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 衛の不思議な一日


 「ねぇ、キミ。・・・ウサギさん・・・だよね?」

恐る恐る話しかけてみる。

 「うぃっす!」
 「・・・うぃっす」

ウサギさんは急いでいる足を急に止め、こちら向いて右手を挙げて気さくな挨拶をしてきた。

 「んー・・・ いいね、キミ。決定!」
 「ええっ!? 何が!?」

顎をこすりながら何かを品定めするような目でボクの回りを一周したウサギさんは、不意に指を鳴らした。

 「いや、もう決定したから」

ウサギさんは強引にボクの腕をひっぱり、どこかへ連れていこうとした。

 「ちょ、ちょっと待ってよ! ボク、これからあにぃとマラソン行くんだ! だからキミの用事にはつき合えないよ」

するとウサギさんはボクの腕を放し、瞳を潤ませてこちらを悲しげに見上げてきた。

 「う・・・ そ、そんな目でみないでよぅ・・・」
 「一週間でいいから」
 「い、一週間も無理だよ・・・」
 「じゃあ二ヶ月」
 「の、伸びてるよぉ〜!」

ガラッ

その時、庭の窓が勢いよく開いた。

 「うっさい。静かにしろ」

そこには寝癖のついた頭を押さえながら、額に青筋を浮かべたあにぃが御機嫌ナナメで佇んでいた。
そして、右の頬をボリボリ掻いていたあにぃは急にカッと目を見開いた。

 >> 「月に変わってお仕置きよー!!」
 >> 「朝飯はっけーん!!」