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Reports ツチノコ捕獲作戦発動

おそらく
第一次ツチノコ捕獲作戦 報告書

2001年初夏、NSRは遂にツチノコ捕獲作戦を敢行した。
概要は、

  • 生け捕りにする。
  • 場所は何処でもよし。
  • 見事捕獲した暁には、採集地を偽って兵庫県千種町に届け出る。そして2億円をいただく。
  • 2億円は当該調査に直接参加した者のみで山分けする。比率は発見者2/(n+1)、その他1/(n+1)、(註:n = 人数+1)とする。

である。


捕獲方法

以前の予備調査で、不確かな情報筋からいくつかわかっていることがある。

  • ツチノコは穴に住む。
  • ツチノコはヤマカガシの仲間である。
  • ツチノコの幼生は昆虫を食べる。
  • ツチノコの動きはマッハであり、常人には捉えられない。

 上記の2点目から考えれば、ツチノコを探す場所は日本国内ならおよそどこでもいいということになる。ただ、なるべくヘビの多そうなところがいいだろう。
 また、3点目から考えるに、虫が出始めるこの時期はツチノコが孵化する時期と考えることができる。まだ気温の低い日があるので、活動を始めたが充分に機敏な動きができない(ツチノコが外温動物であることは間違いないだろう)、その隙を突けば4点目の問題もクリアできそうだ。あとは、上記1点目に従い、穴をメインに捜索すればよい。


調査地

 調査地は、様々な角度から検討した結果、青木ヶ原樹海に決定された。この地を選んだ主な理由を幾つか述べると、次のようなものがある。

  • 溶岩を基盤とした地形は凹凸に富み、ツチノコの巣となりうる穴が多い。
  • 標高が高い為に気温が比較的冷涼で、ツチノコの活動がまだ鈍いと予想される(5月末現在)。
  • 万一、ツチノコがヤマカガシの仲間ではなく妖怪の一種だった場合も、霊峰富士の麓で何かといわく付きの青木ヶ原樹海ならば遭遇できる可能性は高い。


調査結果、および考察

 かくして我々は、青木ヶ原樹海へと調査に赴いていた。メンバーはガイ、ジョニー、ソニーの3名である。午前中の明るい日射しの中にあっても、木々に光を遮られた樹海の中はどこか「それっぽい」雰囲気を充分に醸し出していた。もっと葉が多くなり鬱蒼とする真夏ならば、むしろ恐いぐらいになるだろう。

 鳴沢地区から樹海に入ってしばらく行くと、先行していたジョニーとソニーが慌てて私のもとに引き返して来た。「糞です!肉食獣の糞を発見しました!」確かにそれは草食動物のそれではないようだ。だが、私の直感はさらにそれ以上のものを感じ取っていた。「・・・奴だ。奴のモノに違いない。」「・・・奴とは?熊、あるいは猪でありましょうか?」「・・・ソニーよ。寝言は眠ってる時だけにしてくれ。ツチノコに決まっている」
 イメージ的にはそんな会話を交しながら、問題のブツを検証する。黒々としつつセルロース質の混入を感じさせないヌメっとした光沢は、まさに肉食獣のものである。最近この辺りに熊が出た事はないという裏は、事前調査で既にとってある。となるとやはり、奴だろう。

 しかし、この糞のサイズからすると、どうやらこのツチノコはかなり大きいらしい。よく目撃されるものは「ビール瓶くらい」と云われるが、それどころではない。また、明らかにヤマカガシの糞というには無理がある。じゃあ、これはツチノコの糞ではないのか?ならば、いったい何の糞だ?よく知られている凶暴な肉食獣ならば、如何に樹海とはいえど観光客も多く訪れる時代に看板やニュースなどを通じて何の警告も与えられないということはないだろう。人に知られずに存在する大型肉食獣。南米の熱帯雨林ならいざ知らず、山梨県であり得るだろうか?

 疑問を胸に調査を進めた我々は、さらに驚くべきものを発見した。発見に至る経緯はこうだ。
 まず、ツチノコのものと思しき糞を発見した我々は、その周囲を調査した。すると、その糞のある場所から、下草が踏み分けられたような跡が微かに続いていることに気が付いた。樹海の中に突然あらわれる踏み分けは人間のものではないだろうとすぐ想像ができた。実際、周囲に足跡はなかった。・・・そうだ。「足跡」がない。不思議な事に、人間意外の足跡もないのだ。
 このことからわかることが一つだけある。この糞をした獣は、「足を使わないで移動している」ということだ。もうおわかりだろうが、大型のツチノコならば「足を使わずに」「人間に気付かれずに過ごす」「肉食の獣」という条件をすべて満たすことができる。
 しかし、本当にそんな事があるだろうか?にわかには信じられない。だが、この這い跡を辿れば、何かがわかるかも知れない。そう、我々の仮説が真実であるならば巣穴があるはずだ。巣穴がないのならば、我々はなにか重大な勘違いをしているということだろう。
 我々は、未知への期待と不安が入り交じった複雑な気持ちを押さえつつ、這い跡を見失わないように慎重にトレースをしていった。・・・そしてしばしの後、我々は幅1.5m程、高さ70cm程の穴の前に立っていたというわけだ。・・・ツチノコの巣穴である。ここに、仮説は真実となった。

 巣穴の周囲には、昼だというのに、なんとも奇妙な幽玄の気配が漂っていた。科学的調査を目的としている我々にとって、こういった表現はタブーだが、敢えていうならば「神々しさ」さえ漂っていた。巣穴を探索したいが、やんぬるかな、相手は未知の肉食獣だ。迂闊に近付く危険は避けたい。しかし、虎穴に入らずば虎児を獲ず、という事で結局ジョニーが内部を探索することになった。念のため、丈夫な皮革製で要所を樹脂で防御した、NSRでは「アタックスーツ」と呼んでいるものを着用しての調査となった(上写真)。緊張した面持ちで調査にかかるジョニーを我々は固唾を飲んで見守る。・・・しかし、巣穴は空だった。

 巣を出て行動中だった可能性もあるが、恐らく、巣穴は一つではないのかも知れない。想像できる体躯の大きさから考えると、行動範囲はかなり広いだろう。であれば、この樹海では巣穴に適した地形は多いので、幾つも巣を持っていた方が融通が効くだろうし、また、そういったある程度高度な生態、あるいは判断力とでも言おうか、それを有しているからこそ、ツチノコは現在まで人間にその素性を暴かれずに棲息できていると考えた方が自然ではないか。


結論

今回の調査では以下の事が明らかになった。

  • ツチノコは青木ヶ原樹海にも存在する可能性が高い。恐らくは、国内の多くの森林、山間部に存在していると思われる。
  • ツチノコの大きさは、従来考えれていたよりも遥かに大きいものが存在すると思われる。言ってみれば伝承にある猪神の「乙事主」に相当するクラスのものが、青木ヶ原にはいるのであろう。
  • 以上の事から、ツチノコはヤマカガシではなく、古い山の神か、あるいは物の怪の類であると考えた方が自然である。
  • したがって、我々は、2億円は魅力的だが命と引き換える価値があるかどうかを真剣に考えなければならない。ツチノコのタタリガミは、たぶんかなり恐ろしいだろう。