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  独断的漫画批評の部屋 椎名くんのリーズニングファイル


  3:漫画と事件のあらすじ(ネタバレに配慮)

注:できるだけネタバレをしないように配慮していますが、もしかすると、ネタバレになってしまうかもしれません。その辺りはご了承ください。
 また、当時のガンガン本誌が手元に無いためにコミックスを元に製作しております。  そのため、解説に限りがあります。ご了承ください。


 キャラクター紹介

椎名 央 (しいな あきら)
九星学園1年生
部活動:園芸部
得意なこと:推理
苦手なこと:運動全般
好きなもの:茶わんむし、りえ
 この漫画の主人公。
 特に付け足しているわけではない。コミックスにあったことを羅列しているに過ぎない。
 普段は弱弱しいキャラクターだが、事件になると顔つきも口調も変わってしまう。特にニヤリと笑った時の表情は要チェック!

榊 りえ (さかき りえ)
九星学園1年生
得意なこと:運動全般、カラオケ
好きなもの:しいちゃん(椎名くんのこと)、他人のトラブル
 この漫画のヒロイン。
 特に付け足しているわけではない。コミックスにあったことを羅列しているに過ぎない。
 九星学園の理事長の娘という身分。ただ、その理事長は第1話で殺されてしまうが・・・。
 もちろん、友達も殺されたりして、意外と薄幸の少女。

遠山 左吉 (とおやま さきち)
代官坂警察署警部補
 この漫画で出てくる数少ない警察サイドの人間。
 最初の事件以来、椎名くんをかなり信頼している。かなりお約束のキャラクター。毎回、決まって犯人の思うツボにはまるところもお約束。
 ただ、最終回には顔すら出せてもらえなかった。


 事件(ストーリー)リスト

File 0:遺言(前編)・(後編)
●榊りえは九星学園理事長の娘。しかし、学園の中で白骨死体が発見された。それとほぼ同時期に理事長も殺害される・・・。
 遺産相続問題に巻きこまれたりえ。遺産を解く鍵とされた魔方陣パズルに秘められたメッセージとは? その謎に椎名くんが挑む。しかし、そんな中、新たな殺人が・・・。
●椎名くんが世に初登場する記念すべき第1作。魅力的な謎と鮮やかな解決、ムードある状況設定、ユニークな名探偵、そして、切実な犯人の動機。すべてを兼ね揃えたこの漫画は読みきりを連載に導くのに十分だった・・・。
 なんか、どこかの文章にそっくりだが、こんなものであろう。 この頃はまだ連載されるとは思いもしなかった。

File 1:鏡
●椎名くんとりえはクラスメイト・霧島伊律子の飛び降り自殺を阻止する。しかし、命を救われた伊律子は何かにおびえていた。椎名くんの不安は見事に適中し、次の日、伊律子は密室の中で変わり果てた姿で発見された。警察は密室を理由に自殺と判断するが、椎名くんはそれに疑問を覚え・・・。
●ドアの内側からガムテープで目張りされた密室に椎名くんが挑む。
 難易度としてはかなり高め。その理由はヒントが少なすぎ。多分、話を1回分でまとめたために、話を詰め込みすぎたからであろう。もう少し話をスマートにしても良かったと思う。
 ただ、このトリックは・・・。名探偵コナンの20巻を読めば分かるハズ。詳しくは次項を。

File 2:兄妹
●椎名くんとりえは親戚に引き取られるという小学生時代の友人・小泉明美とホテルで再会する。そこで渡されたのは、三人の思い出のバーコードバトラーの中の1枚のバーコード。しかし、再会を喜ぶ間もなく、明美は自室で首吊り死体として発見される。警察は自殺と断定するが、椎名くんは、踏み台となったイスに不自然さを覚える。そして、残されたバーコードにも・・・。
●不自然な首吊り自殺に隠されたトリックを椎名くんが解き明かす。かなりよく出来たトリックのため、今後、盗まれないか少し不安。
 だが、この漫画に出てくる警察は、やたらと自殺説を押し付けるような気がする。それに、ちっとも現場に違和感を覚えないし。

File 3・4:ヴァイオリン(前編)・(後編)
●椎名くんとりえは学園の創立記念日に開かれたヴァイオリンコンクールの見学にやってきた。しかし、コンクールの最中にステージの上で演奏していた古屋幸彦が毒殺されてしまう。いったんは事故だと思われたが・・・。
●また、警察は犯人のトリックに引っかかってしまう。情けないことだが・・・。
 この事件はトリックもさることながら、犯人の動機の出来映えがいい。
 ただ、演奏中にニコチンで毒殺するとは・・・。気になる人は金田一少年の事件簿CASE3の下巻を読むことをオススメする。

File 5・6:幸運の館(前編)・(後編)
●椎名くんとりえは学園のクラブの一つ、フォーチュンクラブにやってきた。そこで出会った少女・東条茜は幼い頃・マスコミで騒がれた天才少女占い師だった。しかし、今では彼女の能力は衰えてしまっていた。そんな中、彼女の突然の不吉な予言が次々と現実のものとなり・・・。
●トリックとしてみればヒントが多くて意外と簡単かも。
 ただ、犯人の過去(動機)にはかなり感銘を受けた。占い師も楽じゃないものだと思った。余談だが、古畑任三郎にもエセ超能力者が出てたような気がするが・・・。設定としてみれば似てたかも。
 どうでもいいことだが、ホントに殺人事件がよく起こる学校である。それにまた生徒から死人が出ることになるし・・・。やはりこの手の漫画の学校はこうでなくては駄目なのだろう。不自然だが。
 あと、目薬を使ったトリックは知らないと難しい。ちなみに、自分は名探偵コナンの映画「14番目のターゲット」を見ていたおかげで気づくことが出来た。もっとも、順番としては「コナン」の方が後なのだが。

File 7・8・9:雪の別荘(前編)・(中編)・(後編)
●椎名くんとりえはりえのいとこである恵のペンションにアルバイトをしにやって来た。そこに訪れていたのは恵夫妻の大学時代の知人たち。そんな中、大学教授の興津が雪上で殺害された。しかし、彼の周りには被害者自身以外の足跡が無かった。容疑者はやはり、事件以降姿を消した浦沢亜紀なのか・・・?
●今回、椎名くんが挑むのは雪上の密室殺人。それにしても、密室殺人の多い漫画である。
 一応、これがこの漫画最後の事件である。どうでもいいことかもしれないが、作者・本誌の両方ともこの時点では終わる気は無かったようで、最初は1〜2巻で以下続刊の気配を見せていた。この話も、特に最終回を臭わせるような終わり方ではなかったし。いつの間にか全2巻になっていた。何かの陰謀であろうか?
 もう一つ言うと、この話を読む前に、コナンの20巻を用意しておくことをオススメする。まるっきりというわけではないが、かなり類似している。是非とも用意して欲しい。


 トリックの解説は次項に回す。かなり見所多し。期待してもらいたい。ただ、文字で解説するのはかなり苦労するので、一部だけにする。ご了承願いたい。

 


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