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単行本版11巻

「死すとも進む!」
氷河渾身の「ホーロドニースメルチ」が炸裂!かと思いきや、ミロには効いていなかったようで、技を放ったときの衝撃でスカーレットニードルを受けた傷跡から派手に血を流してしまった氷河。
大量の血を流しても戦おうとする氷河だが、ミロに止められる。ミロがカミュの気持ちを代弁するかのように氷河を氷の柩に閉じ込めた理由を話す。
この後氷河が聖闘士の修行を始めた頃に場面が移る。マーマに会いたいため聖闘士になると言う氷河にカミュは
「そういう甘い考えがある限り聖闘士になったとしても、いつか死ぬということだ。」
「みろ!氷河よ。」
「あれらの氷山は永久氷壁といって何万年もとけたことのない永遠の強さを持っているのだ。」
「氷河よ、もしおまえが聖闘士をめざすのならあの永久氷壁のような強さをもて!」
「太陽の光にさえも溶かされることのなく、この地上に存在しつづけてきたのだ!」

「よいか、どんな強敵を前にしても常にクールでいろ!」
「このシベリアの永久氷壁に真の強さを学ぶのだ氷河!」

聖闘士になるための心構えをとくカミュ先生。…ところでカミュ先生の髪の毛だが、9巻の時と比べると長くなっていません?
ミロは氷河を見逃そうとするが、氷河のプライドがそれを拒む。さらに氷河は
「兄弟である星矢たちが必死で戦っている中、生きのびんがための眠りなどについていられるか」
「たとえなん十年後、なん百年後に氷の柩から生き返ったとしてそれがなんになる!」
「この氷河にとって今この時代に生きているということに価値があるのだ!」
「つらくとも苦しくとも、熱き血潮をわけあったすばらしいヤツらと 同じ時をあゆんでいるということが喜びなのだ!」
「かつては不運な出生に神をのろったこともある!」
「だが、今は神に感謝している。ヤツらと兄弟としておなじ時にうまれたことをな・・・」

「たとえ五感がすべて失われようと、この命つきるまで戦いはやめん!」

と、自分の本音を吐露。それを聞いたミロは宝瓶宮にいるカミュに
「カミュ、きいたか…」
「宝瓶宮にいるカミュよ、今の氷河の声がきこえたか!」
「この男に命を助けてやろうなどという甘い考えはかえってこの男を侮辱したことになるのだ!」
「むしろ正々堂々と戦いこの男の命をうばうことこそ、
氷河を男として認め、真の聖闘士として遇したことになるのだ!」
「オレは今から全力をもって氷河にとどめをさす!」
「それはオレが氷河をみとめたからだ!よいな、カミュ!」

と心で会話。氷河のセリフを聞いた時点でミロは氷河を認めたわけだが、カミュとミロという組み合わせはこのシーンで決定付けられたのかな?心で会話ができるのもセブンセンシズのなせる業?
二人の最後の拳が繰り出されたが、先に倒れたのは氷河。ミロは勝ったと思っていたが、自分の体に星命点が突かれているのを発見。ミロは最後の拳を繰り出したときに突かれたものだと気づき、その時に氷河が自分よりも小宇宙を高めたことを知り、素直に敗北を認めた。
無意識のうちに前進している氷河。血を流しながら前進するところはすごい(=根性がある)反面、気味悪く感じる。
それに感服したミロは氷河に止血の治療を施して先に進ませた。

人馬宮にたどり着いた星矢達。人馬宮には射手座の聖衣が置かれていた。射手座の聖衣は矢を星矢に向けて放ってきた!
「バ・・・バカな・・・これは一体・・・」のセリフで次の章へ

