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  独断的漫画批評の部屋 椎名くんのリーズニングファイル


         2:どこがそんなにおもしろいのか


 この漫画はいわゆる
ミステリーコミックである。

 このミステリーコミックというジャンルは金田一少年の事件簿や名探偵コナンで一躍有名になった。2匹目(3匹目?)のどじょうを狙って、多くの漫画誌が後を追いかけ、倒れて行ったことはかなり有名である。この漫画もそのうちの一つ。

 コミックは全2巻。連載期間は半年にも満たないという短命の漫画だったが、起こった事件は全部で6つという、かなりまとまった内容に仕上がっている。

 最初の事件(読みきり)はトリックらしいトリックはあまり無いのだが、他の五つの事件はどれも非常に良い出来。ただ、出来が良すぎたために、とある悲劇が訪れてしまうのである。その悲劇は後述するが、かなり意外である。


 また、この作品の凄いところは、漫画を書いてる
作者自身がトリック及びストーリーを考えているところであろう。普通はトリックを考える人が別にいる物だが・・・。それだけ作者の能力が優れていたのか、単にエニックスの人手不足・賃金不足なのか。

 おそらく、この漫画が打ち切りになったのは作者のネタ切れのためであろう。 (聞くところによると本当にネタ切れらしい。)


 また、絵はいかにもエニックスらしいといった絵で、安心して見ていられる。

 ただ、キャラクター設定としては高校生の主人公とその幼なじみをヒロインという、この手の漫画では非常に良くあるパターンなのだが・・・。

 ちなみに主人公は、普段、妙になよなよしいが、事件になると目つきも口元も変わるというキャラクターでそれなりに個性的。数多の漫画があるとはいえども、主人公の入っている部活が園芸部という漫画はこの漫画ぐらいであろう。 ね、個性的でしょ。
 ただ、事件を推理し始めるとやたらと自問自答を繰り返す様はまるで、どこかの元高校生の小学生にそっくりなのだが・・・。
 残念ながら口癖は特にない。あれば、それなりの指示を得ることが出来たのだろうが・・・。まあ、下手に作り出して逆効果になってしまうよりはマシであろう。


 さて、ここからが本題である。この漫画の面白い理由。それは使われたトリックである。


 この漫画に出てきたトリックをいくつか紹介していこう。

・ガムテープで目張りされた密室の中での殺人事件。
・犯人の足跡のない、雪上の殺人事件。
・演奏中のニコチン毒殺。

 推理漫画好きの人ならわかると思うのだが、見たことのある設定ばかりである。

 上の二つは薬を飲んで小学生になってしまった高校生の漫画ででてきたトリックだし、
 一番下は有名な探偵を祖父に持つ元祖高校生探偵の少年にでてきたネタ。

「―――やべっ! エニックスとはいえ、そんなのよく連載できたな!!
と思う方もいらっしゃるかもしれない。

 ただ、それは大きな勘違い


 データベースにも書いたことなのだが、この漫画が連載されていたいたのは平成9年まで。
 一方で、上記の漫画でそのトリックが出てきたのは平成10年―――。

 そう、明らかにこちらがパクられているのである。

 これが、この漫画の悲劇。

 金田一の場合は設定が似てるだけで、トリックは別物だけれども、
 コナンの場合はかなり類似している。特に、一番上のトリックは全く同じ。

 やっちゃいましたね。盗作ですよ。
 小説のネタを漫画にするのならまだしも、マイナーな漫画からメジャーな漫画が盗作をはたらくとは・・・。作者が可哀想に思えてくる。


 悲劇の詳細はネタバレするので次項以下に回すが、
「コナンのトリックはすごい! これを考えた人は相当賢いんだろうな。」
 と、鵜呑みにしている方には是非読んでもらいたい。


 しかし、ここに大きな問題がある。

 この漫画がかなりレアだということである。自分もつい先日、やっと手に入れた漫画だ。
 秋葉原駅のすぐ傍のK−booksに2巻が1冊だけ置いてあったので、今ならまだ間に合うかも・・・。
 まだ絶版ではないので本屋で注文すれば手に入るかもしれない。 (どうやら絶版になった様子)

 ミステリー漫画好きの人は是非とも手に入れてもらいたいものである。

 それが面倒な人はどうぞ、ネタバレ覚悟で読み進めて欲しい。
 この漫画の悲劇がわかってもらえれば充分なのだから。

 


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