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タイで暮らす

最終更新日:2003年7月2日 戻る タイ語のメニューへ

このページについて タイで実際に生活する為の情報がまとまっているものが少なく、 実際に生活すると色々と細かい点で往生してしまう事が少なくありません。 自分の経験した範囲内でまとめてみました。ご意見や情報等ありましたら、 メールを送っていただけると幸いです。


●タイ人について

   タイ人の性格について色々な本で色々と書かれていますが、ウケ狙いのものが多く正確に分析しているとは言い難いのが現状です。 まず、タイ人と大雑把に言うところからが間違いで、華僑系タイ人などは、育った文化背景が異なるので性格も、 よく言われるタイ人とはかなり異なります。 また、バンコク等の大都市では、周辺国からの出稼ぎも多く、 お金お金という感じで、法外なチップを要求してきたり(適正は価格の10〜20%で、観光地以外は必要無し)、 通常価格の3〜5倍くらい吹っかけてきたりし、陽気なタイ人というイメージはありません。

   なお、華僑系・アラブ系は、どうも目先の利益最優先という感じで、取れるところから取れ、が鉄則のようで、 品質や安全など二の次です。特にコンドミニアムの購入など計画されている場合、 管理費の金額等には注意しないと、法外な金額を請求される場合がありますし、 アラブ系の洋服店では、通常の3倍位で、 オーダーメードの背広を安っぽく作ってくれたりします(普通、背広は3,000B位から作れます)。

   普通のタイ人は、保守的で、多分、食事の経験からだと思うのですが、 見たことも無いものや、普段から口にしているもの以外は、あまり口にしようとしません。 お腹を壊すからという理由なのですが、それと同様に、やった事が無い事など、 あまりやろうとしないので、ちょっと苦労させられます。 また、体面を重んじるのか、失敗して笑われるのが恥ずかしいという気持ちが強いみたいで、 人によるとは思うのですが、相手をよいしょして、失敗しても怒らずに、 「どうして失敗したんだろ」と聞いてあげるのが、うまくつきあうポイントだと思います。

●タイでの買い物について

   華僑系の所など、あまり値札がついているのを見たことがなく、ちょっと値段を見ようと店に入ると、 絶対買わなきゃ帰れないという感じで、参ってしまうのですが、そのせいか、ディスカウントの大型店が、 雨後の竹の子のように、あちこちに出来ています。ビックC(フランス資本)やロータスなど、 タイの値段になれないうちは、これらの大型店で買い物したほうが安心です。 なお、これらのお店での野菜などの生鮮食品は、ちょっと高めです。 一応、品質と値段は比例しているのですが、値段が2〜3倍も高くても、包装などが少し良いだけで、 中身は、普通の値段のものと変らなかったりします。

●タイでの生活についての本

本の表紙

長期滞在者のための最新情報55 タイ 三修社発行

タイで生活するにあたり、アパート(2,000〜6,000B位の)などの情報が数多く載っています。 その他、自動車や会社の登記などいたれりつくせりという感じです。

●タイでアパートを借りる場合の注意

   タイでは、アパートは簡単に借りる事が出来ます。パスポートの提示と、2〜3ヶ月分の家賃のデポジットを払えばいいのですが、 水道代、電気代などには注意して下さい、普通水道代は家賃に含まれます。含まれない場合でも、 月約100〜200B位です。また、電気代もクーラーを1日中使用しても、月400B位なのが通常ですが、華僑系オーナーの場合、 5倍くらい吹っかけて来ます。また、ガスはインフラが無いので、プロパンを購入する事になります。 プロパンは、ます1本丸ごと買って(1,800B位)、ガスが無くなったら、その都度補充(600B位)します。 なお、自分でアパートを探す場合、タイ人と同じ程度のアパートの場合、不動産屋が無い為、アパートに直接行って、 空きが無いか聞かなければなりませんが、条件のいいアパートほど空きが無く、 アパートによっては、日本人なんて言うと高い家賃を吹っかけられる場合もあり、 一筋縄では行かないのが実情で、日中の暑いさなかに歩き回ってくたくたになって、自分はいったい何をしているんだろうと、 途方に暮れることも少なくありません。

   お勧めは、6,000B以上になるのですが、冷蔵庫やテレビが備え付けの物件です。 一万B以上出せば、NHKの衛星受信付きの部屋もありますが、タイくんだりまで来て、日本のテレビを見ると異国情緒が無くなります。 また、安いアパートは、シャワーは水のみの場合がありますが、夜や冬場は、慣れないと水では冷た過ぎます。 温水が付いたシャワーも、アパート選びのポイントになります。

