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★リトルバスターズ!SS部屋★

リトルバスターズ!のSSを掲載していきます。

  2   『理樹君がドーナツを選んでくれなかった』
更新日時:
2009/10/15 
 
『理樹君がドーナツを選んでくれなかった』
 
 
 
 
 
 ようしっ。
 
 私は今日、かなり気合が入ってる。
 ドーナツを差し入れに持って行くんだけど、どれを選ぶかで決めるんだ。
 それは…。
 
 
 
「理樹君、どれにする?」
「えーと…それじゃあ……」
 
 中に入ってるのは、私の……持ってる下着の柄をイメージしたもの。
 ベーシック、ストライプ、イチゴ。
 ドーナツに入っていても不思議じゃないものだし、どれも下着の柄としてもありふれたものだ。
 
 この中で、理樹君が気に入ってくれた柄を履いてこよう…。見る機会なんて無いかもしれないんだけど、そう考えながらドーナツを作ったから。そう心に決めて理樹君に差し出した。
 
「うーん……ごめん、小毬さん」
「んー? どうしたの?」
 
 ためらう理樹君。迷ってるのかな?
 その次の瞬間、私は耳を疑った。
 
「おなかいっぱいでさ…。今、ドーナツ食べれないんだ」
 
 …。
 ……。
 
 ええ〜っ?!
 
「じゃあ俺が貰ってもいいか?」
「ダメ。せっかくの小毬さんのドーナツなんだから、真人みたいに味わわずに食べる人にはあげられないよ」
「ちぇっ。理樹は俺たちには厳しいよな」
「ってことで、鈴いる?」
「こまりちゃんのドーナツは美味しすぎる。これを食べないなんて、理樹はどーかしてるぞ? …遠慮なくもらう」
「どうぞ」
「うん。さささのとこに差し入れに行ってくる。あいつ、こまりちゃんのは拒まないからな」
「へぇ〜、そうなんだ」
「じゃあな。ありがとっ、こまりちゃん」
「う、うん。いってらっしゃい〜」
 
 こまった。
 すごく困った。
 
 理樹君が選んでくれなかった。
 そういう選択肢は全く用意してなかった。
 どうしたらいいの?
 混乱してしまう。
 
 選んでくれなかった…つまりは、見たい柄が無かったってことかな?
 そう考えたら……ここには無い柄だったのか、あるいは…。
 
 う〜ん。
 考えてみたけど、答えは限られてた。
 
 彼は、私の選択肢を全て拒否したんだ。
 ドーナツの種類としては全部じゃなかったけれど、
 そうだったら、もうそんな彼の嗜好と言うか性癖に沿うしかないんじゃないかって。
 
 
 
 私は考えた。
 そもそも、理樹君は私のパンツ自体に興味が無いってことを。
 そう考えると、パンツの柄で気を惹く作戦自体が上手く行かないだろう。
 
 そうなれば、もう「パンツを履いている」意味が何処にあるんだろうか…。
 見せるなら、パンツの柄とかいう概念を超えたものを見せないと意味がないから。
 
 このままでいいんじゃないかって。
 履いてないままで。
 
 はるちゃんにも協力してもらった。理樹君だけを部室に入れるようにしてもらうために。
 
 
 
 
 
「ちょっっっ…、こ、小毬さんっ!!
 な、なななんでっっっ!!!!」
 
 履いてないから。
 パンツ丸見えでも恥ずかしいのに、履いてないんだ。
 おしり丸見え。
 
 おしりだけならともかく、理樹君にどんな風に見えてて理樹君がどこまで見てるのかなんて自分じゃわからない。
 
「ど、どうですかっ」
「ど、どうって……」
「何が見えますかっ」
 
 改めて確認する。
 私が、理樹君にドーナツを選んでもらえなかった結末がこれだってことを。
 
「え? え…ええぇっと、その…小毬さんの…パンツ」
「パンツ?」
 
 見えてるの?
 何が? ぱんつが??
 
 私、はいてないのに?
 もしかして私、裸の王様状態ぃぃっ???
 
「はいて…ないんだ」
「そ、そうなんだ…」
 
 見えてなかった。
 ほっとした、けど、やっぱり丸見えだったってことだよね。
 
「みーらーれーたー」
「見られた…って、だって部屋に入ったら小毬さんが後ろ向いてて、スカートめくれてて、パンツ履いてなくて…って僕は何を言ってるのか全然わかんないよっ」
 
 理樹君も混乱してる。
 当たり前…か。
 そりゃあ私がパンツ履いてないなんて思ってなかっただろうし、もしパンツを履いてたとしても驚いてたと思う。
 
「だっだけどっ、ちゃんとその……整えてきたよ!」
「何をさっ」
「そ、その……下の…。言わせないで〜」
 
 盛大に自爆する私。
 自爆ってわかってるんだけど、理樹君のツッコミの前では言わずにはいられないの。
 見られてもいいように、ちゃんと…してきたのは本当だけどっ!
 
