■イン・ハー・シューズ友人と『イン・ハー・シューズ』(公式サイト)観に行ってきました。 地味だけどすっごく良かったよ〜!! こういうハリウッド映画がもっと増えれば良いのにね。 個人的に「ブリジット・ジョーンズ」よりこちらの方が俄然『30前後・独身・働く女性』にオススメ。 姉妹のどちらかには感情移入できると思うので。 *** 自由奔放・ゴージャスなルックスでありながらも、難読症で実は自分に自信が持てない妹・マギー。 真面目な弁護士・社会的には成功を収めながらも、外見にコンプレックスを持っている姉・ローズ。 奔放な行動で義理の母親に実家を追い出されたマギーは、姉のローズの部屋に転がり込む。 しかし、ある事件をきっかけに姉妹の仲は決裂。 マギーの身勝手さに耐えかねたローズにも「出て行って!」と追い出されてしまう。 折しも、祖母が自分達を気に掛けていたことを知ったマギーは、祖母を訪ねていくことにするが・・・・ *** 以下ネタバレちょっと込み感想。 ■マギーについて 『若さの賞味期限は長くない』 おう!痛いお言葉(笑) ゴージャスなルックスのマギーには、キャメロン・ディアス。 その長〜いお御足や、筋肉質なお尻をおしげもなくさらしております。 カッコイイ!! しかし、男に奔放で仕事も長続きせず、家の引き出しからは金目のものをくすねる始末。 そんな自分に苛立ちも感じなんとかしたいとは思っているものの、難読症がコンプレックスで上手くいきそうだった職探しにも失敗。 唯一の理解者である姉にも、取り返しのつかない仕打ちをして追い出されてしまう。身から出た錆なんですが。 正直言って、自分からはかけ離れている・・・共感できないタイプ。 最初は、「キャメロン・ディアスってこんなに可愛くなかったっけ?」と思うほどの肌の悪さに化粧の濃さ。 けれど「自分にできることがわからない。外見でしか周りが認めてくれない」苛立ちは、とても良くわかる。 そして、居場所がなくなって向かった祖母の住むフロリダでマギーは変わり始める。 この変化が、いかにも「変わった」と簡単に行くわけではないのですよね。 祖母の戸惑い。奔放に振る舞い続けるマギー。 しかし、祖母の友人達の働きかけや祖母に言われ始めたバイトの中で、少しずつ少しずつマギーの中に変化が起きる。 目の見えない元教授に、たどたどしいながら本を読むマギー。 読み終わった詩についてどう思ったかを聞かれ、マギーは自分の感じたことを言葉にする。 「君はとても賢い女性だ」 そう言われて、嬉しそうに買い物をするマギーは本当に可愛い。 外見ではなく中身を見てくれる人。 自分を必要としてくれる人達。 彼女の居場所が、そこにはあった。 そんな日常が過ぎていくなかで、観ている私たちもふと気付くのです。 ほとんどお化粧もしていないマギーが、いつの間にかとてもキュートで美しい女性に見えることに。 自分のできること・やりたいことを見つけ、姉のために行動する。 結婚式で詩を読み上げるシーンは、涙なしには観れませんでした。 ■ローズについて どちらかと言うと共感できたのは、こちらでした。 弁護士として成功しばりばり仕事はこなしているものの、ルックスに自信のない姉ローズ。 唯一の愉しみと言えば、ロマンス小説を読むこと! うーん、共感だ(笑) しかし、そんなローズにも恋の兆しが!? だがローズには、彼女曰く「悪魔のごとく災厄をもたらす」妹がついております。 何もかもぶち壊されたローズは、ついには妹を追い出してしまうのでした。 そりゃ追い出すだろあれじゃ。(大共感) 意気消沈し、仕事をやめ、犬の散歩のバイトを始めるローズ。 ・・・けれどそこで、今までは見えてこなかったものが見えてくる。 身体を動かして階段を駆け上がる喜び。 気にも留めていなかった、元同僚の男性の魅力。 そして、どんなに駄目な妹でも誰より愛していること。 真面目な優等生を演じ続けてきた、無理をしていた自分を失って初めて、ローズは自分らしさを取り戻していく。 この法律事務所をやめてからアプローチしてくる元同僚・サイモンがまた良いんですよー! 弁護士だけにうんちく好きなんですが、食へのこだわりが半端ではなかったり、バスケットボール観戦に行って激論を交わしてたり、ロマンス小説を蕩々と朗読してみたり、変わっているけどお茶目。 結婚式では、とってもハッピーな気持ちになれましたよ♪ ローズの妹への思いの強さには泣けました。 『姉』だから背負っていた辛さも含め。 ■その他の人々 祖母のエラを含め、お年寄りの皆さんがとっても素敵。 マギーの成長には欠かせない存在でした。 そして、その祖母が抱えている悲しみ・・・それが、マギーとローズの母の死です。 二人が小さい頃に、交通事故で亡くなってしまっている。 そして、父親は再婚しておりその義母がまたひどかったりとなかなか家庭環境が複雑。 『恋愛モノ』というよりは『家族愛』の方が強く出ているかもしれないですね。 ■『靴』の魅力 題名にもなっている『靴』が各所に登場します。 オープニングで、 『挑発的なピンヒールで男性に足を絡めるマギー 戸惑ったように男性の前で足を止めるローズ』 がカットインするのは、それだけで姉妹の違いが際立ち、お洒落でワクワクしました。 片っ端から靴の試し履き。どれも似合ってしまうが、どれも自分の一足ではないマギー。 一度も履いていない高価な靴をクローゼットにしまいこみ、眺めるだけで満足しているローズ。 この映画では、『靴』は自分らしい幸せの象徴なのですね。 ハイヒールではなく、コンバースでフロリダに降り立つマギー。 大切な靴で、ウェディングロードを歩くローズ。 二人の見つけた自分にぴったりの靴=幸せに、見終わった後も感動が尾を引きました。 ■最後に 実は久々に1800円払って観ました。 いつもは試写会かレディースデイ利用。 けれど「観て良かった〜!!」と爽やかな感動に満たされて映画館を出ました。 派手さやわざとらしさのない、等身大の映画だと思った。 ぜひ女性の方に観て欲しいなと、素直におすすめしたくなった作品です。 姉妹がいる方や、友人同士、観て感情移入して感動できるんじゃないかと思います。 公式サイトにあった、 傷つき、すりむきながらも自分にぴったりの靴=幸せを見つけようと懸命に歩く女性たちを、熱く讃える作品でもある。 に思わずそうかそうかーと感動しました。 それだけじゃない映画だと思うんですけどね。 うん。良い映画観た!! 2005.11.02 記 |
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