●タイでの生活費

   食費は、タイでの食材を使用すれば殆どかかりません。お米も、タイ米を良く洗米して炊けば、普通に食べれます。 タイ米がキロあたり14B〜18B、卵が1個2〜3B、 ネギ・ニンニクは、5〜10B位で、白菜・キャベツ・ブロッコリー等が10〜20B、 ペーコンが200グラム・40〜50B、牛乳800cc・30〜33B、 果物は、スイカ1玉・20〜70B、バナナ1房・10〜30B、ドリアンがキロあたり20〜30B、 パイナップル一個10Bで、とても豊富です。 豚肉はキロあたり40B、地鶏は1羽70〜100B位です。 また、日本食の調味料も、多少値段は高くなりますが、スクンビットの富士スーパー等で購入可能です。

   月の食費は、毎日、果物の王様ドリアンや、女王マンゴスチンを食べたとしても、5,000Bは超えないと思います。 なお、地方に住むのであれば、車か、バイクは必須で、バイクは35,000B位で新品を買う事が出来ます。

●タイ人のサラリー

   タイ人の月給は、給仕やウエイトレスをしている女の子で、月3千〜4千B、工場で5千Bから、 大卒のエリートで、2万Bからになります。物価もこれを基準にすると、大体の価格が見えてきます。 なお、観光地の価格基準は、これよりも高くなります。

   また、日本や台湾などに出稼ぎに出ている男性で、休み無く仕事をして手取りで月1万B(約2万8千円)です。 日本の感覚からすれば、とても安い給料ですが、現地では仕事が無い為、この給料でも充分だとの事。 ただ、3ヶ月日本で働き、戻ってきた若者が、げっそりと痩せているのを見ると、とても気の毒に思ってしまいまた。

●タイの家電

   電話は日本から持ってきたほうが良いです。留守録付きの電話が殆ど売っていません。 コンセントは、日本と形状が同じなのですが、タイは220Vですので注意して下さい。 家電は、日本のものより安いのですが、機能がかなり削除されてコストダウンされています。 例えば、ビデオは、日本より多少安いのですが、タイマー録画の機能が付いてないのが普通です。 なお、基本的にテレビをビデオ録画するなんてことは、タイではしないみたいで、 主にカラオケに使用しており、どちらかというと、ビデオよりVCDの方が普及しています。 ちなみに、番組が時間通り始まることは稀ですし、朝からすでに時間どおりに進行していないみたいですが、 日本のように、新聞にテレビ欄が付いていないので、あまり気になりません。

   また、ビデオ・テレビ関係は、日本と信号の形式が違いますので使えません(日本はNTSC、タイはPAL)。 冷蔵庫は1ドアのものが5,000Bから、テレビ・ビデオは、10,000B位出せばそれなりのものが買えますが、 S端子は付いていないし、ブラウン管はなんだか丸ぽいし(最近フラットのものが多く出回っているようです)、 あまり贅沢を言うと、それなりの出費が必要になります。 インターネットは、日本と違い、月極めでいくらというよりは、時間いくらというのが主流です。 例えば12時間使用できるログインユーザ名とパスワードを、99B〜160B位で売っており、モデムを使ってログインして使います。 また、雨が降ると、一瞬停電したりしますので、コンピューターを使用する場合、UPSを導入したほうが無難です。

●タイの衣料

   日中は暑いので、半袖で充分ですが、冬場はさすがに朝夕冷え込みます。 また、長距離バスに乗るときなど、厚目の長袖は必須です。半袖は、70B〜150B位で、 長袖は、150Bからが相場みたいで、サンダルは、安いものは30B位から、200Bも出せばそれなりの良いものが手に入ります。 半袖は、タイで充分ですが、セーターなどの厚目の長袖はあまりいいものを売っていませんので、日本から持って来た方が良いです。 また、日中の日差しは半端でなく、ちょっとバスにのって買い物に出かけたら、翌日、顔の右半分が日焼けで皮がむけたのには、 びっくりしてしまいました。日焼け対策用に、薄手の長袖(150Bから)や、帽子(80〜150B)も必須です。

●タイの家具

   合板を使用したものは、安く手に入ります。机は1,000Bから、本棚は900Bからあります。 籐製のものも、若干高くなりますが、2,000Bくらいからあり、 籐製の小物、鉛筆立てや(80Bから)、小物入れ(50B位から)、洗濯物を入れる籠(120Bくらいから)は、 とても手軽な値段で買えます。 チーク材などを使用したものは、さすがに高くなるのですが、 それでも、テーブルと木のベンチのセットが、4,000B〜5,000B位からあります。

