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■ファイナルファンタジー12


B000EOVS08 ファイナルファンタジーXII
スクウェア・エニックス(*公式サイト) 2006-03-16


*今回の感想は辛口仕様になっておりますのでご注意ください。

あらすじ * 感想 * キャラ語り * 最後に

◇あらすじ

来るべき戦乱に備え、周辺諸国に次々と侵攻し支配下においていくアルケイディア帝国。
ダルマスカ王国も、現在は帝国の支配下にあった。

侵攻から2年、先の戦乱で兄を亡くした若者・ヴァンは執政官就任の宴に乗じて、宝を盗み出そうと一計を案じる。

しかし、そこでダルマスカ王女・アーシェと出会うことにより彼の運命は一変。
イヴァリースを揺るがす戦いの中に、巻きこまれていくことになるが・・・


◇感想

システム周りは、さすがFFと言うしかない出来。
特に問題にする点が見当たりません。もう快適快適。

シームレスな戦闘、エリアが切り替わる前に透けて見える向こう側の景色、細部まで描き込まれた背景、細やかに入れられた音(敵が近づいてくる音や、水音が遠ざかるなどとてもリアル)、ゲームもここまで来たかと唸ります。

ムービーも本当に凄くて美麗でねぇ。すごいリアルさだ(→それが萌えにつながるとは限らないが)

がしかし、これと言った欠点はないのに、終わってみてすごく微妙というか、何も残らなかったのは何故なんだろう。

不思議、自分でも本当に不思議。

ED見た後は正直、「時間返してくれ!」と怒りに震えたくらいでした。
今は落ち着いているので、大丈夫ですが(えー)

ホント不思議なので、ちょっとひとつずつ検証してみよう。

1.ストーリー
ストーリー展開が悪かったとは、思わないんですよね。

強大な力を持つ帝国、その支配下に入った王国。
圧倒的な力で世界を動かそうと目指す指導者と、自由を取り戻そうとする王女。
その下に集まるキャラ達がそれぞれのしがらみを抱えていて、いくらでも味付けできそうな美味しい設定。
テーマもはっきりしていて、お堅いと言えばそうですがそれが悪いわけではない。

でもなんだろう、特に『感動』はなかった。
あとは料理するばかり!となった所で放り出されてしまった材料がいっぱいだったように感じた。

唯一感動したシーンは、大灯台の上でレダスのおっさんが頑張るシーンでした(笑)
こういう真正面からのイイ話が、もっとあっても良いのにな・・・(しょぼん)


2.キャラクター
これまた、みんな良い人で好きなんですよね実は。
ヴァンもパンネロもアーシェもバッシュもバルフレアもフランも大好きだー!
ただ逆に、みんなまともで良い人すぎて言うことない。
個性がないというのともまた違うんですが・・・

結局、一人一人の掘り下げが足りないんじゃないかと思う。
欠点とか弱みだとか、そう言った部分があまり描かれないのでなんとなく深く共感していけないのかなと思った。

ムービーが細かいだけに、表情や動き等で全てを語ろうとし過ぎて内面的なものがあまり出てこないように感じた。

ジャッジの面々の描写の薄さや、準メインキャラの存在の薄さは本当に勿体ない。


3.戦闘
フィールドを歩いているとそのままシームレスに戦闘。
仲間はガンビットシステムで命令通り、自動的に動いてくれます。

たぶんですね。
唯一はっきりしている、原因がここに。

戦闘が、楽だけど、つまんないよオイラ。

あ、敵がいるなーと思ってさわさわーっと近づくと皆勝手に攻撃し始めていつの間にか戦闘終わっている。
レベル上げなんかはとっても楽です確かに。
コントローラーで左スティック動かして、右手で鼻ほじってて良いです(笑)
でも、楽しくなかった。
何やってるんだろう私・・・と虚しさを感じてしまう。

でもこれ、人それぞれなんだろうなぁ。
ガンビットの使い方も、攻略サイトさんを見ると「おお、なるほど!!」みたいな組み合わせがあって奥深いんだなと後で思いましたから。
ただ、私は敵がいれば戦ってしまいマップはくまなく歩きたいタイプなので、自然とレベルも上がりガンビット回復以外いらない勢いで進められ、味気なく感じたんだと思います戦闘。

だって、めちゃめちゃ広いんだよワールドマップ。
ただひたすら歩いてるだけで「ああもう今日時間ないから終わろう」って電源切ったりしてました。

***

結局、だだっ広いマップと単調に感じる戦闘が合わなかったみたいですね私は。
もやもやっとしてたものが、整理されてハッキリしてきた。

特に欠点があるわけではない。
むしろゲームとしての完成度は高い。
けれど、熱く燃え上がるものはなかったな。


というのが最終的な感想です。

やり込み好きとか、戦略考えてバシっとはまると爽快!という方には面白いんじゃないかと。
逆に、ストーリーの感動を求めていくと手痛いしっぺ返しをくらいます(笑)
ストーリーが悪いわけじゃないけど、ドライなんですよね。


