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『ピチレモン編』


ピチレモン国、かつては滅亡しかけたが周辺国の手厚い援助によりほぼ以前の状態まで復興した国だ 
現在は若い兵の育成が盛んであり意欲のある若者達が日夜稽古に励んでいる 
そしてその兵力を底上げするために臨時コーチとして派遣されたのがリシャコ・ピザハブだ 
その理由としてはリシャコは食卓の騎士に選ばれる前にピチレモン国に住んでいたからだ 
三叉のリシャコ、その通り名を聞いて恐れない悪人はいないほどの優秀な保安官であったのだ 
三叉に出くわしたら彼女がアバるのを期待するしかない、さもなくばお縄になってしまう…そんな格言まであったらしい 

そして今日もリシャコは若手の兵達への指導に熱を入れていた 
「いいんじゃないかな、とにかく気合を入れればなんとかなるもんだよ…多分 
 あっ君はもっと胸鍛えたほうがいいよ、この前ミヤビって人がね、女の人は戦うならおっぱいも固くないとって言ってたし」 
そんな中練習場には滅多に現れないピチレモン王がやってきてリシャコに近づき 
「リシャコよ毎日よく教えてくれて本当に有難いよ、それで今日はどうやらお客さんが来てるらしいぞ」 

王に呼ばれてやってきたのはなんとクマイチャンとチナミ 
懐かしい顔ぶれを見て涙が出そうになるリシャコ・ピザハブ、クマイチャンに抱きつく 
「クマイチャン久しぶり〜♪会いたかったよー」 
ミヤビとは大違いの豊かな胸を持つリシャコを抱きしめつつなでなでするクマイチャン 
そこにチナミも抱きついて3人そろって朗らかな時を過ごす 
今までリシャコに指導を受けていた兵達も「やっぱりあの人も友達と居る時は可愛い女の子なんだなぁ」と自然に笑顔に 
「でも二人ともどうしたの?ひょっとして二人もここで教えるとか?」 
まだ何も知らないリシャコに先日起こった事件の全てを話すクマイチャンとチナミ 
マーサー王がさらわれたと知って顔が真っ青になっていくリシャコ・・・ 
「だからリシャコの力が必要なんだよ、今度の相手は食卓の騎士が全員揃わないと倒せないんだ」 
「でも・・・」 
リシャコには気がかりがあった、それはピチレモン国の事だ 
食卓の騎士になる前に様々な面で面倒を見てくれたピチレモン国、その復興をほっといて自分だけ帰って良いものかと 
だがそんなリシャコの懸念を見透かしていたのかピチレモン王はこう言った 
「リシャコ安心しなさい、我が国はもう以前の敗戦国ではないのだ 
 君が育ててくれたおかげでテンカリンもアイスもエレーナも今や中堅所の戦士だ 
 我々はもう支えなしで十分立てるんだ、君は安心して国に帰りなさい」 
王の言葉に賛同するように声援をあげるピチレモンの兵達 
そこには昔のような弱弱しい姿はもう無かった 

「うんわかった!私帰るね」 
全ての兵士に温かく見守られ帰郷を決意するリシャコ 
「リシャコ頑張ってね!」「また遊びに来てねー」「ピンチになったら駆けつけるから!」 
数々の声援を聞いてまた別れが辛くなるリシャコ、でもここで発たない訳にはいかない 
いつもは意志の弱いリシャコだが今は決意の時、前に居るクマイチャンとチナミの手を強く掴み 
「早くいこっ!マーサー王を助けなきゃ」と言って二人の間に入る 

そうしてピチレモン国を発とうとしている3人を見てある提案をするピチレモン王 
「さっき仲間が重症だと言っていたな?ならば我が国の秘薬を持っていってはいかがだろう? 
 この国の復興が早かったのは他国から援助を受けたのもあるが最大の理由は怪我人の早急な治療だったのだ 
 一度塗れば一晩で回復する魔法の薬・・・とはいかんがそのまま寝ているよりはずっと良いと思う、どうか役立たせてくれ」 
ネックだった重症人の問題が解決して大喜びのクマイチャンとチナミ 
おまけに大量の薬を運ぶために馬車まで用意してもらう事に 
「王様・・・本当にありがとう、また平和になったら戻ってくるね」 