●タイの医療

   はっきり言って、日本語の通じる私立の病院は、とても高い料金を取ります。病院にもよりますが、腹痛で通院したとき、 注射代・薬代込みで、1,300B位でした。 タイ人の使う病院では、これまた、腹痛でかかったとき、薬代込みで100B〜150B位でしたが、 人が多く、朝早く病院に行き、診察が終わったのは、昼過ぎでした。 医療設備に関しては、それなりに設備が整っており、タイだからという心配はする必要は無いと思います。 ただし、上手い医者と、下手な医者では、天と地ほどの開きがあり、安い個人の診療所では、診察もそれなりです。 そのため、地元の人は、治らないと、すぐに医者を代えます(最初から藪医者の所には行かなければいいような気がしますが、 薬代が高い[日本に比べたらはるかに安いのですが]為、行かざるを得ないというみたいです)。

   なお、エイズには充分に気をつけて下さい。観光客向けの所では、ある程度、診察が義務付けられている所もありますが、 カンボジア、インドととともに汚染国の一つとして挙げられおり、自分の住む地域でも、月一人くらいの割合で、 エイズで死んでいます。とくに、都市部の教育や収入が充分でない階層の人々の感染が多いみたいです。 心配の方は、普通の病院でもエイズ検査を受けることができます。 タイの医療費は、病院によってかなり違うので、一概にいうことはできませんが、自分の場合、350B程でした。

   ちなみに、タイの一般的な病院は、諦めが早いです。医療費が払えないからという事情もあるのかもしれませんが、 ガンにかかって、転移などしようものなら、抗がん剤なども与えられず家に帰されます。 噂では、4・5日で死ぬように注射してくれるそうですが・・・・。 また、妊婦の人が、頭が痛いので病院に行き注射してもらったら、母子ともども天国へ行ってしまった。などの話を、 聞いたりします。多分、尾ひれがついているのだと思うのですが、不安な方は、日本語の通じる病院へ行かれるのが安心です。

   在タイ日本国大使館の医療情報の欄に、詳しい情報があります。参考にして下さい。

●タイの日用品

   所々で、日本とタイの考え方の違いに驚かされます。まず、歯ブラシ、「かため」はなかなか売っていません。 タイでは、「柔らか目」の歯ブラシを使うのが主流みたいです。歯ブラシは、15B〜80B位で、20〜30Bが売れ筋のようです。 また、体をごしごし洗う為のナイロンタオルは、ほとんど売っていません。 タイ人は、ナイロンタオル等は使わないみたいで、手でごしごしで済ませてしまいます。

   なお、汗をよくかくからなのか、入浴後は、パウダー(子供向け500g40B〜50B/香料効いた大人向け100g40B位)を付けるのが普通です。 また、整髪料などは、やたらと香料が入っています。無香料のものは殆ど見かける事が出来ません。 洗顔料などは、日本と同様のものが安く(60B位)手に入ります。 タバコは、一箱28B〜50B位で、マイルドセブンも売っています。 傘も、安いものは30〜50B位からあり、100Bも出せばそれなりのものが買えます。

   日用品の殆どは、セブンイレブンで購入可能で、バンコクに限らず、タイのあちこちで、見かける事が出来ます。 多少高めなものもありますが、値段をいちいち尋ねたりする煩わしさが無いので重宝します。 なお、日本の100円ショップが、タイだと10Bショップという感じであり、マニュキュアから、ノートなどの雑貨が安く手に入ります。 ただし、安いものはやはり品質に問題があり、乾電池など使い物にならない場合がありますが、 値段が高いからいいものかと言うと、安物と変らなかったりするので要注意です。

●タイの為替情報と銀行

バンコク銀行 為替レート表

タイ農民銀行 為替レート表

為替は、日々変動していますので、バンコク銀行と、タイ農民銀行の為替レート表へのリンクで最新の情報を参照することをお勧めします。 それぞれの、表の ”JPY”[バンコク銀行は"Japan(:100)"としてあり(通常のレート×100)で表記してます]の ”BankNote”のレートが、窓口で現金を両替する場合のレートになります。 なお、両替は、銀行によりかなりレートの差がありますので、幾つかの銀行で確認してからのほうがいいと思います。

