルモノトス

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