高速道路で晩餐を
2002年11月25日
本来なら・・・
久しぶりの双眼鏡ネタを書いているはずだったのですが、ナゼか もう一度自動車ネタになってしまいました。
そのわけは・・・
それは 雨の降りしきる高速道路でのことです。
夜も7時を回り
通勤のピークを過ぎた常磐道は、車も疎らになっておりました。
筆者はワイパーを目一杯に使いながら
水を溜めた轍と戦っていた時のことです。
オービスの横を過ぎ アクセルをゆっくりと踏み込んだ瞬間
ブッツーン
電球が切れたような音がして
タコメーターがアクセルに反応しなくなりました。
「えっ」と思った瞬間にエンジン停止!!
運良く
エンジンの力が抜けた瞬間にギアをニュートラルに入れられたので「スピン→中央分離帯」は避けられましたが、場所は追越し車線のド真ん中。
エンジンの息絶えた車体はトロッコと何のかわりもありません。
後続はこちらに気づいてくれたようですが、車体は水溜りを越える度
みるみる速度を失っていきます。
緩やかに路肩によったときには失速寸前。
緊急電話を見つける前に
数秒前まで風を切っていた車体が
全ての運動エネルギーを失ってしまったのです。
止まってみても メーター内で
エンジン警告灯と油圧警告灯が点いているだけ。
水温は正常。ボンネットからは煙はおろか
異臭すら流れてきません。
再度 セルを回すも クランク音のみ。
エンジンの爆発音は聞こえてきません。
アクセルを煽っても駄目、何をやっても機関に火が入らないのです。
ここで考えられる原因は
ECUから先の電装品かエンジン本体か。
インジェクター、点火系、そして
最もトラブルの多いバルブ駆動系。
常識的に考えれば タイミングベルトのトラブルでしょう。
確かに その車はベルト駆動のエンジンですが・・・
買って2年ちょっとの新車ですよ。
走行だって ちょうど30000Km。
マトモなベルトがチギれる時期じゃぁないでしょう。
最後の希望を託して
雨に濡れ濡れボンネットを開けますが
ヒューズはどれも生きています。
ここまで来たら 応急処置で立ち直れる可能性は ゼロ。
そう、豪雨の高速道路で 思いもかけぬ立ち往生です。
はあ
免許を取って1?年。
車絡みは悪行の限りを尽くしてきましたから、そりゃあ
事故は場数を踏んでますよ。
サーキット絡みも
ネタになるような体験は一杯あります。
アッパーパイプが飛んだり オイルが沸騰したり・・・
普通の方の一生分以上
車トラブルを付き合っているんですが
ココまでテンパった事態は初めてです。
大粒の雨が叩きつける中、手持のPHSはアンテナを拾うことが出来ません。
おまけに非常電話は遥かに先。
トラックがカーテンのようにしぶき跳ね上げる中
300m路肩を歩くなんて 誰がやりたいことでしょう。
任意保険にレッカーサービスがついていたって、電話がなければ誰も助けに来てはくれんのです。
緊急電話から道路パトロールが来るのに15分。
道路パトロールに電話を借りて
レッカー手配に約10分。
そして、レッカー車の到着予定は 一時間後!
確かに 任意保険会社の対応は親切でしたよ。
一番早く来れるレッカーを探してくれましたよ。
コレだけの雨ですからね、業者だってあちらこちらで手一杯でしょう。
JAFを呼んだって
同じくらいは待たされるんでしょうからね。
助けが来てくれるだけ、こんな時は感謝しなけりゃいけないんでしょうね。
車の中に取り残されて
思い知らされるのですが、エンジンがなければ
どんなガラでも自動車なんて鉄の箱に過ぎません。
一ミリたりとも自分で動けず
エアコン吹き出し口からは刺すような風が吐き出されるばかり。
あっという間に 凍えが来ます。
雨露を凌げるだけで バイク時代を思えば天国ですが、濡れたズボンの重く冷たいこと。
ま、こんなことで滅入っているようでは車マニアの名が廃る。
思えば こんな所を走っていたのは
夜勤に向かうためですから、後ろの席には着替えはワンさか積んであります。
おまけにリュックの中には
晩飯予定の悪妻弁当が転がっているではありませんか。
惨めなときほど お腹にちょっとの炭水化物で
なんて楽になれるのでしょう。
付け合せのおかずが美味しいなんて
こんなことでもなければ・・・(以下略)
不恰好なおにぎり飯に力づけられるなんて
こんなことでもなければ・・・(以下略)
普段の晩飯も 雨の高速道路でなら
美味しく食べられるのかしら・・・(以下略)
一息ついている間に40分。
予定より早くセルフローダーの到着です。
ディズニーランドの行列と同じで、予告の時間より
早くなると本当に嬉しいものですね。
息絶えた我が家のボンクラ車は ウインチに引きずられ、車載の大荷物になったのでした。
あとは・・・
修理工場で 親不孝な愛車を置いて レンター屋に電話。
24時間営業のレンタカーが こんなに役に立つなんて。
タクシーの領収書・レンタカーの明細・レッカー伝票。
後でまとめて保険会社に送りつければ
財布の痛みは最小限。
ありがとう、ソ二―損保さん。
車も 新車保障が効くでしょう。
財布が傷まず 体が無事なら、車マニアとしては いい体験?
某クルマ雑誌風に言うと・・・
◎ | 24時間営業のレンタカー屋、任意保険のレッカー・帰宅支援サービス |
○ | マグライト、悪妻弁当、ゴアのコート |
X | 大雨、水溜り、PHS、ヘロヘロな安レンタカー、トラブルを楽しんでいる自分 |
本当の Xは一回目の車検も来ないのに
高速上でエンコする自動車自身なんですが・・・
工業製品に完璧を求めても仕方がないんですけど、タイミングベルトのトラブルなら
絶対に品質がおかしい。
3年30000Kmでタイミングベルトが切れるなんて、数世代前のイタ車じゃないんだから。
ディーラーへの引き上げさえも済んでいないので、原因が分かるのはしばらく先になりそうですが、いずれ続報?を。
タイミングベルトが切れていると
バルブ回りもお釈迦だろうなあ。
というわけで、次回は 今度こそ
というようなお話を。
自動車故障がその後どうなったかは
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