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その2【転機】

  単なる駐車場が欲しいだけだった私が「ガレージング」に憧れを抱くようになったのは、1997年の夏。出張でK県にいた私は、ふと地元の大型書店に入りました。ある程度以上の規模の書店では、全国どこでも品揃えに大きな差はないのですが、地方で幼少の頃を過ごした身にとっては、「異郷の書店」は憧れだったのです。悲しい習慣ですが・・・。それはともかく、その書店で出会ったのが、ネコの「ガレージライフ」誌第1号だったわけです。

  ページを開いて、大きなショックを受けました。それまでもクルマ好きではありましたが、クルマ「だけ」で楽しむタイプだったのです。そういう方向で行けば、「高性能な方が偉い、高価な方が偉い」という話になりがちです。当然フェラーリなんて別の世界で、ひがみ半分に「オレには関係ない」なんて考えていました。つまり、私の楽しみ方にはライフ=「生活」という視点が欠けていたのです。

ガレージライフ誌で私の目を引いたのは、ガレージオーナーたちの「クルマとの生活を楽しむ」という姿勢です。好む車種や懐具合によってもスタンスは違いますが、それぞれが思い思いにライフを楽しんでいるのが印象的でした。

  現在の私にフェラーリを新車で購入するだけの経済的余裕はありませんが、それは別に恥ずかしいことではありません。それよりも、「フェラーリじゃなきゃ楽しめない」という狭い考えに閉じこもってしまう方が、ずっと恥ずかしい。基本的には「自分さえ楽しければいい(誤解を受けそうな表現ですか)世界」なんですから、本からはエッセンスだけいただけばいいと考えています。

  そんなこんなで、自分なりのガレージづくりを模索し始めました。

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