日本鉄道建設公団法
衆議院HPより引用
-
◎日本鉄道建設公団法
改正 法律第百五十三号(昭三九・七・六)
改正 法律第三十八号(昭四二・六・一九)
改正 法律第七十一号(昭四五・五・一八)
改正 法律第五十九号(昭四七・六・九)
改正 法律第六十三号(昭四八・七・二四)
改正 法律第九十三号(昭六一・一二・四)
改正 法律第五十四号(平元・六・二八)
改正 法律第四十五号(平三・四・二六)
◎日本鉄道建設公団法
目次
第一章 総則(第一条―第七条)
第二章 役員及び職員(第八条―第十八条)
第三章 業務(第十九条―第二十四条)
第四章 財務及び会計(第二十五条―第三十四条)
第五章 監督(第三十五条・第三十六条)
第六章 雑則(第三十七条―第四十条)
第七章 罰則(第四十一条―第四十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 日本鉄道建設公団は、鉄道の建設等を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もつて経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与するとともに、大都市の機能の維持及び増進に資することを目的とする。
(法人格)
第二条 日本鉄道建設公団(以下「公団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 公団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 公団は、運輸大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 公団の資本金は、五億円とする。
2 政府は、公団の設立に際し、前項の五億円を出資するものとする。
3 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公団に追加して出資することができる。
4 公団は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増額するものとする。
(登記)
第五条 公団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第六条 公団でない者は、日本鉄道建設公団という名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、公団について準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第八条 公団に、役員として、総裁一人、副総裁一人、理事七人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第九条 総裁は、公団を代表し、その業務を総理する。
2 副総裁は、公団を代表し、総裁の定めるところにより、総裁を補佐して公団の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行なう。
3 理事は、総裁の定めるところにより、総裁及び副総裁を補佐して公団の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときはその職務を行なう。
4 監事は、公団の業務を監査する。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、総裁又は総裁を通じて【削除】運輸大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十条 総裁及び監事は、運輸大臣が任命する。
2 副総裁及び理事は、運輸大臣の認可を受けて、総裁が任命する。
(役員の任期)
第十一条 役員の任期は、三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十二条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
二 日本国有鉄道清算事業団又は鉄道整備基金の役員又は職員(非常勤の者を除く。)
三 第十九条第一項第一号若しくは第四号に定める鉄道施設若しくは軌道施設に係る鉄道事業者若しくは軌道経営者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて公団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
五 運輸事業を営む者であつて第十九条第一項第一号若しくは第四号に定める鉄道施設若しくは軌道施設に係る鉄道若しくは軌道と競争関係にあるもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
六 前三号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十三条 運輸大臣又は総裁は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。2 運輸大臣又は総裁は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 総裁は、前項の規定によりその任命に係る役員を解任しようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十四条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(代表権の制限)
第十五条 公団と総裁又は副総裁との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が公団を代表する。
(代理人の選任)
第十六条 総裁及び副総裁は、公団の理事及び職員のうちから、公団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十七条 公団の職員は、総裁が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十八条 公団の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲)
第十九条 公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)による新幹線鉄道に係る鉄道施設の建設を行うこと。
一の二 全国新幹線鉄道整備法の規定により新幹線鉄道の建設に関する調査を行うこと。
二 第一号の規定により建設した鉄道施設を当該新幹線鉄道の営業を行う者に貸し付け、又は譲渡すること。
三 前号又は第五号の規定により貸し付けた鉄道施設に係る災害復旧工事を行うこと。
四 運輸省令で定める規格を有する鉄道(新幹線鉄道を除く。)又は軌道に係る鉄道施設又は軌道施設内に存するものの建設及び政令で定める大規模な改良(以下「大改良」という。)を行うこと。
五 前号の規定により建設又は大改良をした鉄道施設又は軌道施設を当該鉄道又は軌道に係る地方鉄道業者又は軌道経営者に貸し付け、又は譲渡すること。
六 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 公団は、前項の業務の遂行に支障のない範囲内において、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けて、次の業務を行うことができる。
一 前項第一号又は第四号の鉄道施設で高架のものの建設と一体として建設することが適当であると認められる事務所、倉庫、店舗その他政令で定める施設を、当該鉄道施設の建設に伴つて公団が取得した土地に建設し、及び管理すること。
二 委託に基づき、鉄道に関する工事並びにこれに関する調査、測量、設計、試験及び研究を行うこと。
3 公団は、前項第一号の業務を行う場合においては、政令で定める基準に従つてしなければならない。
(鉄道敷設法の特例)
