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KEY系ゲーム考察

KEY系ゲームを検証して、色々な謎へと迫ろうというコーナーです。
最初はCLANNAD一色になるかと思いますが、AIRの考察もしていきたいですねえ。
   CLANNAD考察1 世界観検証(有紀寧・智代)
※この考察は、親サイトに掲載したものを、そのまま転載したものです。
 
 もうネタバレって書かなくても、クラナドに関することはすべてネタバレなんで(^-^;、そのつもりで見てくださいm(_ _)m
 さて、今回は「クラナドの世界観」について書きたいと思います。と言うのは、クラナドには色々な世界があって、その上で成り立っている物語だからです。
 考えなくてもわかるのは、「この町」という世界と、「幻想世界」です。幻想世界の少女の言葉からわかるように、この2つの世界は表裏一体のものです。簡単に書くと、「渚≒少女」「朋也≒ガラクタ人形」「獣たち≒その他大勢の住人たち」という図式です。また「幻想世界」には「終わりがない」「果てがない」とありましたが、そもそも世界に果ても終わりもありません。「この町」にも、当然この町の終わりは、突如現われるかもしれませんが、終わりは目に見えるものではありません。何が言いたいのかと言うと、現実世界で自分の町=住んでいる場所の終わりは、ダムで水没するとかいう理由でもない限り「終わりがない」わけです。このことは、今から書くことと関係があまりありませんので、この辺で終わります。
 ただ、「この町」という大きな世界だけが、「この町」に存在しているわけではありません。それが、学校編の「学校」という世界だと思います。学校編は、「学校」という世界を描いた物語だったと言うのが、僕の考える学校編です。
 そして、その「学校」には、学校に来ることでしか交わることの出来なかった、たくさんの人が交わり、幸せを掴みとっていきます。
 また、その「学校」と言う世界にも、明確には示されていませんが「幻想世界」のような影の存在があるように思えます。それは、麻枝さんのキャラだけで示すと、学校の中での幻想世界の少女のような境遇である(1人きりである)のは、渚・風子・智代・有紀寧と、ほぼすべてのキャラが似た境遇にいたり、そこからスタートしていることがわかります。詳しく見ていくと…
・渚…ゲームスタート前年に、少し話が出来る友達が出来たが、病気のために学校に行けなくなり、ダブってしまい、1人きりになってしまった。
・風子…2年前の入学式当日に事故り、自分を覚えてくれている人がいない、1人きりの状態にある。
・智代…この学校にこの春から転入してきたので、スタート時は1人きりの状態にあった。
・有紀寧…ちょっと特殊ですが、資料室に在学生が入った形跡がないところを見ると、資料室の有紀寧は、学校の中では1人きりである。
 美佐枝さんも、同級生らが学校やこの町から離れていく中、学校に1人関わり続けているのですから、1人きりの状態とも言えます。
 この中で「1人きり」の状態にあるのは、渚と風子に関しては非常にわかりやすいのですが、智代や有紀寧に関しては全くわかりにくいと思いますので、説明を加えます。
 そもそも、世界と言うのは「この町」に属している「学校」という世界があるのですが、この「学校」と言う世界だけが「この町」にある世界なのでしょうか? 僕の考えでは、現実的に考えてもそれ自体があり得ないと思います。それぞれが、主人公である朋也が属していない世界(プライベートな世界とも言う)も持っているのです。
・渚…それ自体が「世界」と言えるような、「古河家」という世界を持っています(^-^;
 逆に、家族以外の世界を持たないので、非常に希薄な存在だとも言えます。
・風子…現実の風子は隣町の病院に寝ていて、学校にいる風子には、学校と言う世界しかありません。非常に希薄な存在です。
 現実の風子には、公子との家族という世界がありますが、やはり希薄な存在であると言えるでしょう。
・智代…智代には、荒れていた時代がありました。それは、家族が空中分解しかかった時に好きだった(んでしょう?)弟が、自らを犠牲にして(助かりましたが)家族と言う世界を守ろうとしたことで、更正することになります。
 そして、荒れていた自分がいた元いた学校という世界を捨て、新たな学校と言う世界に、1人きりで入ることになります。そこには「荒れていた」自分を知る者はいませんでした(ウワサではいたんですが)。
