子音が重なっている場合、下記の点に注意して読んでください。
各項目をクリックすると詳細が表示されます。
子音が二つ並び、母音を共有 タイ語ではอักษรควบ[àksnkhûap]
- 母音位置のルール
この場合2つの子音は一つの子音とみなし、母音の子音を入れる部分に当てはめます。文字の上下に付く母音の場合は、2つめの子音に付けます。
- 読みのルール
2つの子音は、続けて発音します。間に母音が挟まることはありません。カタカナタイ語の会話の本では、この音の表記にカナを2文字当てたりしていますが、
それをそのまま読むと、間に母音が入ってしまうため実際のタイ語の音とまったく違った音になります。
- 声調のルール
声調は2つの子音の1番目の子音に従います。
この子音が中/高/低のどの級別かで、声調のルールが決定します。
- 注意
2重子音は、11〜12種類しかありません。
本によりทรを2重子音にするしないで、数が異なります。
- ทรは特殊な読みをするもので、2つの子音を[s]と読むのが普通です。まれに[thr]と読ます。
- また、組み合わせは、1つ目の子音に ก[k] ข[kh] ค[kh] ต[t]
ป[p] ผ[ph] พ[ph] のいずれかがきて、
2番目の子音に
ร[r] ล[l] ว[w] のどれかがきます。
- ร[r]ล[l]は大抵は発音しません? この辺の事情は本により様々で、
ある本では読むとしているものが、ある本では読まないとなっていたり、かなりテキトーです。実際、タイ人も省略して発音していますが、
省略するしないが、これまたテキト−です。また、日本人がこの音の正確な方を発音しようとすると、「プラ」とか「クラ」とか、
[u]の母音が混じって、さらに掛け離れた音になります。[r][l]を省略した発音の方が通じやすいと思います....
例:
- ปลา → 実際の音:ป[p]ล[l] + 「-า[aa]」 = [paa] 魚
- ไกล → 実際の音:ก[k]ล[l] + 「-ไ[ai]」 = [kai] 遠い
- ใกล้ → 実際の音:ก[k]ล[l] + 「-ใ[ai]」 = [ki] 近い(上がって下がる戻ってくるようなイメージの声調)
- ใคร → 実際の音:ค[kh]ร[r] + 「-ใ[ai]」 = [khai] 代名詞:誰
ちなみに、b.c.dをカタカナに直すと全て「カイ」になりますが、実際の音は無声音/有声音/声調の違いで絶妙に異なります。
子音を導く子音 タイ語ではอักษรนำ[àksnnam]
- 母音位置のルール
この場合2つの子音は一つの子音とみなし、母音の子音を入れる部分に当てはめます。文字の上下に付く母音の場合は、2つめの子音に付けます。
- 読みのルール
前の子音に、短母音の「あ」の音を半分添えて発音します。
- 声調のルール
2つの子音の2番目の子音が有声音(鼻に掛かったり鼻に抜ける音)の場合、
1番目の子音が有声音/有気音でなければ1番目の子音の声調のルールに従います。
その他の場合は、2番目の子音の声調のルールに従います。
- 注意
- หの次に有声音の子音が来た場合、หは、声調のルールのみを残し発音されません。
- อยのอは、声調のルールのみを残し発音されません。
ちなみに、อは母音としては[]と発音
しますが、子音としては独自の音を持ってません。
例:อが付く場合と付かない場合
1.อยาก → (อ[-] + [a]) + ย[y] + 「-า[aa]」 + 末子音ก[k] = [yàak] 欲する,望む
อが中子音で、促音節の末子音がある為、カム・ターイの声調規則により低音の声調。
2.ยาก → ย[y] + 「-า[aa]」 + 末子音ก[k] = [yâak] 困難,困難な,難しい
ยが低子音で、促音節の末子音がある為、カム・ターイの声調規則により下音の声調。
子音2文字で1音節が構成されている場合があり、その場合下記のどちらかのパターンになります。
