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その4【ああ、フェラーリ】

  周囲からは、「まだ早い」という声もありましたが、ローンの支払いを考えると早く決断する方が有利です。金融公庫の金利が底に近かったというのも追い風になりました。このまま何かを待っていても、お金が貯まるとは限りません。それよりも先に決断して、きっちり払わざるを得ない状況に自分を追い込むのが、私のやり方です。

  で、具体的に家の設計打ち合わせが始まりました。必要な部屋数や設備、2世帯で生活することを考えると、重量鉄骨3階建てに決定。設計を合理化したり、特注部品を使用しないことをリクエストし、可能な限り低コストに仕上がるようお願いしました。別に「豪邸」が欲しいわけではありませんから。私の好みとしては、内装材のない鉄骨やデッキプレート、配管もむき出しの「倉庫風」もお洒落で良いかな、安いし・・・と思いましたが、却下されました。まあ、怪我の心配もあるでしょうけどね。

  何だかんだで、新車のフェラーリが充分買えるぐらいのお金はかかったわけですが、30年ローンで売ってくれるショップなんてないですからね。でも、30年かかってやっと買えるのかと思うと複雑な心境です。

  私の21世紀は、ピー千万円の借金とともにスタートすることになりました。

いよいよ柱が立ちました。少しは家らしくなって、完成したときのことを想像したりしました。同時に、「払えるのかな、オレ・・・」とも思いましたね。「ま、建ててから考えよぅ」というのが結論。

周囲をシートで覆ってしまいました。ご開帳は完成の時に・・・ということでしばらくはベール越しに眺めることになります。ここからが、時間がかかりました。

ちらっとベールの中を覗いています。金属製の胴縁が張り巡らされています。ボルト締めや溶接箇所の数を考えると、気が遠くなります。こりゃ時間がかかるはずだわ。気長に待ちましょ。

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