   個人的には、タイ農民銀行が好きです。他の銀行が、朝に決定した為替レートを一日中使っているのに比べ、 タイ農民銀行では、その場で端末を操作して、その時の為替レートで交換しますし、 地方都市の他の銀行だと、1回1万円札5枚までとか制限される場合があるのですが、タイ農民銀行では問題なかったりします。

   銀行の口座は、パスポートの提示だけで簡単に作ることが出来ますが、外国人の口座には利子が付きません(銀行によるみたいです。バンコク銀行では利子つきません)。 200Bほどの手数料で、銀行のカードも同時に作れますので、大金持ち歩くよりは、ずいぶん重宝します。 その他、シティー・バンクのカードは、どこのATMでも使用できますが、いったん円をドルに換算し、それからバーツへという流れになるので、 レート的に不利な時があります。

   闇両替商などもあり、観光地では、ワゴン車で両替している所もあるし、ホテルなどでも両替できるのですが、 金額を誤魔化されたりする場合があるので、お金だけは、人まかせにしないように気をつけてください。

●タイの蚊

   蚊は、しゃれになりません。特に夕方から夜にかけて活動し、大きいものは、日本の2倍くらいの大きさで、 小さいものは、2分の1くらいの大きさのものまで、3〜4種類くらいいるみたいです。 なお、日本人は、熱帯の気候に慣れていない為、体温が調整がうまく行かず。多少体温が高めになるため、 タイ人と日本人がいっしょにいたら、間違い無く、日本人の方が蚊に多く刺されます。

   蚊取り線香(10〜15B)等も売っていますが、夕方からの外出は、虫除けスプレー(100B位)をしておくのがお勧めです。 また、タイでは、夜、寝るときは、蚊帳を張って寝るのが普通です。クラーをつけっぱなしにして寝てもいいけど、 朝方は冷え込むので、体調を崩しかねません。

●タイ語

   観光地以外や、スクンビット周辺から外れると、タイ語を使用するしかなくなります。 基本的に、日本語と文の構成が逆なだけで、タイ語では、動詞は前の方へ、修飾語は、修飾される語の後ろに付く、つまり、 日本語と考える順番が少し逆になります。 それ以外のものは、たとえば、動詞と動詞を重ねて意味を強調したり、動詞の意味を拡張したりする所など、 日本語とかなり共通している部分が見うけられ、多分、言語のルーツは同じではないかと思うのですが、 何故かタイ語学校のテキストは、 まったく異質の英語になぞって、タイ語を教えてくれ、タイ語の勉強をするつもりが、英文法も勉強できたりします。

   発声に関しては、1年程度は、しっかりと耳と口を慣らさないと難しく、 ドラマ(結構笑えるものもあり、レベルは高いと思います)や、 ビデオCD(正規版が200〜600Bで、海賊版が60B位から) を見ながら、口真似、音真似をして、意味など後回しで、とにかくタイ語に慣れて下さい。 耳には、音声以外の音をカットするフィルタリングや、 雑音の多いところでも聞き取りをするための辞書機能が付いていますが、 日本人の耳は、日本語にのみ対応しており、注意してタイ語を聞かないと、聞き取りが出来ません。 また、タイ語は喋るテンポが、日本語よりかなり速いので、車の事をタイ語では○○と言う、なんて事で覚えても、 会話について行けませんし、日本語で意味を考えている暇がありません。 とはいいつつ、まったく何の手がかりも無しに、赤ちゃんと同じように覚えようとしても、 3年以上は確実にかかりますので、音から引く辞書などを片手に、所々、調べながら聞き取りをすると効果的です。 最初はつらいと思いますが、タイ語に慣れてくると、タイ語が頭に残り易くなりますので、徐々に学習の効率が上がり、 タイ語を覚えるのが楽しくなると思います。

   参考までに、タイ語の電子辞書を公開している方が居られます。大変ありがたいことですぐに引けるので重宝しています。
  http://home10.highway.ne.jp/ikko/thaidic/thai_dic.html

   なお、ニュースは、舌を噛みそうな単語や、 若干難しい単語、地方名・人名などが出てきますので、かなり慣れないと聞き取りは難しいです。 ただ、いつ・どこで・誰が・何をしたという流れで、日本のニュースと同じように出来事を語っていますので、 多少、聞き取れなくても大まかな概要は掴めます。 また、南部、イーサン(タイ東北部)と、北部では、独特な方言を使用しており、一応、標準タイ語でも通じますが、 ニュースなどで、ローカルの話題をレポートするとき、その土地の方言を使っていますので、 そのあたりから、語を仕入れておくと、地方にいく場合重宝します(方言を使うと結構喜んでくれます)。