「き、きれいだよ! 小毬さんのおしり」
「そうじゃなくてぇ〜。へ? きれい?」
「う、うん。小毬さんのおしり」
「お、おおおしり見られた〜〜〜」
「見ないほうがおかしいよっ」
「見なかったことにしよう。おーけー?」
「おーけー! ってならないよっ」
 
 そもそもおしりが丸見えなのを忘れてしまうくらい動転してしまってる私。
 他の部分が見えてることにアタマが行ってて、おしりを全部見せてしまってることがわからなかった。っておかしいよね? おしりすーすーしてるのに。
 
「でもさ。そもそも、どうして…履いてないの?」
 
 疑問に思うのは当然なんだけど…。
 でも本当なら思い出して欲しかったかな。
 何で私が履いてないかの元々の原因が
 
「だって、だって。理樹君ドーナツ選んでくれなかったから…」
「だから履いてないの?」
「うん……」
 
 仕方ないよね?
 理樹君、パンツに興味ないんだもんね。
 
「ドーナツを選んでたら?」
「もちろん、その柄のパンツを履いてきたよ〜」
 
 用意してたよ。もちろん。
 理樹君の選んだドーナツの柄で、新しく買うぱんつの柄を決めようって思ってたんだから。
 だから、何も選んでくれなかったとき、私の頭の中は真っ白になったんだよ。
 
「ううん。違うよ、小毬さん」
「僕は、小毬さんが履いてるパンツなら、どんな柄でもいいんだ、って思ったんだ」
「理樹君…」
 
「それにさ……やってみたかったんだ、一度」
「いち…ど? やってみたかった?」
「うん。僕が、何も選ばなかったときに、小毬さんがどうするのかって」
「え、えええっっ?!」
 
 一度?
 やってみたかった???
 
 ど、どーゆー意味?????
 
 訳わかんないんだけど?
 
「予想通りだった」
「え? ええええええええ〜〜〜〜〜っ?!」
 
 よ、よそうどおり?
 私が、パンツはかずに、理樹君の前に出てくるってことが?!
 そんなのあんまりだよ〜〜。
 
「どっちにしてももうお嫁にいけないよ〜。
 理樹君、私をお嫁にもらって〜」
「えぇっ?! 突然求婚?!!」
 
 もうあそこもおしりも見られたんだから、もう他の男の人になんて貰ってもらう資格なんてない。
 だから理樹君に求婚するしかないよ。
 
「だって〜、あんなところ見られたんだから当然だよ〜」
「うーん…いきなりそんなこと言われても、すぐに返事は」
「え〜〜〜」
 
 即答してほしかったんだけどな…。
 なら仕方ない、って諦めることにして、本命に方向転換する。
 
「うえーんっ。じゃあいいもん。鈴ちゃんをお婿にもらうからっ」
「うん、それがいい…って、えぇぇぇぇっっ?!」
「よぅしっ。じゃ、鈴ちゃんとこにいってくるよ〜」
 
 驚く理樹君を置いて、私は愛しい彼氏?の元へ向かった。
 もちろん履いてないままで。
 
 
<終わり>
 
------------------------
 
 りきおです。最低ですね(汗。まあネタとして受け取っていただけたら!
 ちなみに原案は神主あんぱん氏です。以下はあとがきに替えた寸劇。
 
 
小毬「ああううううー、もう外に出れないよ〜」
理樹「いやいやいや。あの後外に出て行ったでしょ! どうなったの?」
小毬「そりゃあ…鈴ちゃんのとこに行って、なぐさめてもらって、あとは〜…言わせるの?」
理樹「ええっ?! 鈴と何してたって…」
小毬「ナニしてたんだけどー? …詳しい内容は秘密なのです」
理樹「えーーーっ」
小毬「だって、私のドーナツ食べてくれたのはりんちゃんなのです。未来のだんな様と愛のちぎりを交わしていたのです」
理樹「もうつっこんでいいのかどうなのかわかんないよ…」
鈴 「理樹、こまりちゃんをいじめたらしいな」
理樹「あ、鈴っ。それより鈴が小毬さんの旦那さんになっちゃったの?」
鈴 「ん? まあそれもいいな」
理樹「そんな簡単なんだ!」
鈴 「それよりこまりちゃん、時間はいいのか?」
小毬「あー、もうこんな時間だ。じゃ、りんちゃんデート行こうね〜。理樹君ばいば〜いっ」
鈴 「じゃあな、理樹」
理樹「いってらっしゃ〜い、ってこれバッドエンドだよね?」
 
 
〜GAME OVER〜
 


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