(鉄道施設の建設等の指示)
第二十二条 第十九条第一項第四号に定める鉄道施設又は軌道施設の建設又は大改良に係る鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第八条第一項、第九条第一項若しくは第十二条第一項の規定による認可又は軌道法(大正十年法律第七十六号)第五条第一項の規定による認可(第三項において「工事に関する認可」という。)を受けた鉄道事業者又は軌道経営者は、運輸省令で定めるところにより、運輸大臣に対し、公団が当該鉄道施設又は軌道施設の建設又は大改良を行うよう申し出ることができる。
2 運輸大臣は、前項の規定による申出があつた場合において、当該建設又は大改良が大都市圏(政令で定める大都市及びその周辺の地域をいう。)における輸送力の増強のため緊急に必要であり、又は政令で定める建設若しくは大改良に該当するものとして特に必要であり、かつ、公団が行うことが適当であると認めるときは、工事実施計画を定め、これを公団に指示するものとする。これを変更するときも、同様とする。
3 前項の工事実施計画は、当該建設又は大改良に係る工事に関する認可に適合するものでなければならない。
4 運輸大臣は、新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)による新住宅市街地開発事業の事業地内又は土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業の施行地区内に存する鉄道施設又は軌道施設の建設又は大改良について第二項の工事実施計画を定め、又は変更しようとする場合において、これらの事業により開発され、又は造成される市街地の居住者のための輸送力を当該建設又は大改良により確保するため当該鉄道施設又は軌道施設に係る工事の施行とこれらの事業の施行とを調整する必要があるときは、建設大臣の意見をきかなければならない。
5 第二項の規定による指示があつたときは、公団が当該建設又は大改良を行うものとし、かつ、公団及び当該鉄道事業者又は軌道経営者は、当該建設又は大改良の実施の方法及び鉄道施設又は軌道施設の貸付け、譲渡又は引渡しについて協議しなければならない。
(鉄道施設の貸付け等)
第二十三条 公団は、政令で定めるところにより、鉄道事業者又は軌道経営者に対し、有償で、第十九条第一項第一号若しくは第四号の規定により建設した鉄道施設若しくは軌道施設を貸し付け、若しくは譲渡し、又は同号の規定により大改良をした鉄道施設若しくは軌道施設を譲渡し、若しくは引き渡すものとする。
2 公団は、前項の規定により鉄道施設又は軌道施設を貸し付け、譲渡し、又は引き渡そうとするときは、貸付料、譲渡価額又は引渡価額について、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けなければならない。貸付料を変更しようとするときも、同様とする。
(業務方法書)
第二十四条 公団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十五条 公団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画等の認可)
第二十六条 公団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表)
第二十七条 公団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に運輸大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 公団は、前項の規定により財務諸表を運輸大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
3 公団は、第一項の規定による運輸大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、各事務所に備えて置かなければならない。
(利益及び損失の処理並びに納付金)
第二十八条 公団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額のうち、政令で定める基準により計算した額を積立金として積み立てなければならない。
2 公団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 公団は、第一項の規定による残余の額から同項の規定により積立金として積み立てた額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(借入金及び鉄道建設債券)
第二十九条 公団は、運輸大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は鉄道建設債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、運輸大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
4 第一項の規定による債券の債権者は、公団の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 公団は、運輸大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条まで(受託会社の権限及び義務)の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第一項及び第四項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(債務保証)
第二十九条の二 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第二項又は第三項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(償還計画)
第三十条 公団は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画をたてて、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第三十一条 公団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他運輸大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行への預金又は郵便貯金
(財産の処分等の制限)
第三十二条 公団は、第二十三条に規定する場合を除くほか、運輸省令で定める重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十三条 公団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、運輸大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(運輸省令への委任)
第三十四条 この法律に規定するもののほか、公団の財務及び会計に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十五条 公団は、運輸大臣が監督する。
2 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公団に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十六条 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公団に対してその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に公団の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六章 雑則