   また、タイ語の声調も、日本語でも似たような音の抑揚による変化があり(意識して使ってないので判りにくいのですが)、 日本語では、表記上の同音異語を解決する為に、表意文字の漢字を採用し、タイ語は、声調記号を導入したのだと思います。 蛇足ですが、言語の学習に年齢は関係無いと思います。英語なんて、中学校から勉強していますが、 満足に喋れるようになるのは少数です。結局は、実際にどれだけ会話をしたのかが言語を覚える決め手になります。 2年程、現地で生活し、タイ語で考え、タイ語で喋る習慣をつけなければ、満足なコミュニケーションは難しいと思います。

●タイの文化

   文化ってなんだろうかと考えてしまうのですが、例えば、「よく噛んで食べなさい」というのも文化からの派生で、 よく噛んで食べる事が習慣づいていれば肥満になることはありえません。 だから文化って、服装や建物などの形あるもの以外に、これらの、生活の習慣や、生き方など、 生活に密着した部分の形のないものこそ重要な気がするのですが、 タイと日本では、稲作を中心とした村社会で、多くの文化的な共通点がみうけられ、 日本人が失いつつある日本文化の良き点が、タイで息づいているように感じられます。 ただし、作物などの食べ物は、タイの方が圧倒的に豊かで、働かなくてそこそこに食べていけるので、 日本人なんかより、気持ち的に余裕があり、のんびりしていますが・・・・

   また、タイに来て驚いた事が、赤ちゃんのあやし方で、 ブランコみたいな揺り篭に入れて、これでもか、という感じで揺らすのですが、 プラトン(2,400年位前のギリシャの哲学者)の「法律」という本で、 「ごく幼い子供たちの身体と魂とを、夜となく昼となく、できるだけ守りをし運動させることが、 すべての子供たちにとって、とくにもっともちいさいものたちにとっては有益であり、そしてできることなら、 彼らがいつもまるで船に乗っているような状態で、暮らすのが望ましいのです。」 という一節があり、どうやってそれをするのか、ずっと心に引っかかっていたのですが、 まさに、このタイの伝統的なあやし方こそが、その答えだったのかと、感心してしましました。

   その他に、宗教観も、日本と似た自然崇拝がペースになっていると思われ、 日本では、八百万の神々ということで、仏教やキリスト教、あげくの果てにはサンタクロースまで、 すべてを飲み込んでしまっているのですが、タイでは、小乗仏教がメインではあるのですが、うまく共存しているようです。 だから、昔ながらの呪術などが盛んで、振られた相手に呪いをかけるなんて事もよくあるらしく、 呪い殺されるということもあるらしい (体調が悪いのでタイ人に相談したら、呪いがかけられているってんで大騒ぎした経験があります)ので注意して下さい。

   また、タイ文化は、儒教思想の影響も受けており、目上の人の前を通る時は、しゃがんで通ったりします。 敬譲表現も発達しており、目上の人を敬う感覚は、古い日本の感覚と同じような感じだと思います。

   なお、タイでの仏教は、日本の仏教とはまったく違います。 日本の仏教が、大乗仏教といい、より多くの人々を救うためという大義名文のもと、 教義を一般受けするものに簡素化したものであるのに比べ、発祥の地に近いという地理的条件と、経典が書いてある言語が、 タイ語に強い影響を与えており、経典の原文のニュアンスを、そのまま、読み取れるという強みがあるため、 より仏教が身近なものとなっといます。 たとえば、仏教の祝日などでお寺にいくと、お坊さんが経典の一部を朗読すると、 つぎに一般の人たちが、輪唱して、ということをしてますし、毎朝7時ごろから始まる托鉢も真剣です。 また、転生輪廻も本気で信じられているみたいで、 第二次世界大戦中の日本兵と、タイ人女性が恋をして、現代で偶然出会うなんていうCMが流されていたりします。 さらに、幽霊についても、特に悪霊は、大の大人が真剣に怖がっていたりします。

●ちょっと脱線

   欧米(特に米国・英国)は、宗教はユダヤから、文字はローマからのパクリで、 専門用語は、ラテン語由来、思想・政治・科学・数学は、古代ギリシャからで、まったくオリジナリティーの無い文化を形成しており、 さらにたちの悪い事に、 カエサル著・ガリア戦記(2,051年前くらいのガリア[現フランス]遠征の記録)に記されているように、 凶暴野蛮な人々で戦争好きの性格は時代を経ても変らず、中国で花火の為に発明された火薬を、戦争の道具とし、 大航海時代以降、世界中の文化や文明を破壊・搾取し、欧米こそが一番進んでいると、驕り高ぶっています。