「少年たちよ!女神(アテナ)を託す」
射手座の黄金聖衣が星矢を狙ったところからこの章は始まる。矢は人馬宮の壁に当たっていた。
矢が刺さっていたところから現れたのは、ギリシャ文字によるメッセージ。
メッセージは「ここを訪れし少年たちよ、きみらに女神を託す」という内容。このメッセージを読んだ一同は感動の涙を流しています…これってアニメ版ではアイオロスのメッセージを読む前に、アスレチックなんかをやらされたそうで・・・・アイオロスのメッセージを読んだあと、一同は改めて誓いを立てるシーンへ。
4人は手を組み、
「教皇の間まで残す宮はあと3つ!」
「時間もあと3時間だ!」
と星矢。
「前にもいったようにだれでもいい、残ったひとりが教皇をひきずりだし女神の命を救うのだ!」と紫龍
「だけどよくここまでたどりつけたものだね。」
「ここまでこれたことをみんなに感謝しているよ!」
と瞬。
「フッ、それは全員おなじことさ。一人だったらここまでのぼってくることなど、とうてい不可能だったろう」
「ひとりひとりが力をだしきったからこそこれたのだ!」
と氷河。
今度はそろって
「いいか、この先どんなことがあっても死ぬんじゃないぞ!!」
「この果てしなき星うずまく銀河で、同じ時代をわかちあって生まれてきた」
「熱き血潮の兄弟たちよ!!」

と、決めてくれます。

10番目の磨羯宮に付いた星矢たち。紫龍が磨羯宮に残り、シュラと対峙することに。
シュラがアイオロスを半殺しにした男だと聞いた紫龍が
「この紫龍ののこりの生命の小宇宙すべておまえにたたきつけてやる!アイオロスの無念もすべてこめてな!!」
と言ったところで次の章へ。

「シュラ!聖剣(エクスカリバー)を持つ男」
まずはシュラが先制攻撃。拳圧で地面はもとより、紫龍の足まで切り裂いた手刀の威力は恐るべしと言ったところか?
簡単にやられてはならぬと紫龍が廬山昇龍覇を放つが、シュラには通用しないうえに、技の威力を利用する投げ技「ジャンピング・ストーン」で吹っ飛ばされてしまう。
ところで、シュラのジャンピング・ストーン、プロレス技のフランケン・シュタイナーの変形っぽいと思いません?
立ち上がる隙もなく、エクスカリバーを使ってくるシュラ。自慢の盾を斬られた後、聖衣まで切り刻まれてしまう。なんという脱がせ方だ…(有無を言わせない方法だったもんで・・・)紫龍自身も真っ二つになるのか?と思われたその瞬間、切り裂かれたのはマスクだけ。紫龍自身はシュラの手刀を真剣白刃取りで受け止めていた。
「真剣白刃取り!オレのうまれた日本に伝わる武道最大の奥義…」
「そしてシュラよ、おまえをほろぼす起死回生の技だ!」

といいつつ、蹴りを一発シュラにお見舞いしたあとさらに、
「これだけは約束しておこう、山羊座のシュラよ!」
「たとえこの紫龍の五体すべてがとばされたとしても
          ひとりでは死なん!必ずおまえもつれていくぞ!!」

と自分の覚悟を決める。
紫龍の小宇宙が最高まで高まると背中に龍が出てくるが、あの背中の龍、原作版の方がアニメよりも綺麗に書かれていると思うのだが・・・
シュラに反撃する間を与えずに紫龍が反撃。シュラもその戦闘能力に戦慄しています。
紫龍はとどめの昇龍覇を放とうとするが、シュラに昇龍覇の弱点を見抜かれていた!それでも昇龍覇を放つ紫龍。
絵とセリフを見たらわかるが、弱点を見抜かれていたことを承知で昇龍覇を放ったのはシュラのエクスカリバーをつぶすためだったわけか・・・
心臓に多大なダメージを受けながらも立ち上がる紫龍。
「な・・・なんだ・・・この絶命の時にこの男の小宇宙はおとろえるどころか、さらに増大していく・・・」
「この紫龍にはまだなにかのこされたものがあるというのか・・・」