- 母音ไ-ะ[o]の省略
この母音の場合、音節末に子音がある時、母音文字ไ-ะ[o]は省略され記述されません。
この省略形はよく目にしますが、これを読む場合は、母音[o]を補って読みます。
例:
- ผม → 読み:ผ[ph] + 「ไ-ะ[o]」 + ม[m] = [phm] 髪の毛、私(男性の自称)
- ลด → 読み:ล[l] + 「ไ-ะ[o]」 + ด[t] = [lót] 減る、下がる、降りる
- นก → 読み:น[n] + 「ไ-ะ[o]」 + ก[k] = [nók] 鳥、銃の引金
- 母音-อ[]が省略される場合
母音が-อ[]で、
その音節末にรがある場合、母音文字は省略されます。
例:พร → 読み:พ[ph] + 「-อ[]」 + ร[n] = [phn] 福,祝福,上物,特選品
音節末に子音が入る形 はっきり言ってこの部分は本により恐ろしく混乱しています。音節末に来たย[i]ว[u]
を母音として考えるか、子音文字を使っているから子音とするのか、考え方や説明が異なるのですが、
母音として考えると声調の適用ルールが変わってしまう場合もあるので、末子音とみなすという事にします。
T. 蛇足ですが、末子音の分類に関しては、用語が乱れ飛んでます。
- 促音節または閉韻 死語と分類している末子音。(注:促音節は子音+短母音も含みます)
- 平音節または開韻 生語と分類している末子音(日本語の「ん」の音に相当)と、ย[i]/ว[u]/อ[-]。
U. 末子音は、音の発声から下記の2グループの9つに分けることができます。
●促音節
- [-k]
ก,ข,ค,ฆ
- [-t]
จ,ช,ซ,ฌ,ฎ,ฏ,ฐ,ฑ,ฒ,ด,ต,ถ,ท,ธ,ศ,ษ,ส
- [-p]
บ,ป,พ,ฟ,ภ
●平音節
- [-n]
ญ,ณ,น,ฬ,ร,ล
- [-m]
ม
- [-]
ง
- [-i]
ย
- [-u]
ว
- [-]
อ [注]多分
-ี[ii]と
-ื[]
の見間違い防止の為に、
-ื[]の後ろにくっ付く。
V. 発音について
- 促音節の発音
カタカナタイ語の本ではク[-k]、ト[-t]、プ[-p]とそれぞれカタカナを振っていますが、実際の音でカナを振るとしたら、
ト[-t]は、ツ[-t]です。一応日本語でも、「く」「つ」「ぷ」は、語末にあるとき母音[u]を伴わない事があるので、
末子音だからと力み過ぎると音が出てなくて、困ったことになります。
例えば、ครับ[kháp] 男性が「ええ」「はい」と返事をしたり
文末に付けたりする言葉ですが、[-p]を言わないと女言葉になって、おかまに間違えられるかもしれません。
- [-k] 「ク」を言う時に、同時に急ブレーキをかけて音を止めます。
- [-t] 日本語の促音「っ」と同じで、舌を上顎に付けて急ブレーキをかけます。
- [-p] 「プ」を言う時に、唇を閉じて急ブレーキをかけます。
- 平音節の発音
[-][-n][-m]は、日本語の「ん」に相当します。ただし、日本語の「ん」は、前後の音が何かで変化しています。
普通に「ん」と読むと[-]となる為、注意が必要です。普段から意識して使い分けしていないので
、難しいとは思いますが、口の形や舌の位置が異なりますので、注意して使い分けて下さい。
- [-n] 日本語で、後ろの文字が S・N・Z・Jの場合の「ん」と同じ 例:先生[sensei]
- [-m] 日本語で、後ろの文字が M・B・Pの場合の「ん」と同じ 例:散歩[sampo]
- [-] 日本語で、上記以外の場合の 鼻に抜ける音の「ん」と同じ 例:参加[saka]
なんと、他の子音の後ろにあるรรは母音になってしまいます。
これを読む場合、末子音のあるなしで読みが変わります。
- 末子音がない場合。(子音+รรで1音節になる場合)
[an]=-ันと等価 声調は末子音นが付いた平音節扱い。
- 末子音がある場合。(子音+รร+子音で1音節になる場合)
[a]=-ะと等価 声調は短母音扱い。