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単行本版12巻

「バラの葬列」
アフロことアフロディーテが登場したシーンからスタート。瞬は星矢を先に行かせるまえに
「ぼくはこういう言い方はすきではないけど・・・」
「男だったらとか、男のくせにとかいうそういう言い方はすきじゃないんだけど・・・」
「あの男を倒すのに誰かの力を借りたとしたら、ぼく自身男じゃなくなる気がするんだ・・・
ぼくは男だからね。恩を受けた人の仇はぼく自身の力でうちたいんだ・・・」

と男らしいセリフを言います。女の子みたいだけど、時折見せる男らしさはグッときます。
(8巻でも男らしさを見せていましたが。)
このシーン、頭の中ではイメージがレタッチされ、アニメ版の聖衣姿に見えてしまいます。原作版って極端すぎません?必要最低限のガードしかないんで。(=アニメ版がガード数の多いデザインだからなぁ・・・)

星矢は先に教皇の間に進もうとするが、教皇の間に続く階段は無数のバラに覆われていた。バラを掻き分け進もうとする星矢。しかし、途中で力尽きてしまった。

瞬の師匠は原作版ではダイダロスだが、アニメ版ではアルビオレとなっていた(ケフェウスの聖闘士という設定は共通していたんだっけ・・・。)。何で名前を変えたんだろう?(これを知ったのは数年前の地上波再放送。アルビオレの声は野田圭一氏。)
瞬が聖域に向かう前のシーンのあとアフロディーテが
「なるほど、美しい師弟愛というところか。
だが、そのジュネという娘のいうとおり日本でおとなしくしていたほうがよかったぞ・・・フッ」
「仇うちどころか犬死をするだけだ。」

と瞬の決意をバカにする。
瞬のネビュラ・チェーンがアフロディーテに炸裂!だが、ネビュラチェーンをはね返された上に、ロイヤル・デモンローズを受けてしまう。ロイヤル・デモンローズって、「リンかけ」のナポレオン・バロアのブロー、「ロイヤル・デモンシード」が元ネタ?
しかし、瞬は立ち上がってきました。
「ぼくは目をつぶって死ぬまでの陶酔にひたるような弱虫じゃない!」
「別れの間際にいさんにも約束したんだ・・・」
「最後まで男らしく戦うと!!」
「今こそ本当のぼくの力を見せてやるぞアフロディーテ!」

チェーンで防御体制をとり、デモンローズをはじき返した瞬、間髪いれず、もう一撃を加えようとするが、アフロディーテはバラを使って見を隠す。この人バラを使って見を隠すなんてこういったところにも美を追求しているのか?
サンダーウェーブでマスクをとばす瞬。このマンガってすぐマスクが外れるシーンがありますね・・・
「先生・・・ダイダロス先生の仇・・・この瞬が今こそ取ります・・・」
のセリフの後、修行時代のシーンへ。瞬って銀河戦争編でも言っていたけど、自身の身代わりになった兄さんのことを心配しつつ、兄さんに再び会いたい一心で修行に励んでいたのね。けなげ・・・・このけなげさが女性の星矢ファンに受けるんだろうか?

現実に戻り、再びサンダーウェーブを放つ瞬。ところが、角鎖が黒バラの前で止まってしまった。
黒バラの前に角鎖が破壊され、さらに円鎖、聖衣まで破壊されて倒れる瞬。しかし彼も聖闘士、まだ戦う気力が残っています。また回想シーンをはさみ戦闘へ。瞬の小宇宙に戦慄しているアフロディーテ、「く…来るな。生身の拳は使いたくない」と言いつつ立ち上がる瞬。このセリフ、愛蔵版と文庫版では「本当は生身の拳は使いたくない」となっていたそうです。
「今こそうけろアフロディーテ!」
「この瞬の真の力を!!」