◇キャラ語り

■ヴァン
主人公。街中を歩くのは彼なので間違いなく主人公。
・・・なのですが、途中から主人公である意義はなくなってます。
途中ですっぱり悟って、お兄さんのことを昇華して、明るいムードメーカーになってます(笑)

素直で明るく、思い切りも良い!
とっても良い子。可愛い。
・・・それ以上でもそれ以下でもない。


■パンネロ
ヴァンの幼馴染み。
二人でじゃれ合う様子が子犬のようでめっさ可愛い。

顔も可愛いよなぁ。優しくて良い子です。
なんでついてくるかわからんですが。

ヴァンへの好意?かとも思うんですが恋人同士になる気がしないこの二人。
むしろラーサー×パンネロのがあり得る。
ラーサーはお坊ちゃんに見えてやるときゃやるよ。
さっくり大きくなったら迎えに来そうで良いよ〜!
ヴァン全然気付いてくれないよとやきもきしていたら、王子様が迎えにくると良い。

・・・なんて言ってたら、
こんなもの発見(・・・)

ヴァンとパンネロ主人公の続編(空賊編)て!!!

なんつーか、FF10-2やKHのCOMとはワケが違うよこれ。

主人公が主人公じゃなかったので、もうひとつゲームつくってみました。みたいな。
少なくともそのゲームを通して、もっともっとこの世界が知りたい!という気にはない。

そんなの必要なほど人物描写削るなら、SWちっくなドンパチムービーなんてひとつもいらんわボケェ!!!
と思わず毒が出まくってしまったああああ。
だってほんと、戦争シーンなんかより知りたいことがいっぱいあったのに。

駄目だ、ED迎えたばかりでこの情報は脱力よりも怒りを誘発されました。もちろん買うわけはない。


■アーシェ
王女様。真主人公(笑)
最後に「あなたは何者か?」という問いが彼女にされるところで、ああやっぱりこの物語の主人公はアーシェだったんだな。と思いました。
むしろ、彼女を軸に据えて「FF初女主人公」にしてくれれば良かったのにとさえ思う。
元夫への想いや、あの人(*ヴァンではない)への芽生え始めた想いなどなど、微妙な女心と王女としての義務で揺れる様なんて見てみたかった(笑)

アーシェの描き方で、一番足りないと思ったのは『ダルマスカへの想い』でした。
その部分がもう少しでも回想で描かれていたら、彼女にもっと共感できたのにと思う。


■バッシュ
最後までやってみて、やっぱりこの人が一番好きでした(笑)
逃げて守れなかった過去をしっかり見据え、今度は守りきる人。

パンネロの「バッシュおじさま」という呼び方がツボ。

アルティマニアにはしっかり書いてある彼の過去や兄弟の確執、ゲームだけだとあまりわからない気がするんですがこれ如何に!?

しかもさーーガブラスさん!!!!ずっと仮面だと萌えないってば!!←とっても自分本位な怒り。
仮面てのは、チラリズムが良いのよ〜あんなズッポリ被ってるんなら、時折割れたり外したりして美形顔が見えないと意味ないのよ〜とイライラしていたら、最後は満足でした。


■バルフレア
格好良い格好良いと聞いていたけれど、私の心の琴線にはあまり触れなかったバルフレア。
バルフレアよりもレダスのおっさんの方が感動した!!!!
レダス良いよー。なるほどそう来たか!と感動でしたよ。
彼をもっとフィーチャーすれば良いのに。
レダスの部下達がせめてイサールの弟達くらいの存在感があれば良いのに。

でも、最後はすごい格好良かったですバルフレア!!
いい所持ってくなぁvv
やっぱり指輪を、使ってきましたね。


■フラン
バルフレアとのコンビが好きだ。
ちゃんと故郷のイベントが用意されているのに、
いまいち印象が薄いのは何故なんだろう・・・


その他、ちらちら話題に出したラーサーやガブラスやレダスも良い人達でしたよ。
若本声の人は、勿体ぶって出てきた割にたいしたことはしませんでした。
ジャッジマスター達が、色んな想いを抱えていそうなのにあまり判別つかなかったのが残念。
やっぱりあの仮面はネックだったよ。顔隠すような悪いことばっかしてるんですか、あなた達!?(笑)


◇最後に

冷静に冷静にと自分に言い聞かせながら書いてみた・・・つもりなのですが、やっぱり辛口。
好きな方が読んだら不快になるだろうに、このもやもやっとしたものを吐き出さずにはいられないジレンマよ・・・・。

結局、面白いと感じるか面白くないと感じるかというのは個人の嗜好に拠る所が大きいと思いますので(それでも圧倒的な名作、客観的に見てどうしても駄作というのはありますが) 今までのレビューを読んでみてツボが似ている・重視しているポイントが同じ、という方はちょっぴり参考に。 そして、全然違うよ私は面白かったわー!!!という方は軽く笑い飛ばしていただければ幸いです。
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