ウェブサイト構築のヒント集 > 「内部リンクでアクセス操作」
ウェブの特性としてハイパー・リンクがあり、 このシステムによって全く関係の無い他人のサイトにもリンクするコトができます。 その一方で、自らが管理するサイト内にもリンク構造を作ってコンテンツ間の行き来をコントロールするものです。
外部リンク <a href="http://www.google.co.jp/">Google JAPAN</a> 内部リンク <a href="../index.html">CSS設計事務所(トップ)</a>
外部リンクの場合は http から始まる絶対URL で記述しなければなりません。 ちなみに「Google JAPAN」と「CSS設計事務所(トップ)」の部分をリンク・アンカー・テキストと呼びます。
内部リンクですと、アドレスを記述する際に相対的に記述するコトができます。 これはリンク元ファイルの設置場所を起点にして、ディレクトリを上下してリンク先ファイルの位置(アドレス)を示す方法です。 同一ドメイン内のファイルは検索エンジンで同じグループとして扱われるなど、 サイトの”内”と”外”に関して別に溝は無いんですが、ちょっとした線引きが行われているとも言えます。
あなたの管理するサイトで一回だけ「ようこそ」という言葉を使ってよいとしたら、 どこにこの一文を挿入するでしょうか? おそらく、トップ・ページでしょう。 あえて、玄関として一箇所を指定するならばトップ・ページにその役目を負わせるのが道理です。
しかし、トップ・ページは玄関としての役割を担うものでは無く、 あくまで便宜的に設置する正門、単なる最上位の階層(ディレクトリ)の index.html でしかありません。 考え方としては「全てのファイルが入口となりうる」、「全てのファイルに出口が必要である」というものが 親切で合理的だとされています。
検索エンジンに公開ファイルがキャッシュされる(cached =蓄えられる)とはつまり、 ファイル内文書が検索に引っかかるように記録されるコトなんですが、結果的に キャッシュされたファイルがサイトの入口になりうるというコトです。 検索エンジン経由でいきなり末端の枝葉ファイルに侵入してくるケースを考慮しておきましょう。 それで、せっかく読みに来てくれたのならゆっくりしてってくださいよ...。 と、いうワケで他のファイルへと導く「サイト内リンク」を用意しておくべきです。 出口としての「サイト内リンク」ですよ。
いけない白い粉を売る闇組織では、末端の構成員を捕まえても組織の上部へとたどっていくコトができません。 これは秘密保持を目的として下から上へと繋がらないように構えているからなのですが、 情報公開を目的とする一般サイトにおいては真逆を意識するべきです。 つまり、末端からでも容易に一階層ずつ上位にたどっていくコトができる構成ですよ。
出口として用意する「サイト内リンク」はどのように選別すべきか?
ブログなんかでは、最新の記事20件、テーマ別リンク10グループ、関連記事(外部)10件とかが出口として用意されており、 選択肢が何十種類も用意されていたりします。 選択肢が多い方がビジターの自由度は高くなるのでしょうが、 あまりに多すぎると迷うだけかもしれません。 このあたりは、賛否両論でありドッチもドッチでしょう。
入口(内部の被リンク)と出口(内部リンク)は最低でも二個ずつ用意しましょう。 基本的には出入り口が多ければ多いほど検索エンジン対策に貢献します。 多くのファイルからリンクを受けている方が、検索エンジンに最新情報をキャッシュされやすくなるし、 検索の順位にも有利に作用します。
一つ一つのファイルから発信するリンクの数が多ければ多いほど、 各々のファイルの被リンク数は多いものになります。 仮に管理サイトの平均被リンク数が 3本だとすると、 5本の被リンクを持つファイルは平均以上のページ・ランクになり、 検索エンジンで上位に食い込みやすくなります。
あと、詳しくは分からんのですがリンク元の文書内容とリンク先の文書内容に共通する単語があると、 その重複する単語で検索すると上位表示になりやすいみたいです。 また、リンク元のアンカー・テキスト(青字で下線が引かれる部分のテキスト)に含まれている単語も リンク先における重要ワードに組み込まれます。 これらは、リンク元とリンク先の文書内容の類似性を考慮する機能だと言われています。 ページ・ランクを操作するだけの目的で似ても似つかない内容のファイルたちを結び付けても、効果はあがりません。
理想的なのは、ページ・ランクが高くて訪問者も多い優良サイト、 しかも内容が似ていて関連性の高いページからリンクしてもらうコトです。 しかし、他人の手を借りる方法ではなかなか順調にはいかず、アクセス・アップも容易には実現されません。 そこで、自作サイト内のリンク構造を操作するコトが必要になってきます。 検索してもらいたいページ、検索で発見されやすいページに内部リンクを集中させれば ビジターの獲得に結びつきます。
内部リンクの構造しだいである程度はビジターの流れをコントロールできるワケですが、 お小遣い系のサイトで頻繁に見られるサイト内リンク構造を検証してみたいと思います。
とりあえず、サンプルとしてアフィリエイト関連サイトを作ってみました。 テーマは「他力本願」、やたらと発信リンク数が多いのが特徴です。
サンプルではトップ・ページ発信のリンクが計50件あります。
トップ・ページから外部リンクを大量に行うとページ・ランクを損します。 50件のリンクの内、20件が外部リンクなので 20/50 で全体の 40% を WWW という大河に放出している計算になります。 仮にトップ・ページが持っているページ・ランクの力が 100 だったとすると、 40% を減算した 60 の力しかサイト内コンテンツに流れていかない計算になります。
そのような不利を抱えても、トップ・ページから大量の外部リンクを発しているのは リンク先のサイトに(目立つトコロからリンクしてますよ、と)アピールする為であり、 多数の充実したコンテンツを揃えているというハッタリをかます為にです。
とにかく、このようなリンク構造のサイトにすると、 トップ・ページは検索されやすいが、末端のページは検索されにくいという性質になります。 理由は上述したようにトップ・ページにおける大量の外部リンクによって、 ページ・ランクが外部に流出しているからです。 しかし、トップ・ページをサイトの入口にしたいと執着するのなら、これでいいのかもしれません。