Reports 想い出フォトグラフ シリーズ2
想い出フォトグラフ
札幌でマタンゴ発見
バイクで訪れた北海道で出会った、不思議な光景。
バイクでの旅行を何日も続けていると、結構うす汚くなってしまう。トラックの排ガスなんかで煤けるし、だからといって上着を何枚も持って行くわけにもいかないからだ。それで、休憩がてらお茶でも飲もうという時でも、ついついコンビニや自販機になってしまう。金を安くしたいこともあるが、汚い格好で小洒落た喫茶店に入るのも気が引けるからだ。
しかし、この日は札幌に滞在中で、飛行機で札幌に来ていた友人と落ち合っていたこともあり、めずらしく喫茶店で甘いものを食べながらお茶を飲んでいた。そこで窓から駅前の広場を眺めていた時、俺は奇怪なものを発見してしまったのだ。「でっかいキノコが歩いている!・・・マタンゴか!?」見れば手にしたのぼりには「きのこの里フェスティバル」。愛別という町のイベントで、北海道ローカルのニュースで宣伝するために撮影を行っていたらしい。しかし、このキノコマン。どうだろう。そんなあからさまにキノコじゃなくてもいいじゃないか。どう見ても物の怪の類いだぞ。真っ赤なマントと白タイツの脚の生々しさが、夕暮れの街に妖気を発散していてえもいわれぬ雰囲気を醸し出していた。喫茶店から駆け出して、写真を撮った俺は背中に寒いものを感じたが、それは緯度が高いせいばかりではあるまい。おそらく妖気のせいでもないだろうが。ちなみに、キノコマンの傍らには、「ミスきのこ」が微笑んでいた。スーツはなめこ色だったけど、コスプレさせられなくてよかったね。