■BLOOD ALONE
すごい当たりを引いてしまったーーー!!! 各所で評判を耳にして気になっていたBLOOD ALONEをついに購入。 私に関して言えば、ツボをつかれまくり、一話に一度は本を閉じてベッドの上を転がり、呼吸を整えてからもう一度開かなければいけない始末でした(←やりすぎです) いわゆるひとつの吸血鬼モノです。 しかし、それほどおどろおどろしくも耽美でもありません。 むしろ、ほのぼのきゅーんとした日常の中に、淡々と切ないお話が盛り込まれており、物語が進むに連れて少しずつ謎が明かされていくといった流れ。 ああっ。この雰囲気を言葉で表すのはとても難しい。 どうやら吸血鬼らしい少女、ミサキ。 吸血鬼でもなければ、吸血鬼に血を吸われ従属する奴隷<レンフィールド>でもない、小説家兼探偵の青年クロエ。 この二人が何故だか一緒に暮らし、お互いをとても大切に愛しく思っていること。ミサキには重い過去があるらしいこと。 一話目でわかるのはそれだけです。 そこからエピソードを重ねるに連れて少しずつ謎が明らかになっていき、最新刊ではクロエ自身も大きな何かを背負っていることがわかって続きが気になって仕方がありません。 さらには彼らを取り巻く登場人物達も魅力的。 クロエの旧友で科学警察研究所に所属する女性・サイノメ(シティハンターで言うと冴子さん、ギャラリーフェイクで言うと三田村館長ポジションだと思う) 古き血を持ち一帯の吸血鬼のボスであるが、無邪気な少年の姿を持つヒグレ。 その他、エピソード毎に登場する人物が使い捨てでなく少しずつその後も話に絡んでいくのが好感度大です。 そして何がこんなにツボに入るのだろう・・・と考えてみて、 もちろん年の差萌えもあるのですが (*おそらくクロエは20代半ば、ミサキは外見年齢12・3歳くらい) 『距離感のある優しい愛情』 がたまらないんだなぁと思いました。 家族でも、恋人でもない。 無条件に与えられる愛情に甘えるでもなく、激しい嫉妬で相手を責めるでもなく。 自分が大切にされていることを、照れながらも少し自慢に思う。 誰か他の人といると、哀しくなるけれど表には出さない。 強く掴んだら壊れてしまいそうなものを、そっと掌の中に包み込んでいるような絶妙な距離感がたまらない。 だから、ふとした瞬間に距離が離れてしまったり、ぐっと近づいたり、そんな時にものすごく切なかったりきゅーんとくるのですよ。 少女の外見ながらやはり「女」であるミサキの感情にもなんだかノスタルジックに共感してしまいました。 読んでみないとなかなか伝わらない独特の雰囲気があります。 あーもう、出会えて良かった!! と久々に思えた作品でした。 2006.08.01 記 | ||||
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