とシュラは紫龍の小宇宙に戦慄しています。上のシュラのセリフを読んで感じたが、絶命のときに小宇宙が増大するのは信じられないと思ったが、言い方をかえれば死の境にいるから、生命の力でもある小宇宙が増大していくのか?(「○ラゴン○―ル」のサ○ヤ人みたいだな・・・)
「ろ…老師、お許しください・・・この紫龍、老師の戒めをやぶります・・・」という紫龍のセリフのあと、修行時代のシーンへ。紫龍の奥の手といえる技の話がここで登場。亢龍覇は自身をも滅ぼす技ということだが、どう考えても自爆技。
亢龍覇を使いシュラと共に空に消えた紫龍。宝瓶宮に向かう途中の星矢達、五老峰の春麗、老師も空にのぼった流星に気がついた様子。老師は紫龍が亢龍覇を使ったことに気づいた様子。
「おもえば、こうなることはわかっていたのじゃな・・・」
「紫龍、おまえは自分のためよりもぎのために生きる男・・・人のために命を捨てられる男・・・」
「情のためよりも、義のために生きることはすばらしいが・・・」
「悲しいな・・・紫龍よ・・・」

と紫龍に対し涙を流しています。美しい師弟愛ですな・・・

所変わり・・・宇宙めがけて上昇中(?)の紫龍とシュラ。
シュラは自分たちの命のことを心配しているが・・・
「こ・・・この紫龍、死はもとより覚悟の上、おまえも必ずつれていくといったはずだ!」
「バ・・・バカな、そこまでして勝ちたいか・・・」
「自分が死んでの勝利など、なんの価値があるのか!?」
「なんのためにそこまで戦うのだ。なぜだーっ!?」

シュラもシャカと同じことを言ってます。この後の
「シュラよ、聖闘士なわかりきったこと・・・」
「女神のためだ!!」

と、言い切る紫龍はかっこいいです。さらに、
「女神(アテナ)は邪悪と戦うために数百年に一度生まれるという…
   沙織さんはこれからその邪悪と戦わなければならない大切な人…
     沙織さんが悪をうちはらい、この世が平和になりそれによってオレたちのような
       不幸な子供たちがいなくなるのなら…この紫龍ひとりの命などやすいものだ…!」

と、言葉を続ける。その言葉を聞いたシュラは・・・
「バ・・バカな・・・しんじられん・・・・」
「シ・・・紫龍よ、おまえのような男が世の中にいたとは・・・」
「オ・・・オレは人間はすべて自分のために戦うのだと思っていた・・・」
「自己の利益のためだけに命をかけるのだと思っていた・・・」
「だ・・・だからたとえ教皇が悪であれ力をもってつらぬけば、正当化されるのではないかと思っていた・・・」
「力のあるものが・・・勝ったものが正義を名のる資格があるのだと思っていた・・・・」

↑この人、デスマスク同様力が正義と思っていたようだ。(アニメ版では違う設定だったようですが)
「聖闘士として・・・ましてや黄金聖闘士としては失格だ・・・」
「だが、どうやらオレはまちがっていたようだ。」

と、自分の非をを認めて改心。
「紫龍、おまえは死んではならん・・・」
「おまえのような男こそ生きてこれからも女神のために戦わなければならないのだ・・・」
「紫龍よ、おまえを死なせたくない・・・だ・・だが、もうおそいようだ・・・」
「まもなくオレたちの体はとけはじめる・・・」
「そして、オレたちの体はチリとなって、この宇宙に永遠にただよう・・・これからはせめて・・・」
「せめて星となって女神を守るか・・・なぁ紫龍・・・」

「なぁ・・紫龍・・・」
「シ・・・紫龍・・・」

と、死ぬ間際は「漢」らしさを見せたシュラには感動する。
紫龍の小宇宙が途絶えたのを感じる星矢達。氷河は何者かの小宇宙を感じ取った。星矢達の前に現れたのはカミュ先生。氷河は星矢達を先に行かせるために宝瓶宮に残ることを決意。
「ここは師のカミュとオレだけにしてもらいたい。」
「だれにも邪魔をされたくない。たとえおまえたちにもだ・・・!!」

と宝瓶宮に残った訳を話す。
さらに、
「わが師、カミュよ」
「オレはあなたに礼を言わなくてはなりません。」
「しかし、東シベリアにて聖闘士として数かずのことをおしえられた礼はとても言葉ではいいつくせません・・・」
「だから、言葉ではなく聖闘士としての行動で示したい!」
「それはあなたからさずかったものすべてをぶつけ、カミュ、あなたをたおすことだ!」

