■8人の女たち
これまた『Producers』特集でT○UTAYAに置いてありました。 サスペンスっぽいのになぜミュージカル特集の欄に!? と思っていたら・・・・ 確かにサスペンスっぽいんだけれども、突然歌って踊り出すんだよー(笑)!!! しかも、『シカゴ』なんかのようにおされ〜なかんじではなく、おそらくフランスでは知られているだろうシャンソンに合わせて微妙にコミカルに身体を動かしちゃうわけです。 カトリーヌ・ドヌーヴがですよ!?(驚) しかしその微妙〜なかんじがたまらなく好きだった(私は) 良いかんじに力が抜けておりました。 サスペンス自体はわかりやすいヒントが隠されていて大体犯人の想像がつきます。 殺人のシーンなんかも、わざとリアルではない舞台っぽい演出がされている(どごーんと雷が鳴ったりレトロなかんじ)のでそこが主眼ではないのですねつまり。 雪に閉ざされたお屋敷の中で8人の女達が「犯人はこの中にいる?」「そういえばあなた、あんなこと言ってたわね」「あなたこそ、お金に困っていたじゃない」「実はあの人達、こんな関係が・・・」互いに探りあい、ぼろぼろと明らかになっていく秘密やトラブルにこっちはハラハラドキドキしてしまうわけですよ。 うえー!っという百合関係(笑)もあったりするのでなかなか読めません。 女同士のどろどろが面白い・・というよりは、どこか哀しさや切なさを感じて共感してしまう。愛おしいなぁと思いながら見てしまいました。 これ絶対!女性が見た方が面白いと思う。 お話だけでなく、衣装やセットもとても女性好みでわくわくします。 まず持ってお屋敷が!!!! 色んな色が溢れているのにめちゃめちゃ可愛いのですよ。素敵。 壁の色もカーペットもソファーにおかれたクッションも全て計算し尽くされた世界です。 あああ、こんなところに泊まってみたい・・・と憧れてしまう。 そして衣装も8人の女性それぞれのイメージにぴったりでとても素敵です。 ちょっと昔のディオールを意識したと言っていたような・・・(曖昧) 色もはっきりしたものが割振られていて、おかげで8人の役柄が自然に把握できる。 えーと、こういう何人もいっぺんに出てくる映画って登場人物を把握してストーリーに入り込むまで大変じゃないですか??(私はあまり覚えられない) でも、この映画では 「久々に実家に帰ってきた長女はほっそりと絞られたウエストからふわりとスカートが広がるピンクのワンピース」 「ちょっと男の子っぽい生意気な次女は黄緑のパンツ」 「しっとりと熟女の魅力溢れる母は紫の身体のラインが見えるドレス」 と人物のイメージと色や形が一緒になって入ってくるので、役柄を把握できないということがありませんでした。 これ、いいなぁと思っていたらかなりこだわって衣装がつくられていたようですね(DVD特典での製作過程より)。靴だけを見ても、「あ、これはあの人だろうな」とわかりますよ。 見事に成功していると思いました。 はまる人にはぴたりとほまると思う映画でした。 私は好みだった・・・ 恩田陸『木曜組曲』を少し思い出す設定。 元々が舞台だというのが納得できる出来だったので、そういった系統のものが好きな方にはオススメですv 2006.05.07 記 | ||
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