Reports 赤い彗星とは。
男の規範 赤い彗星とは？
１．序
赤い彗星とは、「機動戦士ガンダム」に登場する「シャア・アズナブル」という男の異名である。
シャアは、地球連邦軍のモビルスーツ（全高約20mのロボット）ガンダムのパイロットである主人公「アムロ・レイ」の敵役であるジオン公国軍の兵士でありながら、主人公以上の人気を誇っている凄い奴なのだ。男なら誰でも知っているだろう。女性でも、彼氏が赤い車を見て「赤い彗星みたいだ」とか「やっぱ３倍速いかなあ・・・」とか呟くのを聞いたことがあるだろう。このページでは赤い彗星初心者の為の簡単なテキストを提供しよう。
２．シャアの特徴
シャアは、
一つ、常に真っ赤な衣装を纏う。
一つ、マシンに乗るなら真っ赤なマシンだ。
一つ、アイマスクと白いヘルメットで常に素顔を隠している。
一つ、動作は常に滑らかで格好よい。
一つ、ただし馬に乗る時は、白馬に乗る。
などの特徴を有する。このうち、特に重要なのはやはり「赤」だ。搭乗するモビルスーツももちろん真っ赤に塗られた特別仕様で、それらは「シャア専用」と呼ばれる。通は「S型」というかも知れない。シャア専用が凄いのは色だけではない。シャア専用ザクは、通常のザクの３倍のスピードを誇るのだ。
ザクは、もっとも旧型のモビルスーツ（以下MS）なので、やられ役なのだが、シャア専用ザクは違う。ガンダムをも圧倒する戦闘能力を発揮するのだ。ただしそれは、３倍速の為だけではない。ビーム兵器が主体の戦場で時には接近して蹴りをも放つシャアの卓越した操縦のたまものだ。そこがまた渋いのである。よって、「赤」「３倍のスピード」この２つこそが「赤い彗星のシャア」そのものとも言えるのだ。３．赤い彗星は男の鑑
アニメのキャラクターにあまり入れ込むのはどうかと思うが、シャアは別格だ。ただ格好よく描かれていたから人気があるのではない。全編を通じて、パイロットとしての能力以外にも、その判断力の的確さ、行動力、冷静さ、そして信念を貫く姿勢はまさに男の鑑だ。ラルクアンシエルのリーダーは、人生に迷った時は「こんな時シャアならどうするだろう？」と考えて生きて来たと雑誌に答えていた。その結果があの売れっ子ぶりだ。これからは、君も僕もシャアの生き様を規範にして生きていくのだ。この混乱の時代を生抜くにはそれしかない。さあ、まずは赤い服とマシンだ。俺は赤いTシャツと赤いバイクを手に入れたぞ。君達も出遅れるな！
さらに詳しく知りたい貴方に特別付録 シャアの略歴
4．歴史
シャアの凄さはそれだけではない。その生き様も凄まじいものがある。
シャアの父はジオン・ズム・ダイクンといい、宇宙移民の時代に宇宙生活者の主権を唱えた思想家だった。だが、ジオンはデギン・ザビという男に暗殺されてしまう。デギンは、ジオンの思想を利用して民衆を扇動し、ジオン公国を名乗ると（国にジオンの名を冠したのは暗殺の疑惑を逃れるためと云われる）、地球連邦軍に対し独立戦争を仕掛けた。しかしデギンの求めるものは宇宙生活者の主権ではなく、独裁制による世界の覇権であった。ジオンの子であるキャスバル・レム・ダイクンは１９才の頃に、病死と言われていたジオンの暗殺の事実を知る。キャスバルはその後、トレンチコートとサングラスにアタッシュといういでだちで家（貴族だ）を出て行方知れずになる。その後、ジオン軍に凄まじいパイロットが出現する。ザク１機で戦艦6隻を沈めたその男こそシャア・アズナブルと名を変えたキャスバルであった。「赤い彗星」と恐れられるようになったシャアは、戦争の序盤で大多数の軍人が戦死していたこともありスピード出世。あっというまに指揮官（21才）になっていた。ある作戦の帰路、シャアの部隊は偶然、連邦軍が極秘に開発（V作戦）していたモビルスーツを発見。「わたしはついている・・・。」そう呟いたシャアはもちろん偵察を敢行。「チャンスは最大限に活かす。それが私の主義だ。」しかし、起動したガンダムの前に部下２人を失う。これがガンダムとの因縁のはじまりだった。起動したガンダムは無敵の強さを誇っていたが、シャアとの対戦はあまくはなかった。「見せてもらおうか、連邦のモビルスーツの性能とやらを！」実際、ガンダムの性能にはシャアも驚愕したが、ガンダムもシャアを討ち取ることは不可能であった。そんなこんなで戦争は続くが、シャアの本当の目的はもちろん、ジオン軍を勝利に導く事ではない。父を殺し、その名を騙るデギン・ザビとザビ家に復讐することだ。そのために、ジオン軍の士官になり、ジオンのVIP、つまりザビ家に接近するチャンスをつくったのだ。シャアが手始めに葬ったのは末弟のガルマ・ザビだった。もちろん、罠にはめて自滅させたのだ。「恨むなら自分の生まれを呪うがいい。」シャアのことを士官学校時代からの親友と思っていたガルマへの最後の言葉はこれだった。