と聖闘士としての誇りをかけてカミュ先生を倒すことを宣言。カミュも
「よかろう。ならばわたしもすべてをもっておまえにこたえ、今度こそ確実にほうむってやろう!」
と氷河の言葉に応え全力で戦うことを宣言。
二人が戦闘前の構えを取ったところで次の章へ

「究極の凍気!絶対零度」
氷河の心配をしつつも、星矢と瞬は最後の宮、双魚宮へ。
前振りもなく、宝瓶宮では氷河対カミュ戦が行われていた。まずは氷河が先制攻撃、得意のダイヤモンドダストを放つが、天秤宮の時みたいにカミュ先生はダイヤモンドダストの凍気を無力化。しかもその威力をはねかえして、氷河の左足を凍りつかせた!絶対零度のことを教授した時のシーンの場面をはさんで、またバトルシーンへ。カミュの攻撃で右足までも凍り付いてしまった氷河。氷の闘技のウンチクをしながら戦いを有利に進めるカミュ先生、余裕なのですか?それとも単なる解説好きなのか?
必殺技のオーロラエクスキューションを放ち氷河を倒したカミュ・・・と思いきや、氷河も再び立ち上がってきた。
「絶対零度までいかなくても、カミュ、あなたの位まではかならず凍気を高めてみせる・・・!」
「そして、あなたをたおす!」

といいつつ小宇宙を高め放つ、渾身のホーロドニー・スメルチ。しかし、またもやはねかえされてしまう。
「カミュ・・・や・・・やはりオレの師・・・」
「その実力はとうていオレなどにはおよばない・・・」

↑あきらめるのが早いぞ!氷河!不屈の闘志をみせなさい!

天秤宮の時のようにまたもや氷の柩に閉じ込められた氷河。今度は閉じ込められたままでは終わりません。必死の力で氷の柩を砕くことに成功した氷河。その威力でカミュ先生は吹っ飛ばされるが、顔が崩れています・・・
また立ち上がり、今度はカミュと互角の凍気を放つ氷河、本人は意識がない状態で放っていたりするが、力の加減とか分かるんですか?
マーマや仲間の声が氷河に呼びかけるが、氷河はなかなか目を覚まさない。カミュ先生の必死の呼びかけで目を覚ました氷河は凍気をはね返したうえにカミュの聖衣をも凍らせた!
とうとう絶対零度を身につけたわけだが、きめ技が存在しない・・・
カミュは必殺技のオーロラエクスキューションで氷河のとどめを刺そうとする。対する氷河もオーロラエクスキューションの構えを取った!オーロラエクスキューション同士の衝突・・・
氷河の成長を見届け、
「できればその力をおまえの信じることのために使わせてやりたい・・・・」
「おまえをこの先も生かしてやりたい・・・」
「だが、もはやこのカミュにも、どうすることもできぬようだ・・・」
「ゆるせ・・・氷河・・・」

力尽きたカミュ。それを見た氷河も涙を流しつつ、
「カ・・・カミュあなたは自分の命をかけてオレを絶対零度まで導いてくれたのですね・・・」
「そしてそれ以上に・・・」
「どちらが正しいのか!?どちらが悪なのか!?」
「善悪の判断に逡巡することよりも、一度戦いが始まったのなら・・・
    男なら、途中で節を曲げることなく最後まで自分の立場で戦い抜くのだと・・・」
「クールに徹するのだと、あなたは無言のうちに・・・強烈に語りかけてくれていた・・・ああカミュ・・・」
「あなたから受けた数々のことは決して忘れない。」
「いつか・・・いつかまたふたりで・・・」
「あの東シベリアの凍りついた氷原へ帰りましょう・・・」
「ありがとう我が師カミュ・・・」
「そしてさよなら・・・」

とカミュ先生の偉大さに感動。これで氷河も師匠離れ(=師匠越え)を果たしたわけだが、師を倒してしまわなければならない悲劇は心が痛む。アニメ版では師匠は違っていたが、師を倒さねばならない運命には心が痛みました。
ここで書くが、戦闘中なのに弟子のことを心配するカミュ先生も親バカならぬ、弟子バカ・・・

双魚宮にたどり着いた星矢達の前にアフロディーテが登場したところでこの巻はお終い。
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