と叫び生身の拳、ネビュラストリームを放つ瞬。瞬の真の力は空気と風を操る技だったみたい。
アフロディーテは受け身を取ろうとするが、上手くいかず頭から落ちてます。頭から落ちるというシーンも多いよなぁ・・・この作品。しかも当たり所が悪かったら即死ものなダメージだし…
気流にとらわれ、思うように動けないアフロディーテ。瞬は
「だ・・・だけど、アフロディーテ・・・」
「も・・・もしあなたがダイダロス先生をあやめたことを後悔しているのなら・・・」
「ひと言ダイダロス先生の霊にわびて下さい・・・そうすればぼくはもうこれ以上・・・」

とアフロディーテを説得しようとする。瞬って、10巻で紫龍に言われたけど、聖闘士としては優しすぎる性格・・・
切り札と思われるバラを取り出すアフロディーテ。この人のバラを使った技って自分の小宇宙で具現化しているのか、それとも自家栽培で作ったバラを使っているのか?
瞬はアフロディーテに改心をせまるが、アフロディーテは
「あ・・甘いといったはずだぞアンドロメダ。」
「わたしはダイダロスを倒したことを後悔していない。わびるつもりもない。」
「なぜならダイダロスは教皇に服従しなかった!いわばきみたちとおなじ反逆者だからだ!

それに天誅をくわえてなにが悪い!!」

と言い、さらに
「他の黄金聖闘士はいざ知らず、少なくとも巨蟹座のデスマスク、山羊座のシュラ・・・そしてこの魚座のアフロディーテの三人はな・・・」
「過去の教皇の行いを知ったうえであえて教皇に忠誠を誓っているのだ。」

と語る。瞬は
「バ・・バカな正義を守るべきはずの聖闘士が・・・しかもその最高位に位置する黄金聖闘士が・・・」
「あえて邪悪に加担しているのか・・・」

と反論。さらに、
「最後だから教えてやる。いいか力こそ正義なのだ!」
「教皇こそ、その偉大な力を持ったお方だからこの聖域を手中に収めるのにふさわしいのだ!」

のセリフに対し今度は
「そ・・・そんなバカな。力が正義だって、な・・・ならば弱い人間はどうなる。
力をもたない子供や老人は常に力のある者の意に従えと言うのか・・・・」
「力のあるものは常に何をしても正当化できるというのか?」

「フッ、その通りだ。幼い赤子などになにができた?」
「教皇がいたからこそ、大地の平和が今まで守られてきたのだ」

と激論。正論の嵐です。
アフロディーテはストリームをやぶってブラッディーローズを放つ。瞬も最後の一撃「ネビュラストーム」を放ちアフロディーテを倒すことに成功。しかし、「BAKoooooooN」のSEはないでしょう…
「み・・・見事だ。アンドロメダ。だ・・・だが君も滅びる。」
「所詮教皇を倒すことなど不可能な・・・」
のセリフでアフロディーテは息絶える。
最後のセリフは明らかに途切れてるんだけど、おそらく「所詮教皇を倒すことなど不可能なのだ・・・」と
言いたかったのだろう。
で、力尽きたアフロディーテはバラに囲まれて死ぬが、何で何もないところからバラが湧いて来るんだ!?(アニメでもこんなんだったし・・・)
バラに血を吸われながら立ち尽くす瞬。地球の写真を見ている子供の頃にシーンが移る。
「なのに、なんでいつもどこかで戦争や争いが絶えないんだろう?」
「ねぇにいさん、戦争をするとたくさんの人たちが死んでたくさんの子供たちが親を失うって神父さんが言っていたよ。」
「何でみんなもっと仲良くしないんだろう。国や人間を分けるラインなんか地球にはどこにも見えないのに・・・」
「そうしたら、ぼくたちと同じように両親の顔も知らないでこんな孤児院に入れられる子が
たくさん増えるのかなぁ・・・かわいそうだな・・・」
「できることなら、いつかぼくは平和を守るために力をつくしたいな。」
「ぼくたちみたいな子供がひとりでも減るように。」

