■てのひらの闇藤原 伊織著 引き続き藤原伊織。 もう、面白すぎてどうしようかと。 すっかり忘れかけてましたが、藤原さんはかの電通社員だったのですね。そういえば。 こんな文章書けるなんて、きっとできるだけじゃなくてロマンチストな方だと思います。 主人公は過去にワケあり、ちょっと斜に構えた、しかし仕事のできる宣伝部課長。 リストラの嵐が吹き荒れる中、部長に肩を叩かれるも、本人はあっさりとそれを承諾。 会長から「CMに使えないか」と持ち込まれた一本のビデオテープ・・・それがCG合成だと気付いてしまったその時から、 何かが動き出す。 というお話。 読み始めたら止まらない、ドキドキしっぱなしのハードボイルドでした。 現実感ない・・・とは私は思わなかったですね。 広告業界の雰囲気とかはもちろんリアルですし、「ハードボイルドなかっこよさ」を追求しているのがわかるからもう、 思い切りはまりこみながら読みました。 いいのよー!このくらいロマンチストでいてよー!!とうきゃうきゃしてましたよv 主人公、ついでに言うと喧嘩も強いです。惚れます。惚れました。 藤原さん作品の主人公の特色は、どこか世間から一歩距離を置いていて過去にワケありで女の思いに鈍感 (もしくは気付いても気付かない振りをする)なところだと思うのですが、 (・・・・ってこれ、単にハードボイルド系主人公の特色!?・・・・)とりあえず、 そんな主人公の特色を備えつつも、今作の堀江はかなりなんでも出来ちゃうスーパーマン。 部下の女性の揺らぐ気持ちもわかるわ〜と惚れ込みます。 藤原作品は、読むたびに「これが最高!」と思うのでどれが一番好きだか自分でもわかりません。 初めて読む方は「テロリストのパラソル」か、この「てのひらの闇」を読むとわかりやすいのではないかなー。と思いました。 2005.08.03 記 |
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