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その8【スチールガレージ考】

2002.3.26

 春になってもまだガレージができません。理由はただ1つ、「税金」です。私は自宅を新築したので、不動産取得税とかナンとかいうものを払わなければなりません。4月になれば通知が来ると思いますので、それまでは資料や雑誌を見ながら悩むことにします。

 詳細な計画はまだ(予算が決まらないから)ですが、私のチェイサーは独立した1台車庫に格納しようと考えています。2台用にするなら、間口の広いシャッター(高価)を選べば出し入れも楽だし、中でドアを開けるのも苦にならないでしょう。ですが・・・洗濯物を干されたり、子ども用の自転車が一緒に入ったりするのは、どうもね・・・。

 私にとってのガレージとは「専用の閉鎖空間」なのです。たとえ狭くても、質素でも、それだけは譲れない。なので、今回は1台用という条件で、各社のスチールガレージを比較してみましょう。

 とはいえ、サイズや仕様で膨大なバリエーションがあるので、私にとって現実的な条件で比較することにします。

 ○ 私の生活根拠地で比較的入手が容易なメーカーのものに限る。
 ○ ベーシックタイプでの比較とする(高級機種は除外)。
 ○ 基本装備を主に比較の対象とするが、オプションにも注目する。
 ○ サイズはチェイサーに最小限必要と思われる3b×5.8bを基準に、
  そのサイズに近いものをバリエーションから選ぶ。


【イナバガレージ】


GCX-180 3060×5700(o)標準屋根高
定価391,000円
 スチールガレージの老舗、イナバの製品はバリエーションの豊富さが特徴である。質実剛健で必要にして十分・・・悪く言えば「面白みがない」という、スチールガレージの基準になりうる製品群だと個人的に思う。オプション類も充実しており、それらを組み合わせることで自分好みのガレージに近づけることも可能。オプションの結露防止材をぜひ装備したいところだが、機種によっては標準仕様となっているものも。下の写真のように奥行きを延長できるタイプもあり、特注にも対応する。

《欠点かもしれない!》
 ○ 電動シャッターを付けると203,000円もかかる!
 ○ 巻き上げシャッターは、やっぱりうるさい。
《エエところ!》
 ○ 信用と実績は老舗ならでは。
 ○ 比較的容易に手に入る。
 ○ 実売価格はかなり安いみたい。(←非常に大切)


※1999年カタログ調べなのでデータ古いです

【TYガレージ】


GY-170 2900×5800(o)標準屋根高
500,000円(電動シャッター標準装備)

 物置メーカーとして有名な田窪工業所がガレージを出したのはいつの頃だったか。新参のメーカーがいつのまにか定番のメーカーになっていた。
 TYガレージの特徴は、柱構造(要するに外板の内側にフレーム構造があるということ)であることと、オーバースライディングタイプのシャッターを採用していることである。また、電動シャッターを標準で装備しているモデルをそろえていることも特色の1つといえる。結露防止材について単品のオプションはないが、ガレージのサイズによって30,000〜50,000円程度高で結露防止仕様を選ぶことができる。

《欠点かもしれない!》
 ○ 外板がとってもペナペナしてて、叩くと「ぶわわ〜ん」と情けない音。
  鉄板が薄いのか!?柱構造だから剛性を要求されないのか!?
《エエところ》
 ○ 電動シャッターが安い。オプション設定されているものでも10万円で付く。
 ○ オーバースライディングは速くて静か。
 ○ オーバースライディングは独自の設計で、補強棒なしで強風に耐える。
 ○ 実売価格はかなり安いみたい。(←非常に大切)


【スズキ多用ハウス】


BHM3060 3000×6000(o)
460,000円

 あのスズキが出してるガレージ。正確には「ガレージにも使える他用途ハウス」だ。素っ気ない外観は他社の物置系スチールガレージと同様だが、スズキハウスは軽鉄骨の骨組みを持つ本格的な構造なのである。経年変化により外壁が傷んでも、骨組みが無事ならリフォーム可能ではないかな?ということで、最も骨太なガレージ候補(笑)


