アーケード版(TAITO typeX2) |
2009/04/10稼働 |
SNKプレイモア |
PS3版 |
7,140円 |
2009/07/16発売 |
XBOX360版 |
7,140円 |
全てのドットを書き直した新生KOF第一弾。
これまでの「ドットを一部修正や改良などをして翌作に使い回し、たまに描き直し」という所から脱却し、ネオジオ基盤の頃から続いたいわゆる「見慣れたドット」を撤廃して、高解像度のドットに一新した新時代対応型KOF。
「拳と拳のぶつかり合い」、つまりは殴り合いの楽しさに重点を置いた新システム「相殺」、「ガードアタック」、「クリティカルカウンタ−」を搭載している。
また、今作は2003から始まった「アッシュ編」の位置付けではなく、ストーリーやエンディングなどが存在しない特殊な位置付けである。この事や大幅な改革、TAITO
typeX2という新基盤で始めて作る2D格闘ゲームという事などが合わさって、ATOMISWAVE基盤の第一作だったKOF NEOWAVEのような「実験作」という見方もあるが、それを否定できない部分も確かにある。
ストーリーが存在しない代わりに、タイムトライアル形式となっており、相手チームを倒した後に「このタイムで良いか」という選択肢が発生し、気に入らなければ同じステージを再トライできるようになっている。全5ステージと少ないので、練習をしたい場合は再トライを選択するのが良いだろう。
今作は「革新」と「原点回帰」という面が色濃く、新システムや高解像度のグラフィックの目新しさの中に、かつてのSNKの香りがあるという懐かしさがある。
前作にあったクイックシフトは存在せず、3or3の勝ち抜き戦という'94と同じ方式に戻っている。
・新システム
「相殺」は強攻撃・必殺技・超必殺技のいずれかがぶつかり合った際に発動する。
発動するとその技を打ち消し、何も入力しなければバックステップに移行する。レバーを前や上に入れておくとダッシュやジャンプへ移行する事をはじめとして、攻撃や必殺技などでバックステップをキャンセルすることができる。
相殺は空中でも発動し、また相殺発動後はお互いの体力が相手の攻撃力応じて若干減少する。
龍虎の拳のように、飛び道具に対して強攻撃で相殺を発生させる事で打ち消すといった使い方も可能。今作では画面上に飛び道具を2個出すことができるので、相殺して近づくのも重要となってくる。
「ガードアタック」は、当て身投げならぬ当て身吹っ飛ばし攻撃。
←+CDを入力すると、入力直後から上中下段の区別なく打撃技に対する当て身判定が発生する。
当て身に成功するとふっ飛ばし性能を持った攻撃をおこなって相手との距離を離す事ができる。また、当て身終了後も攻撃を繰り出す。ただし失敗した際には隙が大きく、また当て身判定発生中は投げに対して無防備。
「クリティカルカウンター」はクリティカルカウンターゲージがMAXになった際(体力ゲージ周辺が緑色に点灯)、地上の相手にクリティカルカウンター発動技でカウンターを決めると発動する(大抵はレバーニュートラルの立ちC、クラーク、キム、デュオロンのみ立ちD)。
ゲージは溜まると同時にMAX状態となって時間とともに自動で減っていくので、ゲージが切れる前に発動のチャンスを狙おう。
発動中は通常技や必殺技などでコンボを繰り出してラッシュをかけることができる。
発動中に通常攻撃をヒットさせると自動でダッシュして間合いを詰めてくれる。
一定時間経過や一定ヒット数を越えると、赤と緑のサークルエフェクトが発生してカウンター終了となる。
また、発動直後に超必殺技を出すと特殊演出に変わって威力が増大する。
クリティカルカウンターゲージの増加量は「攻撃を食らう>攻撃を当てる>攻撃を防御する>攻撃を防御させる」の順に大きい。追い詰められている方が若干溜まりやすいため、発動からの一発逆転が狙える。
コンボを組み立てて戦う事も可能だが、そういうのが苦手な人は単純に強攻撃連打でも自動ダッシュで間合いを詰めてくれるのでCやD連打からの必殺技で締めという事もできるし、発動即超必で威力が高くなった特殊超必を決めるというのもありだろう。コンボに失敗して技を外してしまうよりも、「確実に超必を決める」というのも充分立派な戦術だ。
これらが先程の「拳と拳のぶつかり合い」を意識したシステムであり、「殴り合いに勝った場合」がクリティカルカウンター、「殴り合いに引き分けた場合」が相殺、「殴り合いに負けそうな時」がガードアタックといった風に、より殴り合いの楽しさを追求したシステムとなっている。
・新キャラ
完全な新規参戦キャラは、餓狼伝説よりライデンのみ。
ただし、XIでアッシュに力を奪われた庵は八稚女以外全てが新技となり、またケンスウも龍顎砕以外が全て新技、ラルフもバルカンパンチ以外は総入れ替えとなっている(ギャラクティカファントムは残っているが性能が従来とはまったく違うのでほぼ新技)。チンに至っては全技入れ替えの上に2種類の構えを使い分けるというキャラに変更されている。
・改革に伴う不安や不満の声
ドットを書き直すのに時間が掛かりすぎて前作であるKOFXIから3年半も空いてしまったため、ファンの間では本当に発売できるのか、こんなに時間を掛けて大丈夫なのかという心配の声も上がっていた。
また、キャラクターがAC版で20人という「格ゲーとしては多いが、KOFとしては少なすぎる人数」であり、ドットの新造と同時にキャラクターもがらりと変わり、また1キャラ辺りの必殺技も平均4.7個と従来作品の半分以下となっている。
SNKプレイモアも、この「いつものKOFではない」という事に対して不満を持つユーザーがいるであろう事は予想しており、インタビューでも「高解像度で動かしたいのはユーザーの半分強、残りは従来のKOFを正当進化させた物を求めている」と答えている。そういったユーザーへの回答として、シリーズ中でも評判が良かった「KOF98」と「KOF2002」をそれぞれ「KOF98
ULTIMATE MATCH」、「KOF2002 UNLIMITED MATCH」という「UMシリーズ」としてリメイクし、大幅なキャラや技の追加・改良をおこなっている。今後もUMシリーズは続けるということで、従来の大人数と多彩な技のネオジオ型KOFと、KOFXIIをベースにして広げていく新生KOFの両路線で展開していくようだ。
なお、PS3とXBOX360で発売される家庭版では最低2人のキャラ追加が行われる事が解っている。
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