と、ガキなのになぜか小難しい会話を交わしていますが、瞬の優しさがにじみ出ている名シーンだと思います。ちび瞬もかわいいし。

「教皇の間の死闘!」
バラに血を吸われながらいまだに立ち尽くす瞬。
「にいさん。ぼく、最後まで男らしく戦ったよ・・・」
「ダイダロス先生の仇もとった・・・これで少しでも平和に近づいたかな・・・・」

のモノローグで力尽きる瞬。これは宝瓶宮戦同様、事実上の相打ちです。
教皇の間近くの階段で倒れたまんまの星矢。ずっと寝てたの?この人。魔鈴さんがここで登場。身を呈して星矢を教皇の間に連れて行こうとするが、怪我がたたったのか二人とも倒れてしまう。魔鈴さんは星矢に先に行けと言うが、
「くう・・・お・・・女の魔鈴さんを踏み台にしてオレだけ生きのびるなんてできっこないじゃないか。」
と、またフェミニストぶりをみせています。
流星拳で魔宮薔薇を吹き飛ばしたあと魔鈴さんの心配をする星矢。同時に仮面からわずかに素顔が見えている・・・姉である星華かどうか確かめようとするけど、そんなことをしている場合ではないでしょう・・・・(ちなみに星華という名はアニメ版でつけられた名で原作はこの設定を流用したようだ。)
星矢の前に現れたシャイナさん。彼女は
「星矢・・・」
「もうすぐこの戦いも終わる・・・そしてその時が来たら魔鈴も素顔を見せてくれるかもしれない・・・」
「だから・・・だから死ぬんじゃないよ・・・」

と言って星矢を送り出します。
教皇の間にたどり着いた星矢。流星拳で扉をこじ開け教皇と対面。教皇が始めて素顔を見せるが、けっこうな美男子じゃん・・・こういう殿方のお嫁になりた〜い!
教皇は
「星矢・・・本当によくここまで十二宮を突破してきた・・・」
「おまえたちこそ、まさしく真の勇気と力をもった女神の聖闘士だ・・・」

と星矢を称えるが、星矢は
「ふ・・・ふざけるな。まるで善人のような顔をしやがって。今さら自らを悔い改めている暇はないぜ。」
と反論。まさにその通りです。
教皇を連れて行こうと、星矢は流星拳を放つが、教皇は微動だにしない。女神に刺さった黄金の矢を抜くのは自身の力ではなくアテナの盾の力でできると星矢に教え、星矢はそれに従うが、人が変わった教皇の攻撃を受けてしまう。
流星拳でサガを攻撃!流星拳の衝撃波で法衣が破れています・・・これって、ストリップ?(笑)
黒サガに変〜身!そしてスッポンポンで聖衣装着!スッポンポンで聖衣装着はやばいよ教皇様・・・
ところでこの章、教皇の間の死闘でもなんでもないじゃん!ただ教皇の正体が解りかけただけだし。

「ジェミニ!二つの顔をもつ男」
教皇の正体に戸惑う星矢。サガのアナザーディメンションが炸裂!出ました!黒サガの迷言(?)「ウワーハハハッ!」
先ほどのアナザーディメンションは不発だったようでサガの中で善の心と悪の心が葛藤していたのが原因。殺さないかわりに光速拳で星矢の五感を絶ってきた。

所変わり・・・
ムウの助力でシャカと一輝が復活!シャカ、一輝をお姫様抱っこしています。この人はやはり只者じゃない…(一輝が目を覚ましていたら怒りそうな気もするが・・・)
シャカは一輝に教皇の間に向かうように助言し、さらに灰から聖衣も蘇らせた。しかも新しい形態になってるし。

再び教皇の間。
光速拳で五感を絶たれても再び立ち上がった星矢。
「ジ・・ジェミニよたとえ五感がすべて失われたとしても、まだ命の炎は燃えている!」
「この命ある限りオレの小宇宙は限りなく高まってゆくのだ!」
「オレの小宇宙が消滅する時、それはオレが死ぬ時以外ない!」
「五感すべて失われようと、燃えろ、オレの小宇宙よ!」
「この命ある限り!!そしてジェミニを倒す!!」

