■終戦のローレライ
「面白いからとにかく読んでくれ」 ということ。 いや、そう言われてもねぇ・・・どこがどう面白いんだか言ってくれないと。という気持ちはよーくわかります。 私だってそう言われたら怒る。 けれど、少しでもヒントになることを言ってほんのちょっとでもあの面白さが逃げていってしまったら・・・ なんて勿体ない!!!!・・・そんなこと人間としてとてもできないよ。 そう思うほどに楽しめた作品でした。 その意味では、映画の紹介でたくさんヒントが出てしまってあまつさえ人物紹介までされてしまっているのは残念でさえあります。 もしも、たまたまこのページを読んだという方で興味がある方は、それ以上情報収集せずに小説を読まれることをお薦め致します。 映画を見て面白かったー!!という方はぜひぜひ小説を読まれることをお薦めします。映画では80%くらいカットされてるイメージです私のなかで。 小説を読んだよ。という方はきっと福井晴敏にはまっていることと思いますので何も言うことはありません(笑) 誰もが感動するなんてことは言えません。(私は号泣しましたが) ただ、この小説がそれを抜きにしても素晴らしいエンターテインメント小説であることは誰も否定できないと思います。 最初はとっつきにくかもしれませんが、『終戦前の日本という重いテーマに真正面から向き合い、綿密に組み立てられた先の読めない構成』・『 正に映画的な、映像が目に浮かぶような切迫した状況とそれを脱していく爽快さ』・そして何より、『たった数行出てくる人物にまでその人生を感じさせる 心理描写』にぐいぐい引きこまれていくこと請け合いです。 個人的には、「銀河英雄伝説」が面白かった人はきっと楽しめると思います。似ているわけでは全然ありませんが。 とはいえ、50代半ばのうちの母も思いきりはまりこんで読んでいましたから、そういったカテゴリ分けは無用だとは思うのですが。 色々なエッセンスを集めていながらも、はっきりとしたメッセージ性・しっかりとした描写力が感じられる作品です。 ・・・と、これで終わるのはあんまりなので、極力ネタばれしないように内容に触れたいと思います。
1945年7月、終戦間近の日本。 2005.xx.xx 記 | ||
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