(建物等の無償貸付け)
(解散)
第三十八条 公団の解散については、別に法律で定める。
(大蔵大臣との協議)
第三十九条 運輸大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第十九条第二項、第二十三条第二項、第二十四条第一項、第二十六条、第二十九条第一項、第二項ただし書若しくは第六項、第三十条又は第三十二条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十二条第二項の工事実施計画を定め、又は変更しようとするとき。
三 第三十一条第一号の規定による指定をしようとするとき。
四 第二十四条第二項又は第三十四条の規定により運輸省令を定めようとするとき。
五 第二十七条第一項又は第三十三条の規定による承認をしようとするとき。
(他の法令の準用)
第四十条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、公団を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第七章 罰則
(罰則)
第四十一条 第三十六条第一項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした公団の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
第四十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした公団の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により運輸大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第十九条第一項及び第二項に規定する業務以外の業務を行なつたとき。
四 第三十一条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十五条第二項の規定による運輸大臣の命令に違反したとき。
第四十三条 第六条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(公団の設立)
第二条 運輸大臣は、公団の総裁又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された総裁又は監事となるべき者は、公団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ総裁又は監事に任命されたものとする。
第三条 運輸大臣は、設立委員を命じて、公団の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、公団の設立の準備を完了したときは、その事務を前条第一項の規定により指名された総裁となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された総裁となるべき者は、前条第二項の事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第五条 公団は、設立の登記をすることによつて成立する。
(事業の承継等)
第六条 日本国有鉄道が日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第五十三条第一号の規定により運輸大臣の許可を受けて行なつている鉄道新線の建設に関する事業は、公団の成立の日から、公団が第十九条第一項第一号の業務として行なうものとする。この場合においては、日本国有鉄道は、遅滞なく、当該事業に関する事務を公団に引き継ぐものとする。
2 運輸大臣は、前項の規定により公団が行なうこととなつた業務について、公団の成立の日から起算して一月以内に第二十条第一項の基本計画を定め、これを公団に指示するものとし、公団は、その指示があつた日から起算して二月以内に第二十一条第一項の工事実施計画を作成して運輸大臣に提出しなければならない。
3 前項の工事実施計画に対する運輸大臣の認可があるまでの間は、第一項の規定により公団が行なうこととなつた業務は、運輸大臣の指示に従つて行なうものとする。
(権利及び義務の承継等)
第七条 前条第一項の規定により日本国有鉄道が許可を受けて行なつている鉄道新線の建設に関する事業を公団が第十九条第一項第一号の業務として行なうこととなつた時において当該鉄道新線の建設に関する事業に関し日本国有鉄道が有する権利及び義務(政令で定める権利又は義務を除く。)は、その時において、公団が承継する。
2 前項の規定により公団が日本国有鉄道の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際その承継される資産の価額(日本国有鉄道の会計における当該資産の帳簿価額をいう。)から負債の金額を差し引いた額は、日本国有鉄道から公団に対し出資されたものとする。
(経過規定)
第九条 この法律の施行の際現に日本鉄道建設公団という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第十条 公団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十九年三月三十一日に終わるものとする。
第十一条 公団の最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十六条第一項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「公団の成立後遅滞なく」とする。
(本州と北海道を連絡する鉄道施設の貸付けに関する特別措置)
第十二条 日本国有鉄道清算事業団法(昭和六十一年法律第九十号)附則第九条第二項第一号に規定する鉄道施設については、公団は、第二十三条第一項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、これを無償で貸し付け、又はその貸付料を減額することができる。
(国の無利子貸付け等)
第十三条 国は、第十九条第一項第一号に規定する新幹線鉄道に係る鉄道施設の建設に関する事業の円滑な実施に資するため、当分の間、公団に対し、当該事業で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号)第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。
2 前項の国の貸付金の償還期間は、二十年(五年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。
3 前項に定めるもののほか、第一項の規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
4 国は、第一項の規定により公団に対し貸付けを行つた場合には、当該貸付けの対象である事業について当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。
5 公団が、第一項の規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、第二項及び第三項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行つた場合(政令で定める場合を除く。)における前項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。
6 国は、鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)の定めるところにより、第一項の規定による貸付金の貸付け及び第四項の規定による当該貸付金に相当する金額の補助金の交付を鉄道整備基金を通じて行うことができる。
(内閣総理・法務・大蔵・運輸・建設・自治大臣署名)