ザウルスでセガMk-Ⅲのゲームを開発しよう！

ザウルスでセガMk-Ⅲのゲームを開発しよう！

ザウルスの可能性として、まぁお遊びですが。

アセンブラ、リンカ
Multi Platform Cross Assembler WLA DX 9.3a

詳細はこちら

何かっちゅうと、、、アセンブラとリンカです。
Ville Helin さんっちゅー偉い人が開発されたものを、私は単に
ザウルスで動くようにMakeしただけです。
偉い人はVille Helin さんです。私は偉くない。そこんとこよろしく。

どっかのエディタで、んがーーーっとアセンブラソースを書いて、
このWLA DXを使ってさくっとアセンブルしてリンカでガキっと
リンクすると、エミュレータで動作するROMイメージがボコっと出来上
がるってなもんです。
　　　　　　　　　　　　どうも関西人は擬音が多くていけませんなぁ。

開発できるゲームは
・セガＭｋ－Ⅲ
・ゲームギア
・スーパーファミコン
・ファミコン
・ゲームボーイ
・ＰＣエンジン
・ＭＳＸ
・コモドール６４とかSpectrumとかその他色々

注）これを読んでちょっとでも期待したあなた！
　　実際アセンブラで上記のゲーム開発なんてそうそうできるもん
　　じゃあありませんので安心してください。。。

以下では例としてセガＭｋ－Ⅲのゲーム開発を説明します。
Z80やしアセンブラの勉強にはいいかなと。

●使い方

コース１　<< 必要最小限コース >>

必要なものは、WLA DX のみです。

まず、アセンブリ言語でソースを書きます。
（一番えぐいところが１行で済んでしまった。。。）
ソースを保存します。拡張子は何でもいいですが、一般的にasmとか
s が使われています。（例：test.asm）

以下のコマンドを実行します。

wla-z80 -o test.asm

すると test.o というファイルができます。
複数ソースファイルがある場合は、ソースファイル毎にこれを実行し、
複数のオブジェクトファイルができます。
それをlinkファイルに列挙します。linkfile という名前
のファイルを作り、その中に以下の内容を記述します。

[objects]
test.o

オブジェクトファイルを縦に列挙していく訳です。
そして、最後に以下のコマンドでオブジェクトをリンクする。

wlalink -v linkfile game.sms

すると、game.sms ってなイメージファイルができます。
れっつエミュレータで実行！な訳です。

ちなみに、スーパーファミコン用のゲームを作りたかったら、
wla-z80 のところが wla-65816 になるだけです。
ファミコンは wla-6502
ゲームボーイは wla-gb
ＰＣエンジンは wla-huc6280

　　　　　　　　　　　　　　ゲームボーイはgbdkで十分やろ。。。

コース２　<< エキスパートコース >>

セルフ開発環境を導入しているなどで、gnuのmakeコマンドが導入
されていることが前提です。
makeコマンド単体は、こちらで公開してくださってます

さくさくっとソースを準備します。
（またまた１行。。。）

以下の内容をコピペして、makefile という名前のファイルを作ります。
（ソースファイル名、オブジェクトファイル名、出力ファイル名は自分用
　に変更してください）

CC = wla-z80
CFLAGS = -o
LD = wlalink
LDFLAGS = -v

SFILES = test.asm
IFILES =
OFILES = test.o

all: $(OFILES) makefile
$(LD) $(LDFLAGS) linkfile game.sms

test.o: test1.asm
$(CC) $(CFLAGS) test.asm test.o

$(OFILES): $(HFILES)

clean:
rm -f $(OFILES) core *~ game.sms

あとは以下のコマンドを発行するだけです。

make

コース３　<< ＧＵＩコース：失敗 >>

S.O.さんが開発された開発環境のGUI皮であるNokajiを使います。
うまくいけばGUIだけで開発ができる。こいつは楽しい。
しかし、残念ながらできませんでした。

詳細はこちら

●実践！

実践１　<< サンプルをMake >>

インターネットで公開されているサンプルをmakeしてみましょう。

SMS Powerのサンプルページから、簡単にmakeできる

DCEvolution.zip
を取ってきましょう。
これを展開すると、makefile も作ってくれているので、上のコース２
を通ってきた人なら make 一発！　の前に linkfile は準備しましょう。