ピチレモン国から帰りの道中、行きは歩きなので一週間ほどかかったが帰りは馬を貸してもらったので倍の速度で帰れる見込みだ 
「あ〜やっぱり楽だねぇ、明日には到着かな?」 
「さすがにそれは無いよ、だってまだピチレモン国の領土だもん」 
「いやぁでもこの馬凄い速いよ、伝説の名馬サトタくらい速いんじゃないの?」 
ピチレモン国の馬は「サトタよりも速く」を目標を掲げて育成させられている 
国の復興には物資の運搬が必要不可欠なので一番ポピュラーな輸送手段である馬の育成が重要課題だったのだ 
結果伝説のサトタには敵わないものの国の全ての馬が競走馬並の脚力を持つようになったのだ 
「速いし乗り心地も良いし最高だね」 
歩きに愚痴ってたクマイチャンはご満悦のご様子 

しかしピチレモン城を出発して3日目の深夜、事件は起こった 
なんと数十名の悪漢がクマイチャン達の乗っている馬車を取り囲んでいたのだ 
「リシャコ居るんだろコラ?今日こそは今までの恨み晴らさせてもらうぜ」 
リシャコが保安官だった頃にとっ捕まえた暴漢達がお礼参りのやってきたのだ 

「リシャコ、この人たち強いの?」小型大砲の用意をしつつ質問するチナミ 
「ん〜、ずっと前戦ったけど余裕だったよ」馬車から三叉の槍を取り出すリシャコ 
「そっか、じゃあなんとかなるね」二人に倣い長剣を構えるクマイチャン 
余裕ぶっかましてる3人を見てイライラする悪漢達 
とうとう我慢出来ず準備している最中の3人に斬りかかる 
しかしそこは食卓の騎士である3人、軽くあしらってしまう 
クマイチャンはその長い剣を振り回しながら敵の密集している地帯に突撃 
敵も剣術を心得ているわけないのでクマイチャンの斬撃を捌ききれず薙ぎ倒されてしまう 
チナミは敵の中でもあまり積極的に攻めてこない者を見抜き鉄球を投げつけた 
基本的にこの悪漢達は特に仲間意識がある訳ではないので簡単に逃げてしまうのだ 
倒すのが目的ではないので逃がすだけで大成功なのである 
最後にリシャコだが通り名の由来となった三叉槍「パスタセンヨウフォーク」を敵の喉下に軽く刺しては次の敵を狙っていた 
リシャコの実力なら敵の首を貫く事は易いのだが先に述べた通り倒すのが目的ではないのでその程度にしておいたのだ 
当然ただの人間なら首に小さな穴が開くだけで大騒ぎなので後はただほっておけばいい 
そうこうしているうちに10分たらずで戦意の残っている敵はいなくなってしまった 
クマイチャン、チナミ、リシャコ、誰一人実力の50%も出してないと言うのにだ 

クマイチャンとチナミがリシャコを呼び戻すため出発してからちょうど十数日 
ようやくクマイチャン達は王国へと戻る事が出来たのだ 
「ついたー!!結構な長旅だったねぇ」大きく伸びをするチナミ 
「早くミヤビのとこ行こうよ、早く早く」久々の王国なので大はしゃぎなリシャコ 
「良いけどミヤビは怪我してるんだから抱きついたりしちゃ駄目だよ」 
「わかってるよ〜」頬っぺたを膨らましながらリシャコはチナミの背中をバシバシ叩く 
そうしてなんやかんや言いながら3人は城へ入っていった 
すると城の中には自分達より遠出しているはずのナカサキとオカールがもう居たのだ 
「あれ?二人ともメロニアに行ったんじゃなかったの?」 
明るく質問したチナミだがナカサキは暗い表情で黙りこくったまま 
「なんなのなんなの?あ!ひょっとして行かなかったとか?」 
チナミの大声を聞いたからか扉を開けて3人の若者がこちらにやってきた 
「あ!」「お前達は!!!」 
なんとやってきたのは3人ともキュート7戦士であった 
「アイリ・カッパー・ダボトール」、「マイマイ・チチハエ・タラステル」、「カンナ・ディスライクハンド」 
遠征に行っていたはずの彼女らが何故王国にいるのかチナミには分からなかった 
そして、彼女らがここにいるなら何故マイミ隊長はどこにも見当たらないのか・・・それも分からなかった 

メロニア編
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