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続々・漢を磨け!俺の単発修行日記 ー復活の赤い彗星ー

report : Guy [NKD SCIENTIFIC RESEARCH]


写真/(C) STANDARD SPEED

梨本塾というイベントにSV400Sで参加し、一度は勝利した宿敵ジョニー(愛機はミレニアムファルコン号)に完封負けしてから2ヶ月(前回参照)。前回、まだ俺と競って勝ったこともないにもかかわらず、挑戦者と呼ぶにはあまりにも不遜な態度で挑発を繰り返すジョニーに、俺は為す術なく敗れた。力の差は明らかで、それはマシンの性能を言い訳にすることをも許さなかった。
 だが、俺はただ負けて悲嘆に暮れ沈むような軟弱な男ではない。・・・そう、漢の歴史は負け戦からこそ紡がれて行くのだ。


2002年5月X日。

 ジョニーより電話があった。ジョニーと言うのは、学生の頃からの友人で「亜空間ドライブ装置*1)」搭載のミレニアムファルコン号(GSX-R1300 隼)という凄まじいバイクに乗っている漢だ。
 5月の梨本塾には参加するのか?という話題だが、その言葉の端々には
 「
おとなしく諦めたらどうだ?」という勝者の奢りが感じられる。おいおいおい・・・ちょっと待ってくれ。少しばかり俺が前線を退いている間にこっそり練習して1度勝ったくらいで、ずいぶんと偉くなっちまったみたいだなあ?
 そろそろ奴の眼を醒まさせてやらねばならないだろう。
として

*1 この装置によって、高速道路でパトカーの取締がないワープコースを移動可能。「ぶっちぎれる自信がある」ということとの解釈も可能。


2002年5月26日。

 前回の参加時は、スプロケット、チェーン、タイヤ、プラグ、Fブレーキパッドを交換して、少しでもマシンのパフォーマンスを上げようと、結構涙ぐましいくらいに地味な改造を施しての参加だった。

 しかし、今回はマシンにおいては特になんの変更もしない。スプロケを変えた際により加速重視になるように歯数を変更したが、これはちょっとやり過ぎたみたいで、1速がローギア−ド過ぎてまともに使えなくなってしまった感があったが、それもまあよしとする。2速を使ってスムーズな走りを心掛ける作戦で行こう。
 また、行き掛けのガソリン補給は満タンにはしなかった。ガソリンによる重量増を避けるため、必要最低限だけの給油を行った。非常にセコいが、並みいる大排気量・大パワーのマシンの中で俺のサイクロン号改め
マラサイ号が唯一アドバンテージを持てるのはその軽量さだろう。それは最大限に活かさなければならない。もっとも、いわゆる「スーパースポーツ」と呼ばれるマシンの前で、それがいかほどの力を発揮するかは定かではないが・・・。

 


当日、フリー走行。

 前回は、Aグループでの走行だったが、今回はBグループとなった(Aのが速い)。まあ、降格ということにはなるが、人数の都合もあるし、もともとAグル−プではドベだったので、そんなもんだろう。

 今回は、まずは前回の最後につかんだコツを思い出しながら、頭に血が昇らないように注意して走りはじめた。まず、ギヤはローには落とさない。他の人たちはローを使い切ってこそ速く走れると言ってたので、俺も、と以前は思っていたのだが、どうも良くなかった。他の多くの参加者のマシンが600から1000ccの4気筒エンジンなのに対し、俺のマラサイ(SV400S)はVツインだし、排気量も小さい。ローだと、速度域が会わないようなのだ。それで今回はローは使わないで2速のみで走ることにした。この方法においては、ファイナルの変更も当りだったかも知れない。結果的に、よりスムーズにコーナリングできるようになったし、コーナー出口付近でエンジンが回り切ってフン詰まりになることがなくなったので、長めの直線では3速に上げられるようになった。つまり、トップスピードが上がったってことだ。

 また、昼休みの梨本氏によるライン取りレクチャーを受け、また、Aグループの人たちのラインを見て(これはBグループの特典だな)自分の走行ラインも変えた。どうも俺には、いわゆる「クリッピングポイント」ってのを設定する気持ちが欠けていたらしい。なるべく短いラインを、という気持ちが先行してどうしてもインベタで進入して出口で膨らむパターンが多かったと思うのだが、コーナーによっては進入と旋回を思いっきりアウト側で行うことで、スピードの落ちてる時間を少なくすることができることがわかってきた。もちろん、雑誌などで見て知識としては知っていたが、もっと具体的に、実践できるって意味でわかってきたってことだ。

 結果、タイムアタックでは見事にBグループ1位をマーク!おお!すごいぞ俺!

 ・・・ジョニー?ああ、当然、1位の俺よりは遅いわけさ。ははははは!機は熟した!報復の時は来れりじゃあ!

