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Reports 遠野カッパ渕の謎

思い出フォトグラフ
謎が謎を呼ぶ河童渕


フォークロアの郷・遠野で待ち受けていたもの

 日本を代表する民俗学者である柳田国男ゆかりの地として、また妖しの郷として有名な岩手県遠野市。旅程の都合上、北西側から国道396を辿って上閉伊郡に入った俺は、稲荷穴への潜入を果す為に馬越峠へと向かっていた。その日の調査目的はその稲荷穴と、もうひとつ、こちらが本命の「カッパ渕」だ。
 さて、稲荷穴には事もなく到着した。稲荷と言えば狐の神様だよな。で、なんかたいそうに祀ってあるくらいならば、奥に入るとなんか面白いものがあるんじゃないかなとか思ったわけさ。・・・で、入り口はそう大きくないが人が入ることは充分可能な大きさだ。・・・しかし、問題があった。どうもここは、洞内(鍾乳洞なのだ)から湧き出る水を汲んでありがたくいただく場所のようで、爺婆が大勢水を汲んでいるのだ。
 彼らを押し退けて俺が稲荷穴に進入することができるのか?そんな罰当たりなマネが。・・・しかし、こっちだって、苦労してここまで来たんだ。そう簡単には退けない。覚悟を決めて、俺は洞窟に向かった。しかし、試しにその水を飲もうと手ですくった瞬間、俺の背筋に電気が走った。それは神の戒めか?(水があまりに冷たくて、『こんなとこに浸かったら死んでしまうわ!』と怖じ気付いた、わけではない、断じて。)とにかく不吉なものを感じて、俺は稲荷穴から手を退くことにした。こういうことをやる時には、我々は自然を相手にしているのだからこそ、ときに謙虚な姿勢も大事だ。プロだからこそな。(例えバイクで舗装路を走っていって、歩いたのが100mくらいだとしてもだ。)

 さて、その後、いよいよカッパ渕へと向かう。余談だが、途中には「トオニップ展望台」というところがある。この言葉は、あからさまにアイヌ語由来で、かつてはアイヌが北関東にも生活していたという民俗ならぬ民族的な歴史も感じさせるものだ。

 そして、何度か迷い、Uターンを繰り返し、辿り着いたカッパ渕。付近には、めずらしい河童狛犬なるものも存在する。この「カッパこま犬」は基本的には普通の狛犬なんだが、ただ一つ通常と異なるのは、頭の上に窪ませて雨水が溜まるようにしている点だ。はっきり言って、衝撃を受けるほどのものではない。しかし、エジプトでいうアヌビス神のようなものにあたるのかと考えてみれば、なるほど、「ここは河童の聖地だ」という主張をしている気がして来ないでもない。

そして、案内を頼りに小道を少し歩く。遠野は多くの妖怪の産地として有名だが、けっしてとんでもない山奥というわけではない。基本的に、里だ。だが、人影の少ない里の景色は、どこか寂れて、人の匂いがあるからこそ、その情念に駆り出されるように異形のものたちが生まれ出ることもあるのか・・・などという感傷さえ呼び起こす。・・・ふふ、これは科学の徒たる俺には相応しくないかな。

 そしてやがて、前方に朽ちかけた標柱・・・そこには墨で「カッパ渕」と記されている。日本の民俗に興味を持つものの間では、遠野物語はあまりに有名だ。その舞台である遠野のカッパ渕。いってみれば、ここがカッパの一つの起源の地なのだ。

 伝えられるところによると、

小烏瀬川の姥子渕の辺に、新屋の家といふ家あり、
ある日渕に馬を冷やしに行き、馬曵きの子は外に遊びに行きし間に、
河童出でてその馬を引き込まんとし、
かへりて馬に引きずられて厩の前に来たり・・・

 という、恐ろしいような微笑ましいような不思議な逸話もあるそうだ。


 いよいよ渕に着いた。辺りをゆっくりと眺める。静かに流れる水は蒼く、この暗い渕の奥底に、確かに、何か得体の知れないものが潜んでいるかも知れないと




・・・・・
思えねーよ!

 だって、ここ、深さ30cmくらいしかねーじゃんよ!
河童がいるとかいないとか以前の問題だろ!
渕って呼ばねーよ!こんなサラサラ流れちゃってる小川はな!
 ったく誰だよこんなところで「
カッパじゃあ〜カッパが出たぁ〜!」とか言ってた奴ぁ・・・何時代の人間か知らんが、とんでもない嘘つきだな・・・。

 まあ、こう写真で見ると多少雰囲気あるんだけどね。絶対にカッパはいないよ。だって底まではっきり見えたもの。そんで、確かにいなかった。カッパが隠れてそうな穴とかもなかったね。

 しかし、それと裏腹に非常に不思議なものもあった。カッパ渕のほとりには河童神を祀った小さな祠があるんだが、なぜかそこには乳首人形が大量に奉納されているんだな。どんな人形かっていうと、まあ、人の形してないから人形って言うのも変なんだが、オバQみたいな形にして綿を詰めた布の先に突起を作ってあって、それを赤っぽく塗っているんだな。見て興奮するようなシロモノではないんだがね。なんか、妖怪と土着信仰とエロティシズムというのは、時に奇妙な符合を見せるものなのかなと。その繋がりの意味を考えるのはまたの機会ということで。

今回の結論:遠野のカッパ渕にカッパはいない。・・・当然か。