のセリフの後、流星拳を放つ星矢。案の定サガに威力を受け止められるが、速度が増した流星拳は最終的に光速拳に。光速化した流星拳を受け倒れるサガ。サガが倒れている隙にアテナ神殿に向かおうとする星矢。しかし、サガは完全に倒れていなかった!サガの攻撃をかわし、渾身のペガサスローリングクラッシュを使う星矢。やはり光速化した流星拳同様、完全にとどめをさすことができなかった・・・タフですな…サガが星矢にとどめを刺そうとした瞬間、双子座の正義の面が涙を流し始めた・・・

所変わり・・・
教皇の間に向かう一輝。磨羯宮で紫龍に会う。
続いて宝瓶宮。氷河と対面する一輝。一輝は氷河に
「氷河・・・オレは幼い頃運命をとてつもなく呪ったことがある。」
「だが、逆に感謝しているぜ。
宇宙の生命から比べればまばたきほどの瞬間もない人間の一生で・・・」
「おまえらのような男と兄弟としてこの世にうまれてきたことをな・・・」

と言うが、氷河も
「フッ、それはオレも同じだ・・・縁があったらまた地獄で兄弟ゲンカでもやらかすか・・・」
と返しています。

そして、双魚宮・・・
出血多量で倒れている瞬を見た一輝。瞬の場合はかなり取り乱しています・・・この世でたった一人の血の繋がった兄弟だもの・・・
「シ・・瞬、よ・・・よく闘った。」
「あんなに闘うことの嫌いだったおまえが・・・泣き虫だったおまえが・・・よ・・よく・・・」

と涙を流しながらつぶやいています。この人、涙を流すのは瞬の前だけみたい・・(原作では。アニメでは星矢達の前で涙を流したことがあったな。)
ここから始まる二人だけの時間・・・
意識を取り戻した瞬は一輝に
「い・・・いいえこれだけは聞いておきたかった。にいさん、僕が弱虫だったばかりに
にいさんに地獄のような思いをさせてしまったことを・・・ゆ・・・ゆるしてくれますか・・・」

と一輝に詫びてくるが、一輝は
「バカな・・・星矢にもかつて言われたが、
地獄のような思いをして帰ってきたのはオレだけじゃない…」
「瞬よ、所詮はこのオレが弱虫だったのさ・・・フッ・・・」

↑この人「フッ」は欠かさず言いますね。
「許しを請うのはオレの方だ。一度でも女神へ敵対したオレを・・・
兄弟であるおまえを殺そうとしたこの兄を許してくれるのか・・・瞬・・・」

「フッ、許すもなにもぼくはにいさんが敵だなんて思ったことはありませんよ。だって・・・」
「にいさんはいつだってぼくのにいさんだもの・・・」

↑このセリフ、兄弟の絆の強さを感じるセリフです。
瞬には見えないところで笑顔を見せた(んだろうなたぶん)一輝は教皇の間へ。(アニメ版では一輝、瞬を助けた際は瞬の前で微笑することもあったっけ・・・)

―教皇の間
双子座の正義の面が涙を流したところから。かなりの量の涙を流しているが、なんで涙が出てくる!?
サガは自身の正当性を主張するが、ここで後半の伏線が顔をのぞかせています。(サガがゼウス、ポセイドン、ハーデス(ハデス)の名を口に出しているんで。)最後は
「城戸沙織のような小娘では守れん!!」
「わたしこそがこの時代の救世主なのだ!!」

なんて言っていますが、この人、神になったつもりか?
その後星矢をいたぶるサガ、サガのとどめの一撃が星矢に当たらんとするその瞬間姿を現す一輝。
サガもたじろいでいます。
「このオレの命などいくらでもくれてやるさ。」
「ただし、女神の命だけは絶対にとらせん!!」

の一輝のセリフでこの巻はお終い。
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