ガルマの死は、ジオン軍＝ザビ家に大きな衝撃を与えた。長兄・ギレン・ザビはガルマの死を悼み世界中に向けて演説をぶつ（実際はそれによる戦意の昂揚をねらったのであろう）。歴史に残る演説の最高潮でギレンは叫ぶ。「ガルマは何故死んだか！？」バーで独りロックを飲みながらテレビ中継で演説を聞いたシャアはひとり呟く。「坊やだからさ。」この台詞こそは、数あるシャアの名言の中でも最も有名なものの一つであろう。
ガルマを溺愛していたデギン公王はその後すっかり腑抜けてしまう。変わって独裁的な野望家、ギレンは一気にその権力を強めてゆく。そんな中、次男のドズル・ザビはソロモン（隕石を利用した宇宙要塞・富士急ハイランドで一部再現されているぞ。）で戦死。混乱した戦況の中、連邦と和議を交そうとしたデギン公王をギレンは事故に見せかけて暗殺（巨大な砲で多数の敵艦もろとも撃沈）する。ところがこのデギンは妹のキシリア・ザビによって父殺しの罪を咎められ殺されてしまう。シャアはこのとき、キシリアの指揮下にいた。最後の戦いでガンダムと相打ちし、MSを失っていたシャアだが、脱出しようとするキシリアの戦艦を見つけると、ここでもチャンスを最大限に活かした。バズーカでグワジン（戦艦）のブリッジにいるキシリアを狙撃。見事ザビ家をことごとく滅ぼしたのであった。それにしても生身で戦艦を沈めるシャア。凄いね。
結論から言えば、ガンダムの主人公はガンダムでもそのパイロットのアムロでもない。シャアだ。ずば抜けた頭脳と行動力、しかもナイスガイで志の高い男、シャアの復讐劇なのだ。こうして「機動戦士ガンダム」の物語は終わる。生身で戦艦を撃ったシャアはどうしたのか？爆発に巻き込まれたのだろうか？もちろんそんなことはない。映画の最後のスタッフロールの背景には、戦艦で脱出するシャアの姿が暗示されている。そして７年後。ジオン公国を下した地球連邦政府は腐敗しきっていた。特権意識の蔓延と官僚のはびこり。世界には不満があふれ、いつしか反地球連邦組織が成長していた。再び開戦の兆しがあるその頃、かつてシャアがガンダムを発見し、３機のザクを送り込んだ空域に再び３機のMSが潜入していた。そのうちの１機は赤い塗装が施されている。そして、その赤いMSを駆る男はクワトロ・バジーナ。反地球連邦組織のエースパイロットだ。だが、クワトロは実は７年前の戦争で戦死していた。混乱に乗じてクワトロのIDを盗んだのはシャアだった。再び、激しい戦争が起こるが、最後の戦いでシャアのMSは無惨に大破する。MSの性能が飛躍的に進歩した時代に敵の新型MSは強力過ぎた。だが、この「機動戦士Z（ゼータ）ガンダム」の最後でも、シャアは脱出し生き延びたことが暗示される。
そして、数年後。かつて敗戦し、消滅したはずのジオン軍が復活し、地球に宣戦布告をする。シャアがそのカリスマ的指導力で再びジオンを復活させたのだ。その目的は、人間は地球にいる限り地球を汚す事を止められない。そして、地球に住むことの特権を巡っての争いもまた消えない。ならば、地球を人の住めない星にしてしまえ。そして、人の記憶の中にのみ存在する故郷としてしまえというものだった。極論だ。
だが、その作戦は失敗に終わる。新型のガンダムに乗ったアムロにシャアは敗れてしまう。しかし、ガンダムの設計に施された革命的な技術は、シャアが敢えて連邦にリークしたものだった。以後、シャアの行方は知れない。だが、シャアの凄さはまだ終わらないのだ。
約１００年後。世界は再び荒廃し、腐敗していた。もはや地球と宇宙の覇権を握った連邦は賄賂にまみれ、特権意識が蔓延し、移民、難民を強制収容する「人狩り」までやってのける始末。そんな中で、連邦を粛正するべく立ち上がった秘密結社。彼等が指導者に迎えたのは、人類初のニュータイプ（ガンダムで出てくる猛烈に勘の鋭い人達だ）として歴史に残る男、シャア・アズナブルのクローン人間だった・・・。
とにかく凄いんだよ。赤い彗星は。
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ガンダム年表 スプートニク打ち上げから始まってます。 http://www.exp.org/~pochi/anime/gandam/nenpyo.html
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