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「最高のスペハリは?」 6月26日(月)


 

 あの「大戦略事件」を機に一時なりを潜めたと思ったら「テトリス」という意外な伏兵を持って地味に復活した「SEGA−AGES2500」。

 こちらで書いた嫌な予想が当たり、コミュニティも閉鎖されるという最悪の事態を迎えましたが、一応企画自体は生き延びている事を世に示しました。
 「E 基板」バージョン収録といういかにもエイジスっぽいこだわりを見せるものの、DS版発売後の「このタイミングでテトリスですか」という印象はぬぐえません。

 「新生エイジス」として大々的に発表されたラインナップをほぼ消化した今、ユーザーにとってみれば新たな神々しいラインナップを望んでいたわけで、今回の「テトリス」はどうにもチョコマカ逃げられたような気がします。企画の存続はコレで安心と思えない油断のなさがあるんです。

 ま、正直HEDは「スペハリ」の「Theme4問題」で相当テンション下がったクチなので、半分どうでも良くなってきました。
 「Theme4問題」では色々な方からメールをいただきありがとうございました。
 かみゆさんからいただいた以下のご意見が真実に近いのでしょう。


 
はっきり言いましょう!
 音違います。
 これを専門用語で一言で表すと「デチューンのかかり具合が違う」ということになります。

 デチューンとは、同じ音をわずかにピッチをずらして重ねることで、これまた専門用語でいうところの「コーラス効果」を生み出すものです。FM音源時代には多用されたテクニックです。

 で、PS2版のスペハリ、このデチューンのかかり具合がわずかに少ないのです。

 スペハリのメインメロディは、『じゅわーん、じゅわじゅわーん、じゅわーん、じゅわっじゅわーん』(イントロ)という音が印象的ですが、PS2版はこの『じゅわーん』が「しゅわー」に聞こえるのです。

 このため、THEME4ではCDが『じゅわじゅわじゅわじゅわ!じゅわわーん』
なのに対し、PS2版が『じゃじゃじゃじゃ!じゃじゃじゃー』になってます。
 デチューンが深くかかると、『じゅわーん』と後を引くような粘っこいひずみが生まれるので、そこが浅くなっているんですね。

 で、音源チップをエミュレーションしているのに、なぜこのような差異が生まれるかですが、

 可能性その1
 単純なエミュレーションミス。チップエミュレーターに問題がある。

 可能性その2
 本物の音源が、偶然の産物によるひずみっぽい音を出し、それが深みのあるデチューンを生んでいるため、デジタルでしか再現できないエミュレーションでは、チップのパラメータはすべて再現できてもチップのアナログひずみは再現できない。

 可能性その3
 元の音源チップは1チップ内にFM3音とPSG(ヤマハはSSGと呼ぶ)3音のハイブリッド構成である。
 スペハリでは、耳で聞く限りでは、メロディにFM音源とPSGを重ねて、『じゅわーん』というひずみっぽい倍音部分をFMが担当し、基音をPSGが担当していると思われる。
 1チップ内に収まっていて、ハード的にはFMとPSGの音量バランスはいじれないため、CDでも基板と全く同じバランスで鳴っているハズ。
 しかし、エミュレーターでは、チップエミュレーションの最終仕様を決定する時に、耳でバランスを決めなければならないはず。
 ということは、たとえ基板のROMデータを吸い出してそのまま鳴らしても、エミュレータそのものの音量バランスはエミュレータ製作者の耳が決めているため、100%同じとは言い切れない。
 で、PS2版では、わずかにPSG音が大きいようにも聞こえる。これにより、『じゅわーん』の倍音よりもPSGの基音部分が勝ち気味になり、相対的にデチューン効果が弱く聞こえている可能性がある。

 ・・・と、このあたりが、かみゆ的真相だと思うのですが、いかがでしょうか。



 かみゆさんありがとうございました。
 HEDには想像もつかない考察でとても面白かったです。なるほどこういう理由が考えられるのかと。
 あくまでかみゆさんの私見であるということですが、真実に近いのではないでしょうか。



 結論としては「やはりどう聴いても違う」
 久々にプレイする機会を持つことができた32X版でさえ、あの「デンデンデンデン」を綺麗に再現していました。

 話は逸れますが、32X版も良く出来てるよなぁ。
 当時初めて
「アーケード版にソックリなハリアー」が家にやってきたんです。その感動たるやもう筆舌に尽くしがたいものでした。

 今良く考えてみると影が半透明じゃなかったり、画面の上下が黒く切れていたり、コマ落ちが激しかったり、ハリアーの動きが若干モッサリしていたりなど色々違いはありますが、当時は「まごうことなきアーケード版」と涙しました。今遊んでも良く出来ています。Theme4もちゃんと再現されてるし・・・。


 そしてやはり誰がなんと言っても究極の「スペハリ」はサターン版。
 「処理落ち改善」、「BGMはCDDA再生」と、アーケード版をさらにバージョンアップした内容となっていました。
 今となってはそれが心地いい。完全無欠の「スペースハリアー」です。SS互換機出ないかな。もしくは互換PC。一生遊びたいSS版ハリアー。

 PS2版が「究極のハリアー」となるはずでした。
 確かに処理落ちや効果音バグまで再現されているこだわりの再現度。
 でもそんな細かいことよりBGMの「聴いた感じ」に違和感がある方が問題。

 中身は一緒だけど着ている服は違うわよ、みたいな。

 なんか「エミュレーションの工程で仕方ない部分が残っちゃった」という感じがして悲しいです。
 「移植」ではない。「移植のこだわり」を感じない。半端な「エミュハリアー」になってしまった感じがします。あくまで個人的な感傷ですけど。
 「Theme4」の部分が物凄くチープに感じるPS2版は今はあまりプレイしていません。なんだかモチベーションが上がらない。

 これを「全く同じレベルに聴こえる」と言い切った奥成プロデューサーに若干不信感。
 いや、本当にそう聴こえたのかもしれません。
 それでもHEDが聴いたら全く違うんです。この差はなんでしょうか。




 以前「今日の一枚」で載せた画像を再掲。
 一つ一つに思い出が詰まったお気に入りの一枚です。

 最高のスペハリは?

 と言われたら、やっぱりSS版と答えます。
 「移植」にこだわり、「精細」よりも「最高」を目指した逸品。
 これを超える家庭用ハリアーは現れるのでしょうか。



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