・有紀寧…有紀寧がなぜ1人きり?と思われるかもしれませんが、資料室にいる有紀寧が彼女の本当の姿だとしたら、そういうゴツい連中と仲がいいのも含めて、有紀寧と関われる人間が、学校にはいなかったということになります。
 ちなみに、有紀寧にも「兄」という家族の世界がありました。最も、兄と有紀寧の2人きりの関係(恋人同士のような)と、その他の家族との関係の2つが家族の中にありました(兄と他の家族は、有紀寧を介して間接的な関わりしかなかったものと思われます)。
 そして、兄の死によって、その1つの世界が喪失しました。そこで有紀寧は、「兄のいた世界」に1人きりで踏み込むことを決意します。それが、ゴツい連中が数多くいたり、色んなアウトローな人間がいたりした世界だったのです。
 どうでしょうか? 智代や有紀寧が希薄な存在でないのは、単に強いだけと思われるかもしれませんが、特に有紀寧の場合は、1人きりの状況を「兄のいた世界を求める」ことで強くなれたと思っています。また智代は非常に強いキャラな気はしますが、結局は朋也にすがりたいという気持ちが強かったようで、目的を達成した後は、新しい「学校」で積み上げてきたものをすべて捨てて朋也を選んだのですから、結局は弱い存在であるとも言えます。
 この両者が似ているなあと思ったのが、2人とも、属している/いた世界での自分を好きになれるかどうか、という点です。智代なら、荒れていた頃の自分も好きになってくれるかどうか、有紀寧は、ゴツい連中も含めた「兄がいた世界」にいる自分も好きになってくれるかどうか。そういうところがあります。そうした存在が、実は主人公の朋也しか学校にはいなかった、と言うことです。
 もう少し詳しく見ていきましょうか。この両者には「存在意義」というものがポイントとしてあります。
 有紀寧は、自分と言う存在が「兄のいた世界」を好きになることで、存在意義を掴んでいます。要は、兄と「恋人同士」のような関係の世界だけでは、兄を失ったときに自分自身も失います。本当の自分を知っている人間がいなくなることにも繋がっていきます。そうすると、渚や風子のような、存在が希薄な状態になってしまわないでしょうか。逆に、「兄のいた世界」が好きな有紀寧は、「兄のいた世界」の人間との相思相愛の関係にありますので、個として誰がいなくなったとしても、その繋がりが切れることはありません。逆に有紀寧がいなくなってしまったからと言って、個である誰かだけの記憶には留まららず、「兄のいた世界」に属する人間全員が、有紀寧の記憶を共有していくこととなります。だから存在意義があるのです。
 これと朋也との関連ですが、「兄のいた世界」の人間が、有紀寧の兄のことを偲んだりするのは当然なのですが、そこに「兄のいた世界」とは全く関連のない人間が入り、そうした世界を含めて好きになっている。こういう特殊性が有紀寧シナリオの朋也ではないでしょうか。だから、有紀寧にとっては特別な存在であるといえます。
 これと真逆なのが智代です。荒れていた自分のいた世界を捨てて、新しい学校へ転入したわけですが、その昔の自分を捨てる=昔の自分が嫌いという図式が思い浮かびます。そして、生徒会長として弟の夢を叶えるべく桜並木の保存に成功した智代は、今度は新しい学校での自分も捨てます。2つの自分は、非常に両極端であると言えます。これは、ひとえに智代自身の人間的ポテンシャルの高さからなってしまうことなんですが、極端な自分を嫌い、結果主人公である朋也の元に来ると言うことは、ナチュラルな状態でいられる朋也の側にいたい、という思いからだと思われます。また、荒れていた自分にも、模範的な生徒であった自分にも、自分自身が存在意義を感じていなかったようにも思えます。
 また朋也も、結局このシナリオでは、「模範的生徒」である智代には距離を取り、それを捨てた後の智代を受け入れたり、ゲーム開始時点のアウトローな状態では自分から積極的にアプローチしていきました。両者のスタート位置が非常に似通っていたという点もあると思います。自分が嫌いだ、という点でも。
 もっとマクロな視点で書くつもりが、結構細かく書いてしまったために、1つでまとめることが出来ませんでしたm(_ _)m
 渚と風子の「世界観」についてはまた後日書きますが、「存在意義の有無」「属している世界の好き嫌い」「幻想世界との関連」あたりをキーワードに、紐解いて行きたいと思います。
更新日時:
2004/07/07

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最終更新日:2005年4月19日