《欠点かもしれない!》
 ○ 電動シャッターがオプションでも設定されていない。
《エエところ》
 ○ 頑丈な骨格による、圧倒的な安心感。
 ○ 結露防止材が標準装備。
 ○ シャッターケースも標準装備(雨の日に助かる)。
 ○ 実売価格はけっこう安いみたい。

【カスケードガレージ】


NS-2000 2940×5460(o)
358,000円

 カスケードガレージとは聞き慣れない名前だが、北海道ではかなりの実績をもつらしい。全体がリブ加工を施した金属板(という表現で理解していただけるだろうか)で構成されているのが特徴で、独立した骨組みは存在しない。つまり、昆虫のように完全な外骨格構造になっているわけだ。平板な鉄板よりも折り目を入れた立体構造の方が強いのは周知の事実だが、豪雪地帯での実績には説得力があるな。

 以前から気にはなっていたのだが、何しろ北海道がメインステージ。私の住んでいる南国では手に入らないとあきらめていた。ところがたまたま近場の展示場で発見。去る3/23に1時間ばかりクルマを飛ばして資料をもらいに行った。のだが、従業員らしきおねーちゃんが1人いるだけ。それも先客の相手で忙しいらしく、こちらには目もくれない。いいかげん腹も立ったので、勝手に展示してあるガレージをチェックした上、勝手に事務所に入り、勝手に資料を取ってきた。そういうわけで、十分なリサーチができていません。もらった資料もペラペラのカラーコピーみたいなの1枚だし。オプションも詳しくは載っていない。ほんまに売る気があるんやろか?

 ・・・売れてないんだろうなー。このあたりでは。もっと営業努力をしろ!大和工商リース株式会社よ!!そうそう、全国の取り扱いはこの会社。メーカーは別の所です。

《欠点かもしれない!》
 ○ カスケード構造のために、雨樋の設置が多分不可能。
 ○ シャッターケースが付いていない。
 ○ 電動シャッターは付くのかな?
 ○ 外板で全体を支えているので、窓等の開口に制限がある。
 ○ 結露防止材はないんだろうなー、きっと。
《エエところ》
 ○ 材の厚さに依存しない高強度構造。板厚は大したことがないと思うが、
  叩いた時の「硬さ感(変な表現)」はかなりのものがある。軽くて丈夫、なんだろうなー。
 ○ ちょっとシュール、というか面白い外観。お洒落、とはいわないけど。
  中も、独特の表情があるので、好みにはまる人には気持ちいいのでは。
 ○ 外板色にバリエーションがあるみたい。

《明らかに欠点だ!》
 ○ 取扱会社のやる気のなさ。
  地方ではマイナーブランドなのだから、いっそう努力が必要なのに、
  そういう考えはないみたいね。
  実際に建てたオーナーの口コミや、現物件が一番の宣伝になると思うのだが、
  このままでは展示場以外では見られない状態が続くかも。いや、きっと続く。

 ○ 定価が358,000円で、実売価格が358,000円
  (運搬費、基礎工事、組立費、消費税はもちろん別)。つまり、完全なる定価販売。
  いくら北海道での定価を多くのユーザーが知らないからといって、
  消費者をバカにしすぎている。北海道から全国に運ぶのに、そんなに経費がかかるのだろうか。
   だったら、私は買いません。たしかに優れた面も数多くありますが、
  価格も含めた競争力という点で、明らかに劣っているからです。優れた製品が、
  流通の不備によって消え去るということが過去の歴史の中でもありましたが、
  カスケードガレージがそうならないことを祈りましょう。

・・・やれやれ。期待していただけにカスケードガレージにはガックリきました。とはいえ、モノはしっかりしているし、実績もあるものなので、近くに誠実な取扱所があって的確なサービスを受けられる環境にある方なら、チャレンジしてみる価値はあるかもしれません。

 それにしても、どうしてスチールガレージってどれもこれもグレーやクリーム色なんでしょうね?せめてカラーバリエーションがあれば、少しは洒落っ気もでると思うんですが。ということで、次回は「オーダーメードガレージの巻(仮)」でお会いしましょう。

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