チサト:ユカリちゃん、大丈夫・・・この子・・・ ユカリ:・・・・・・ チサト:悪い子じゃない・・・迷ってるだけ・・・ ミカ:・・・ホントに出た・・・(小声で)チャンス・・・
チサト:・・・お名前タミコちゃんっていうの? 女の子:うん・・・お姉ちゃん達タミコと遊んでよ・・・
チサト、しゃがみこんで女の子と目線の位置を合わせる チサト:・・・ここで一人で遊んでたの? 女の子:うん、ホタルはいたけど、ここに来れたのは最近なの チサト:そっか・・・
ユカリは少し心配そうな表情をしている チサト:どうして1人だったの?お父さんとお母さんは?タミコちゃん 女の子:・・・・・・オクニノタメ・・・(下を向いて) チサト:え・・・? 女の子:タミコの家・・・6人家族だったの・・・(チサトの目を見て)
チサト:さみしかったね・・・タミコちゃん・・・ 女の子:うん・・・お母さんと2人で・・・『オクニのため』 チサト:お母さんとも離れちゃったの? 女の子:空から飛行機たくさん来たの、 チサト:・・・そう・・・
女の子:火か消えた後、みんなチイキの人は、学校に集まったの・・・ チサト:・・・・・・
女の子:その日はタミコそこで寝たの・・・
チサト、涙を拭おうとするがその涙はチサトの手をすり抜けてしまう チサトが涙を拭ってくれようとしてるのに気付き、女の子が急いで涙を自分で拭う 女の子:次の日、学校に1人で戻ろうとしたの・・・ チサト:・・・うん・・・ 女の子:いつまた飛行機が来るか怖くて、タミコずっと目をつぶってたよ・・・ チサト:・・・・・・ 女の子:真っ暗でひとりで、泣いてたら水の音、したの。 チサト:タミコちゃん・・・ 女の子:お姉ちゃんは?
チサト:そうしたいけど・・・それはできないよ、タミコちゃん 女の子:どうして?お姉ちゃん、タミコの事キライなの・・・? チサト:そんな事無い!・・・でも(ゆっくりと)タミコちゃん・・・ 女の子:え・・・ チサト:お父さんににも、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも・・・、会いたくない? 女の子:・・・会いたい・・・でも会えないよ・・・
チサト:大丈夫・・・会えるよ・・・ 女の子:待ってるの? チサト:うん、タミコちゃんと一緒に、タミコちゃんが家族に会える日を、 女の子:・・・・・・ チサト:(女の子の目を見て)タミコちゃん・・・ 女の子:・・・またひとりぼっちにならない? チサト:ならないよ・・・みんなと会えるよ・・・ホタルもいっしょに・・・ 女の子:ずっと遊べる?
女の子、笑う ミカ:あ!
女の子:ありがとう・・・お姉ちゃん・・・
女の子:いつかまた、お話してね・・・ チサト:・・・うん・・・またいつか・・・バイバイ・・・
女の子の姿、消える 公園も元の暗さにしだいに戻っていく チサト:・・・よかった・・・多分、これで・・・
ユカリ:チサト・・・ ミカ:ひゃーマジモノでしたね・・・今の・・・ ユカリ:・・・(あきれたように)あんたねーフキンシンだよ・・・ ミカ:ふっふー!甘い!(両手に隠してたカメラを見せる) ユカリ:写真撮ってたワケ・・・いつの間に・・・ ミカ:思わぬ所に岸井ミカ(足くねくね) チサト:あ・・・
ユカリ:どうしたの、チサト チサト:ホタル・・・ ミカ:あっ!(チサトの手を覗き込む) チサト:きっと、ひとつだけだよ ミカ:えー!だってさっきはあんなに光が・・・ チサト:ユカリちゃん、これ埋めて、お花かざってあげよう・・・ ユカリ:・・・そうだね・・・ ミカ:・・・ふーん(考え込むポーズ)・・・
チサト:ユカリちゃん・・・今夜・・・よかった、私ここに来れて・・・ ユカリ:・・・たまにはミカの話も役に立ったね・・・ チサト:ふふふ・・・そうだね
ユカリ:ミカには今の事言わないでね、アイツすぐつけあがるから・・・
3人、穴を掘ってホタルを埋め、その上に花を飾る チサトが静かに手を合わせる、ユカリとミカもそれに続く 夜空のズーム そのままフレームアウト |