  アメリカ大陸を発見したのも、コロンブスでも、バイキングでもなく、アメリカインディアンの筈なのですが、 欧米人以外の歴史の存在すら無視して、自分たちのいいように記述しているからタチ悪です。

   そして、欧米中心の世界観を、まったく相手の文化や世界観を考慮せずに押し付け、あげくに、それを美談として自画自賛しています。 その影響で、変に欧米の安っぽい考えに感化されて欧米偏重になり、自文化を無価値なものと思う人々が多く、 日本人が日本の事を言うよりも、外国人が底の浅い思考で見た日本の事を喜んで聞いて、 さらに深く考えもせずに安易に同調までしてしまい、 恥もなにもなく、自らの精神的な土台を、蹴り崩すようなことをしているのですが、 タイでも最近似たような、欧米偏重の思考をする人々が出始めており、何だか悲しくなります。

   また、愛というのは、相手に対する思いやりや労りの気持ちで、どちらか一方の気持ちの流れではなく、お互いの関係の中で、 相手を理解し信頼する事から次第に育まれて、信頼され愛されているという安心感で、心が満たされるような物こそが本物だと思うのですが、 キリスト的な欧米での愛は、どうも一方的な愛を尊重しているようで、それぞれの個の関係の中から育まれるものでなく、 神に従う主従の関係を形作る一方的な関係が基本となっており、 さらに、原罪などといっているのに、人の欲望をエネルギーにし、欲を煽る商業資本主義の社会システムを作り、 真面目さや、善良さを、人の欲を煽る事で台無しにし、自らの手で、罪を積み重ねるようなことをしています。 これではいつまでたっても正しい方向へ進めないような気がします。

   なお、豊かになればなるほど、お金を払えば何でも手に入るという感覚が、心を麻痺させるのか、 相手を認め理解しようとする事が難しくなるようで、 お互いに相手の立場にたって考える事が出来ず、自分の立場ばかりを主張する為に、 ちょっとしたことで行き違いや誤解から喧嘩をし、 不平や不満ばかりになるような気がします。

   そして欧米文化の最大の罪は、キリスト教の説く”神の前では平等である”という思想だと思います。 これが、どれほどの毒を世の中に与えたかわかりません。”人は平等である””男女平等”などと拡大解釈され、 広く流布されていますが、本来、人はそれぞれ長所や短所をもち、それぞれに違う性格を持っているからこそ、 集まって、それぞれにあった役割をすることで社会を形成している筈なのに、”平等”とすることで、他人との違いを認めない平均的な社会を求めようとし、 自分と他者は同じ(=平等)であると思うことで、相手を理解すべき他者であると思うことが出来ず、自分の延長線上でしか認識できないため、 他者を自分の為の物や道具としか考えられないようになってしまうのではないでしょうか?

   とくに、人と違うということで、本来ならそれがその人の長所だったりするかもしれないものなのに、 悩まなければならない、周りの人と同化しなければならない、 自分で考えたことも、主張も、周りに、無意識にあわせ、人とぶつかることを恐れ・・・・。 こんなことでは、健全な自己形成が、出来なくなってしまうような気がします。 まずは、自分と他者は違うということを認識すること、相手と立場が違えば、 同じ物でも、まったく別の物に見えます。その上で、相手との違いを認めることで、 より深く相手を理解できるようになるのではないでしょうか? そしてそのことにより、相手とのよりよい関係が築けるのだと思います。

●タイでのビザ

   ビザ無しの場合、30日間の滞在が認められ、30日毎に出国・入国を繰り返さなければなりません。 長期滞在する場合、取得が簡単なツーリスト・ビザで60日間+延長30日が便利です。

   なお、ビザの期限が切れても、タイに滞在した場合、1日のみの超過の場合は、温情で見逃してくれる場合もありますが、 出国時、超過した日数×200Bの罰金を取られますので注意して下さい。 ビザの更新・取得は、やはりマレーシアのペナンが便利で、日本で取得する料金より安く更新できます。 ビザの更新・取得には2日かかり、申請した次の日の朝一でビザをもらいに行きます。

   ビザについて詳しくは、タイ王国大使館の[領事部]-[ビザ]の所に詳しい内容が載っていますので参考にして下さい。