remove
powerd by nog twitter
国鉄があった時代
日本国有鉄道のあった昭和時代を検証するサイトです。日本国有鉄道のあった昭和時代を検証するサイトです。
国立国会図書館から引用

昭和16年度鉄鋼生産ニ関スル件

    昭和16年5月9日 閣議決定

鉄鋼生産力拡充計画ニ就テハ客年十二月二十七日ノ閣議決定ニ基キ鋭意之ガ計画実現ニ邁進中ナル処高度国防国家建設ノ重要基礎タル鉄鋼ニ関シ昭和十六年度ニ於ケル普通鋼々材ノ生産ハ目標ヲ四七六万瓲トシ関係各官庁ハ協力一致常時緊密ナル連絡ノ下ニ左記諸般ノ対策ヲ迅速確実ニ強行シ以テ本目標ノ達成ヲ期スルト共ニ更ニ之ガ目標突破ニ対シ格段ノ努力ヲ傾注スルモノトス
之ガ為鉄鋼統制会ノ運用ニ関シテハ特別ノ考慮ヲ払ヒ之ガ活用ニ努ムルモノトス
一、生産
 (一) 目標ヲ左ノ通予定シ本目標ヲ物資動員計画ノ供給力数量トスルモノトス
   (表省略)
 (二) 準備対策
  (イ) 鉄鋼石
   (1) 第三国鉱石ヘノ配船ヲ検討シ其ノ一部ヲ移入及円ブロツクヘ転換シ鉄鋼石ノ増送ヲ行フモノトス
   (2) 各地鉱石ノ海上輸送不可抗力減ニ依リ必要ト認ムル場合ハ義務貯鉱ノ一時的融通ヲ為シ得ルモノトス
  (ロ) 普通銑
   (1) 満洲銑五〇万瓲ノ対日供給ニ対シテハ日満支一体トナリ之ガ実施ノ確実化ヲ期スルモノトス
   (2) 満洲銑、支那銑ニ減送ヲ来シタル場合ハ在庫及輸入ノモノニ依リ之ガ補填ヲ行フモノトス
  (ハ) 屑鉄
   (1) 特別回収二五万瓲ニ対シテハ日満支一体トナリ之ガ実施ノ確実ヲ期スルモノトシ十七年度鉄鋼生産事情ヲ考慮シ本年度回収目標(六〇〇千瓲)ノ実現ヲ企図スルモノトス
之ガ為各官庁ハ責任アル努力並絶大ナル協力ヲ払フモノトス
   (2) 特別回収ニ減量ヲ来シタル場合ハ支那屑及及輸入ノモノニ依リ之ガ補填ヲ行フモノトス
  (ニ) 石炭
   (1) 製鉄用炭ハ各需要部門ニ優先シ之ヲ確保スルモノトス
   (2) 瓦斯コークス用内地炭ノ生産現状ニ鑑ミ之ガ増産ニ努ムルモノトス
二、配当
 (一) 物資動員計画ノ配当額ハ生産目標(供給力)数量ト同量トスルモノトス
 (二) 各四半期実施計画ノ設定ニ当リテハ四半期生産目標ト計画数量トニ増減アル場合ハ物資動員計画各需要部門配当額ニ依リ之ヲ一率ニ比例配分スルヲ原則トス
 (三) 前項計画数量ト実績トニ増減アル場合ハ翌期ニ於ケル計画数量ノ決定ニ当リ之ヲ調整スルモノトス
三、輸送
 (一) 月平均汽船積海上輸送量ハ石炭二、七六一千噸、鉄鉱石六〇〇千噸、銑鋼二九四千噸計三、六五五千噸ヲ確保スルヲ原則トスルモノトス
但シ原料銑鋼、鉄鉱石、原料炭ノ順ニ依リ機帆船ヲ含ミ極力船腹量ノ増加ニ努ムルモノトス
 (二) 最少船腹ヲ以テ最大輸送量ヲ為シ得ル如ク前項船腹量ヲ活用スルモノトシ下半期用ニ対スル上半期調整増送ノ製鉄用炭、鉄鉱石等ニ対シテハ計画上特別ノ考慮ヲ払フモノトス
   之ガ為陸軍供出特別船ノ使用ニ当リテハ特ニ此ノ点ニ留意スルモノトス
 (三) 前二項ニ基キ商工省ハ速ニ計画ヲ定メ之ヲ逓信省ニ通知スルモノトス
   逓信省ハ右計画ニ基キ四半期又ハ年間ノ配船計画ヲ定メ所要ノ指令ヲ為スモノトス
   右措置ハ概ネ六月上旬迄ニ之ヲ完了スルモノトス
四、電力
 (一) 製鉄用電力ハ各需要部門ニ優先シ之ヲ確保スルモノトス
 (二) 左記ニ付テハ特ニ考慮スルモノトス
  (イ) 電力調整ヲ必要トスルニ至リタル場合ハ逓信省ハ陸、海、商及企画院ト事前ニ協議スルコト
  (ロ) 防空訓練ニ当リテハ努メテ工場作業能率ヲ低下セシメザル如ク措置スルコト
五、労務
 商工省ハ速ニ労務ニ関□要求計画ヲ樹立シ又関係官庁特ニ厚生省ハ之ガ実施ヲ容易ナラシムル如ク措置スルモノトス
六、技術
 商工省ハ鉄鋼技術者ノ調査ヲ行ヒ工場能率ヲ勘案シ適材適所主義ニ依ル配員ヲ実施スルモノトシ要スル場合陸海軍ニ協議スルモノトス
七、価格及資金
 昭和十五年十二月二十七日閣議決定ニ基キ速ニ所要ノ措置ヲ講ズルモノトス
八、其ノ他
 (一) 加工業者所有ニ属スル現有不急鋼材ニ対シ交換又ハ買上ゲ等ノ措置ヲ講ズルト共ニ之ヲ急需部門ニ融通配置スル如ク処置スルモノトス
 (二) 商工省ハ関係官庁特ニ陸海軍ト協議シ生産、配給及販売業務ノ事務処理ヲ容易ナラシムル措置ヲ講ズルモノトス

昭和16年前半

昭和16年前半のページに戻ります

blackcat写真館もご覧ください