俺様 マラサイ SUZUKI SV400S 53ps 30' 63
ライダー マシン 型式 最高出力 LAP
ジョニー ミレニアムファルコン GSX1300R 170ps 30' 76


2002年5月26日 そして勝負。

 そして模擬レース。当然、俺はポールポジション。しかし2位のジョニーは同じ先頭の列にいる・・・。タイムで勝ったとはいえ、立ち上がりから直線の加速ではミレニアムファルコンのパワーが俺のマラサイを圧倒する。つまり、抜くならばコーナーの突っ込みから旋回中に完全に前に出る必要がある。まだ自由にラインを選択できる技量はないし、それは難しい。つまり、俺がこのレースでジョニーに勝利するには、スタートから終始前に出ている必要がある。幸い、俺は発進が得意だ・・・。1コーナーで前に出て、願わくば、決してスタートの上手くないジョニーが集団に揉まれている間に差をつけてしまわなければ。

 フラッグが掲げられると同時に、俺は適度にエンジンの回転を上げ、降り下ろされると同時に全開で発進した。・・・しかし!気負い過ぎたのだろうか・・・発進直後に前輪がリフトする・・・! それを下げるために若干加速を緩めた俺の隣を、いつになくアグレッシブなスタートを決めたジョニーが先行して行った・・・。

 シィィット!!これは不味いことになったぞ・・・。とにかく、離される訳にはいかない。
 全力で追い掛けるが、しかし、追い抜くことができない。コーナーの進入で差を詰める。ジョニーは巨艦ミレニアムファルコンの高性能なブレーキと安定性を活かし、怒濤のレイトブレーキングでコーナーに突っ込むが、クリッピングポイントに至るまでをスムーズにこなせるようになってきた俺の方が、まだ速いと感じた。コンパクトに旋回して立ち上がりを早くすることで、コーナー出口ではミレニアムファルコンの後輪に俺のマラサイの前輪を並べることもできる。
 だが、そこからだ。そこから次のコーナーに向かって、俺は身を伏せて全開で加速する。10500rpmで最高出力を発生するエンジンを12000rpmあたりまで引っ張る。
完全にレッドゾーンだ。エンジンの音もちょっとおかしくなってくる。それでも、愛車に鞭打って全開加速をする俺のスクリーン越しに、亜空間ドライブ開放で加速していくミレニアムファルコンは遠ざかって行く。なんてことだ・・・悪い方の予想通りの展開だ・・・。

 進入で詰めるが抜け切れず、直線で離されるという状態で何ラップかして、俺は作戦を考えた。そうだ、もう少し走れば周回遅れのライダーが現れるはず・・・これをかわすどさくさにまぎれてジョニーもぶち抜こう。一旦前に出ればこっちのもんだ・・・。

 しかし、その考えは甘かった。よく考えてみれば、ジョニー以外もやはりハイパワーのマシンがごろごろいるわけで、やはり、俺としては直線で抜くのは難しいのだ。直線で抜くにしてもその前のコーナーで前のマシンのラインを交わしつつ完全に前に出て行く必要があるのだが、俺の技量でそれをやるには、どうしてもしばらくチャンスを待たなければならない。しかし、ジョニーはコーナーで並べば、直線で完全に抜き去ることができる。ほとんど、前車に追いつくと間もなく抜かして行く。

 結果的に、後半、周回遅れをかわす場面が増えるにつれて、ジョニーと俺の差は開いていった

 そう、俺はまた奴の後塵を喫してしまったのだ・・・。

 だが、俺はまた新たな課題を見つけた。まず、より安定したコーナリングをできるようにすること。そうすれば、ラインももっと自由に取れるようになるんではないか・・・。その為には、重心移動をもっと体を使って行って、バイクを過剰にバンクさせないようにした方がよさそうだ。
 あとは、ブレーキング。進入は「旋回する点に向かって減速して行く」というような感覚をつかんだことで前よりスムーズにはなった。速くもなったろう。しかし、その動作の前の、コーナー進入時のブレーキングはもっとガッチリやってもいいはずだ。つまり、もう少しメリハリを出せるはずだ。

 今回、奴は「勝った」と言っている・・・本人がそう言っているのだから俺も「負けた」ことにしといてやる。しかし、もはや奴の優位性は砂上の楼閣
 次回、
俺の心の小宇宙が熱く燃える時400ccで1300ccを撃墜という奇跡は起こるだろう

模擬レースの様子は梨本氏のサイト内(ここ)に掲載されてます。


追記

・・・いや、実質的には俺の勝ちじゃない?
まあ、ここまで来たら完全勝利を目指すけどね。
俺は
傷付いたままじゃいないさ・・・!


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★ 梨本塾 2002年5月26日 参加報告
手に入れたもの 旋回のコツ
失ったもの 今回、初めて転倒無し!
結論 ミレニアムファルコン、ロックオン。