■螺旋階段のアリス加納 朋子著 久々に読んだ加納作品。 お話としては、 30年勤めていた会社を希望退職した主人公が長年の夢だった私立探偵の仕事を始める。 そこへ、探偵志望の不思議な美少女「亜里沙」が現れ、鋭い亜里沙の洞察力に助けられながら二人は事件を解決していく。 というもの。 いわゆる『日常ミステリ』もので、加納さんらしい『連作短編』の上手さもしっかり出ています。 しかし、この作品の根本的な魅力は謎解きの清々しさや構成の巧みさだけではない。 随所に現れる「不思議の国のアリス」をモチーフにした表現が、ファンタジックで優しい雰囲気を醸しだしながら、 そこに描かれるのはどこか切ないリアルな人間の姿。 まさに「切なさ」としか言い表せない、人が生きていると出会う悲しさ・哀れさ。 そういったものが、加納さんの優しい目線を通して描かれることにより、温かさや希望の残る余韻になる。 優しく温かいのに、胸がしめつけられるように切ない。 そんな加納朋子さんの作品、どれも大好きです。 そして個人的ですが、加納さんの本が好きだという人は大抵大好きになります、私(笑) 日常にちょっと疲れてしまったとき、心の癒される本。 *続刊出てるそうなので、早く手に入れたい〜! 密かに主人公順平さんにめろめろですv 2005.xx.xx 記 |
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