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■Shall we Dance ?

B00067HDVQShall we Dance ?(初回限定版)
リチャード・ギア 周防正行 ピーター・チェルソム
東宝 2005-10-28

by G-Tools

美しい妻と娘との生活にちょっとギクシャクしたものを感じていた中年男性が、通勤途中の電車から見えたダンススクールの窓辺に佇む美しい女性にひかれ、スクールの門を叩く。
そして踊ることの楽しさに目覚めた彼の退屈な日々はイキイキと変化していき…。


日本語版にかなり忠実な展開(違うのは奥さんとの関係くらい?)なのに、見事に「アメリカ映画」になっているのに驚きました。
話の筋はほとんど同じなのに、ちょっとした受け取り方の違い・表現の違いでこんなにも違うものなのですね。
悪い意味でなく、とても自然で素直に楽しめました。

以下、ちょっぴりネタバレ入っておりますのでご注意!

***

少しずつ感じる『違い』から改めて日本版の良さも見えて楽しかったです。

ちょっとお疲れ気味のサラリーマンと社交ダンスという全く関係のない両者が結びつくからこその面白み。
どこか寂しげな美しい女性にほのかな憧れを秘めて近づいてはみたけれど、声をかけることもできないシャイがあるからこそ生まれる触れるときのドキドキ感。
夫の思いがわかりすぎるほどにわかってしまうから、やりきれない悲しみを覚える妻の切なさ。
どれもとても繊細に作り込まれた表現だったんだなぁと、改めて日本版が好きになりましたよv

話を元に戻して、本作について。
とりあえず思うのは「リチャード・ギアはくたびれた中年男になりきれてない」なーんていう批判は的外れだなぁと。
だって、そんな役じゃないですもん。
まず職業が弁護士よ弁護士!!いくら日本と違って溢れかえっているとしたってそりゃ、花形職業ですよ。
綺麗な奥さんに可愛い娘。職場ではみんなに好かれているチャーミングな男。なんの不満もない生活なはずなのに・・・何かが足りない。
そんなとき、電車の窓から見上げた先に美しい女性を見つけるんですね。

で、一番変わっているのは奥さんの設定。
ばっちり働いていて自分の世界を持っていて、しかし家事に手を抜いているわけではない。探偵さんも思わず惹かれてしまうほど魅力的。
スーザン・サランドンはさすがの演技で素敵でした。

日本版のこの夫婦が「ああ、なんだかわかってしまうなぁ」という静かな絆を確かめ合うのに対し、この二人の関係は正に「アメリカ的理想の夫婦」を体現してるんですよね。
でも、それが意外と嫌じゃなかった。
スーザン・サランドンの『お互いを見守るために結婚する』のくだりはこの映画で一番じーんときたところでしたから。
そして、タキシードで薔薇持ってるリチャード・ギア格好良すぎですからー!!!
そりゃ日本版と違うよ。大違いだよ(笑)
でもそれはそれでいいんじゃないかと。全く同じである必要はないと思うし、楽しめました。
EDはすごいなオイ(ラブラブっぷりが)とつっこみましたが。

草刈さんの役どころのジェニファー・ロペスもダンス格好良かったですね。
ああでも、ダンスって本来官能的なものなんだなぁと思いましたが。
日本版だとワルツ一本。手と手が触れ合う瞬間、どこか神聖な緊張感とときめきを感じる・・・みたいなのがタンゴでめっちゃ情熱的に踊っていたり、腰に手が回るだけでエロティックだったりしました(笑)
さすが。

こうなると、草刈さんをあの役どころにもってきたのも配役の妙だったなと。
バレエってすっごい厳しい世界で、コールド(脇の群舞)とキャラクターの濃い〜役と『王子様・お姫様』ってぱっきり分かれています。
自分を律して律して数々の『お姫様』をこなしてきた人だからぴたりとはまっていたんでしょうね。

あ、また話それちゃった。
もう一言だけ言いたいのは・・・
竹中さん役の人は気持ち悪いっつーより、充分セクスィーな素敵オヤジだった。 
なんだそれー!職場の人の反応がわからん・・・アメフトの存在意義とか社交ダンス=ゲイっぽい?みたいな通俗観念がわからないのが惜しかったです。
あんなオヤジが職場にいたら、普通に大喜びですが。格好いいじゃーん!(笑)セクシーキュートだよ。

というわけで、文化の違いは当然感じつつもほのぼの楽しめるエンタメ作品だったと思います。
ダンスシーンは特に『やはりラテンは真似できませんわ!』と降参したくなるノリで見ごたえありました。
見終わったときに、にっこり微笑んで思わずあの曲を口ずさみながらスキップしてしまうかんじでしたよ♪(笑)

2006.04.02 記

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