[objects]
sms.o

オブジェクトファイルの名前は makefile の中に書かれています。

んで、make
コース１の人は

wla-z80 -o DCEvolution.s sms.o
wlalink -v linkfile DCEvolution.sms

コマンドの１行目で、オブジェクトファイル名を指定しているとこが
ちょっと違います。技です。ってかこっちが普通です。

次のサンプルは、コース２の人限定です。

同じくSMS Powerのサンプルページから

AntiISDA_Warrior-v102.zip
にチャレンジしましょう。
これを展開したら、makefile も linkfile も準備されていてラクショー
と思うでしょうが、make すると失敗します。

エラーメッセージ

wla-z80 -o AntiISDA.s sms.o
AntiISDA.s:428: INCBIN_FILE: Error opening file "tiles.bin".
AntiISDA.s:428: ERROR: Couldn't parse ".incbin".
make: *** [sms.o] Error 1

なーんか tiles.bin というファイルがないようです。
んでディレクトリを見てみると、Tiles.ilbm という意味深なファイルが。
このilbmという拡張子は AMIGA という昔のコンピュータで使われていた
画像形式らしいです。これを変換して tiles.bin を作れ、ということ
らしいです。
どうやって変換するかというと、これまた意味深な、ilbm2tile.c という
ファイルがあるじゃないですか。
ファイル名そのままで、これが変換ツールのソースです。
まずはこれを make しましょう。
これは SEGA Mk-Ⅲ用のソースじゃないただの C のソースですから、
gccでmakeします。

gcc -o ilbm2tile ilbm2tile.c

これで ilbm2tile という変換ツールができました。
じゃあこれで画像を変換しましょう。

ilbm2tile Tiles.ilbm tiles.bin

成功したようです。tiles.bin というファイルができたでしょう。
これで初めて AntiISDA が make できます。

これは本気でSEGA Mk-Ⅲ用ゲームを開発したい人のための布石で、
お絵描きは別のツールでやってよいということの証明です。
ilbm形式の絵を描けば、それをこのツールで変換して読み込む
ことができる、と。
でもilbm形式ってなー、なんて人には、bmpを変換するツールも
SMS Power にありますのでご安心を。

実践２　<< 市販ゲームを解析 >>

市販ゲームのROMイメージを逆アセンブラによってソースファイルに
戻します。
そしたら、がーっと眺めて、ごりごり改造します。
んでもって、WLA DX で再構築します。

WLA DX には wlad という逆アセンブラが付属しています。
これを使って、

wlad ys.sms >ys.asm

という風に出力をリダイレクトすることにより、逆アセンブルする
ことができます。
しかし、こうやって出力されたソースには DEBUG というシンボルが
あり、そのまま wla-z80 で再アセンブルできませんでした。
きっと単純なことなんだろうけど追求せずにあきらめます。
ここは涙を飲んでWindowsマシン上で逆アセンブルしましょう。
実験に使ったのは「Ys」

ROMファイル名：ys.sms

まず、SMS Powerから逆アセンブラを取得します。

取得するのは、smsexamine1_2a.zip
これをWindowsパソコンで展開し、コマンドプロンプトを立ち上げて、
展開したフォルダに移動します。
（同じフォルダに ys.sms も置いておくと楽）
以下のコマンドを実行します。

smsexamine.exe ys.sms

すると、ys.sms.asm というソースファイルと、データを詰め込んだ
っぽいバイナリファイルが16個できます。あと名前は違いますが、
linkfile も作ってくれます（ys.sms.link）

これらをZaurusに持っていく。
ソースを眺めたりいじったりお好きにどうぞ。
気が済んだら、行きます。

wla-z80 -o ys.sms.asm
wlalink -v ys.sms.link my_ys.sms

これであなただけの my_ys.sms がっ！！！
アドルの髪を青くする？

参考になるリンク
SMS Power
Maxim's World of Stuff （SMS Power内）
D.D.D.Dynamite Enri's Home PAGE
Console/Emulator Programming Resource in Japan
Charles MacDonald's Home Page

いやぁ、面白かった。
以上の内容が気に入った人は、ぜひぜひSMS Powerのフォーラムに
参加しよう！

次はsdccにでも挑戦するかな。。。

randy3@mail.goo.ne.jp

戻る　　ホームページへ